読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その21 第3章 「起業」と「新規事業」 17 「企業家とは何か」 J・A・シュンペーター

シュンペーターは流石に(名前は)知っている。といっても、「あの『創造的破壊』の人でしょ?」ぐらいのレベルだけれども。まあ、新しい章の冒頭で取り上げるに相応しい大物ではある。
ここで取り上げられているのは、シュンペーターの論文4本を日本で独自にまとめた1冊とのこと。
シュンペーターは、経済発展の原動力はイノベーションであると言い、イノベーションを生み出すのは既存知の組み合わせである「新結合」であるとした。
そして新結合には次の5つのパターンがあるという。
1.新しい商品:(例)iPhone
2.新しい生産方法:トヨタのかんばん方式
3.新しい組織:松下電器の事業部制
4.新しい市場:マクドナルドのフランチャイズ方式による世界展開
5.新しい供給源:ユーグレナのミドリムシ
このようなイノベーションを生み出すのが企業家だ。企業家は発明家ではなく、発明を利用して新しい事業を行う者をいう。
そしてイノベーションを実現するのは企業家と資本家のコンビであり、リスクを負うのは企業家ではなく、資本家である、とする。
企業家は失敗を恐れず、新しい事業に取り組み、それを資本家がリスクマネーを出して支える、という構図。日本では、これが機能せず、企業家が自らリスクを負って資金を調達し、失敗すると全てを失う、という状況であったため、新しい事業がなかなか生まれず、長期停滞に陥っていた。最近ようやくベンチャーキャピタルが整備され、再挑戦の機会が得られるように改善してきた。
イノベーションを実現する企業家こそが経済発展の要となる存在なのだ。

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