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「福祉とは何か」社会福祉のレポート作成の参考にどうぞ。

現在、福祉分野にてソーシャルワークに携わり、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師を取得した拙者が下記の参考文献をもとに「福祉」について考察したレポートです。福祉とは何かについて、参考文献をもとに施策的にみた概況を整理したあと、本来の福祉とは何かについて考察を深めました。続いてChatGPTの導き出す福祉について触れたあと、自分自身が考える福祉の当事者性についてまとめました。
 福祉系の大学生や学生の方のレポート作成の参考になればと思い、広く発信したいと考え、noteに投稿します。後半部分は有料です。(本文3201字)

✔鶴幸一郎,藤田孝典,石川久展,高端正幸(2019),福祉は誰のために ソーシャルワークの未来図,へるす出版新書
✔一番ケ瀬康子/編著(2001),新・社会福祉とは何か 改訂版 現代の社会福祉 1,ミネルヴァ書房
✔上野谷加代子編著(2020),共生社会創造におけるソーシャルワークの役割,ミネルヴァ書房
✔ソーシャルワーク専門職のグローバル定義 ,社会福祉専門職団体協議会(2014)

参考文献

1.福祉とは何か

 はじめに根本的な問いである「福祉とは何か」についてみていきたい。福祉の解釈は研究者でも統一されているとは言い難いが、「人の幸福」や「幸福の実現」ということは多くの人の共通する概念であるといえよう。
 一番ヶ瀬は、「福祉」はウェルフェア(welfare)の訳であり、“ウェル”は『快い』『健全に』、“フェア”は『暮らす』『やっていく』という意味があり、ウェルフェアに対するソーシャルな努力あるいはソーシャル・ポリシーを『社会福祉』と呼ぶとしている。また、一番ヶ瀬は、日常生活要求(注1)を3つにわけてとらえた。具体的には人間が生存するために必要な基礎的な生活要求、人間が人として生きていくために仲間がほしい、役割を果たしたいといった社会的要求、人間が人間らしく健康で文化的に生きていく文化的要求である。

 鶴は、福祉について「障害の有無や性別、年齢、生まれた環境などに関係なく、誰しもが生活を営んでいくうえで必要とする礎(ベーシックニーズ)を国が政策や法律などによって保障し、それらに位置づけられた制度や事業といった社会資源を個人の状況に応じて提供・利用できる体制と人的資源が整っていること」と定義している。

2.施策で規定される福祉の対象

 一方、国の施策による福祉の概念を整理してみる。戦後1950年の社会保障制度審議会、いわゆる50年勧告では、福祉の対象者を「国家扶助の適用をうけている者、身体障害者、児童、その他援護育成を要する者」と示されている。社会福祉士及び介護福祉士法の定義をみると「身体上若しくは精神上の障害があること」といった表記や精神保健福祉士法では「精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け」といったように規定され、その範囲を限定化している。国の施策においては福祉の対象者を、いわゆる社会的弱者としていることがわかる。 

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