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わたしの本棚

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読んだ本の感想をまとめてみました。
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#エッセイ

【ブックレビュー】東北在住・アラフォー会社員ライターの「2022年読んで良かった本ベスト3」

【ブックレビュー】東北在住・アラフォー会社員ライターの「2022年読んで良かった本ベスト3」

※2022年年末に書いてリライトした記事です。

東北在住の会社員ライター すずき・ちえです。
2022年、みなさんはどのような1年でしたか?

私は様々な変化があった1年でした。会社では人事異動で新しい職場へ、ライター活動では、個人ブログを開始したり、新しい媒体で書き始めたり。
充実していたものの、物事に追われてヒイヒイ言っていた時期も。

そんな時に支えとなってくれたのが本です。読書をすること

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【読書感想文】書くことに行き詰まっていた時、道しるべとなった一冊~『書くことについてのノート』

【読書感想文】書くことに行き詰まっていた時、道しるべとなった一冊~『書くことについてのノート』

私は会社員のかたわら、文章を書く活動をしている。住民発のローカルwebメディアに取材記事を書かせてもらったり、友人たちとの創作ユニットでエッセイを綴ったりしている。

初めは趣味の延長で、楽しくやっていた。提出した原稿にたくさん赤入れがあっても、「自分の文章がより良くなるのなら」と前向きに捉えられた。いざ公開されて取材先や読者からの反応をいただけることもあり充実感があった。

しかし、書き続けるう

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【ブックレビュー】そばに置いておきたい。田辺聖子さんの大らかで優しさに溢れた言葉たち~『歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん』(田辺聖子)

【ブックレビュー】そばに置いておきたい。田辺聖子さんの大らかで優しさに溢れた言葉たち~『歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん』(田辺聖子)

こんにちは。
東北で暮らす本好きのライター、すずき・ちえです。

今日ご紹介するのは、田辺聖子さんの『歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん』。

本を読んだきっかけ
田辺さんと言えば、ご存じの方も多いとは思いますが、現在、再放送中の朝ドラ『芋たこなんきん』の主人公町子のモデルですね。
毎朝ご覧になられている方も多いのではないでしょうか。

私も視聴者の一人です。町子と夫である「カモカのおっちゃ

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筆者の「温泉愛」にあふれた、温泉ガイドエッセイ

筆者の「温泉愛」にあふれた、温泉ガイドエッセイ

 東北に住んでいて良かったな、と思うことの一つが温泉の多さ。私の家からは車で30~90分くらいの範囲で、宮城県の「鳴子温泉」や山形県の「蔵王温泉」など有名どころの温泉に行くことができる。社会人になり、車を運転するようになってからは、地の利を得て日帰り入浴がてらドライブに行くのが休みの日の楽しみの一つだ。車の運転も、温泉も大好きなので、家族や友人と休みが合わないときは、一人で行ったりもする。自然の中

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【読書記録】「共感」こそがエッセイの楽しみ~津村記久子『まぬけなこよみ』

【読書記録】「共感」こそがエッセイの楽しみ~津村記久子『まぬけなこよみ』

 最近、エッセイを書くのが楽しい。自分主体で日常のひとコマや、日々感じていること、好きなことを自由に書けるからだ。普段、取材記事を書くことが多いが、第三者について書くのとはまた違った面白さがある。

 そんな「エッセイブーム」真っ只中の私が最近読んだ本は、津村記久子さんの『まぬけなこよみ』というエッセイだ。暦の(二十四節気)七十二候ごとに、その時期に合う言葉について書かれた72編が掲載されている。

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【読書記録】最果タヒ『好きの因数分解』

【読書記録】最果タヒ『好きの因数分解』

 2020年の1~2月あたりにNHK(BSだったかもしれない…)の番組で、詩人最果タヒの特集を見た。それがきっかけで彼女の詩集を買った。小説のようにわかりやすい状況の描写がなく、でも世界観を掴みたくて、何度か噛みしめるように読んだ。

 その後、最果さんがエッセイを書いていることを知り読んだのが『「好き」の因数分解』だ。最近、自分もエッセイを書き始めたこともあり、改めて読んでみた。

 この本は、

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