読書記録 MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた その18 第2章 「顧客」と「イノベーション」 15 「イノベーションへの解」 クレイトン・クリステンセン

クリステンセン、2冊目。

前著「イノベーションのジレンマ」が、リーダー企業が破壊的技術を擁するベンチャーに敗れる仕組みをリーダー企業の側から描いているのに対して、この本では、ベンチャー企業の側からリーダー企業を打ち倒す方法を解明している。

まず破壊的技術には、「新市場型破壊」と「ローエンド型破壊」の2つがある、という。前者は今まで買わなかった人を顧客に取り込み、新しい市場を作るもの、後者は低コストで製品を提供し、市場を奪うものだ。どちらもリーダー企業がこれに対抗するのは難しい。

こうした破壊的技術でリーダー企業に挑むにはどうすれば良いか。それには、顧客の「片付けなければならない用事」を見つけ、それを解決することにより「無消費者」を顧客にすることだという。

「用事」とは「やりたいけどできないこと」で、やりたくてもできないから、何も買わない「無消費者」になっている。

そこにこそ成長の種があり、それを解決するものを見つけられれば、新しい顧客、新しい市場を手に入れられるという訳だ。例に挙げられているのは、ソニーのトランジスタラジオ、ディスカウントストア、100均など。

破壊的技術になり得る技術の種はあっても、それを無消費者の「片付けなければならない用事」に結びつけられなければ、飛躍的な成長は望めない。この本は2003年の出版だが、日本の問題はそこにあると指摘している。

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