すうら

忘れる前の独り言。表現は、したいときにしたいだけ。

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    コント、演劇、映画、本、等等……つらつらと書いています

  • 百文字こばなし

    百文字ぴったりのおはなしです。Kentato Kobayashi リスペクツ。

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    面白いか面白くないかはさておき。

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ラーメンズ・小林賢太郎との出会い(1377字)

初めてのnoteに小林賢太郎様は師だ、なんて書いたものの、"歴"はとても浅いです。大きいこと書きすぎました。 ただ、師という言葉を使ったのはそれなりに意図したところがあります。ファンとは少し違うんです。それはまた最後に。 自分語りを交えて書いていきます。 小学時代 小学生、物心ついたときにはYouTubeに夢中でした。ボカロやらカゲプロやら"如何にも"なルートを辿る中で、同世代の間じゅうでわーっと流行ったものがありました。 「千葉!滋賀!佐賀!」のAA、Flash動

    • 「表現を仕事にするということ」を読んで(1693字)

      小林賢太郎新刊、「表現を仕事にするということ」。何度も読み返した。 厚みのある装丁を味わいつつ、その言葉を噛みしめた。 賢太郎さんという人は、割とグサッとくることを言う。何というか、冷たさとは違う、反論の余地のない透き通った言葉で刺してくる。読みながら私はまあまあ食らった。自分の中の言いようのなかったモヤモヤや憤りが露呈するような心地がした。もはや自己啓発本。”表現すること”について、特に印象深い話について記録を残したい。 古くならない作品のために 作られてから10年、

      • 「KREVA CLASS」配信受講記録(1479字)

        お恥ずかしながら、KREVAさんのことをしっかり認識したのはここ最近のこと、まさにこの作品が動き出したときのことだった。 昔の賢太郎さんとの共演経験とか、ヒプノシスマイクに楽曲提供しているとか、CMに楽曲提供しているとか、探れば私ですら聞いたことがあるような曲もいくつかあった。 rapやHIPHOPというものは、かっこいいと思いながら遠くで覗き見るジャンルである。少なからず私にとっては。ラップバトルともなれば時に荒々しい言葉をぶつけ合い、まるで言葉のプロレスみたいだ。血気

        • 私が合唱を続けている理由(1521字)

          私は高校1年から合唱を始め、現在大学合唱団に所属して合唱を続けている。合唱というのは小学校や中学校でほとんどの人が経験するものだからこそ、大学でまで続ける人はほんのひと握りだろう。 嫌なことも多いのに合唱を続けているのは、「私には笑顔を強制される時間が必要だから」である。 高校で合唱をしようと思い立った理由は、半ば憤りにも近いものだった。 中学3年になるとき、音楽のおじいちゃん先生が定年退職した。とても優しい方だった。そしてその後異動してきたのは、The音楽の先生といっ

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          ひとりを愛する者の夜(992字)

          私はひとりを心地よく思うことが多い。特に夜は。 仲間とわいわい盛り上がる夜も一興だが、結局は自分の巣の中でただ音楽を聴いたりコントを観たり絵を描いたりしている夜が私の基盤である。 最近は、1年半ぶりに油絵を描いている。 美術部を引退し、もうめいっぱい描ききったと思っていたのも束の間、引退時のまま仕舞っていた絵の具セットを見て居ても立っても居られなくなった。また意味もなく絵の具を練りたい、自分のアイデンティティを思い出したい、と筆を取り、夢中でダリアを描いている。 高校で初

          ひとりを愛する者の夜(992字)

          視覚混合画法とうごメモ(1050字)

          私の小学生時代の青春「うごくメモ帳」と、後に出会う視覚混合画法の繋がりについて。 私は高校で初めて油絵を触り、画集で見つけたジョルジュ・スーラの点描画「グランドジャット島の日曜日の午後」に一目惚れしたとき、初めて「視覚混合」ならびに「併置混色」という概念を知った。 サムネは、私が高校で描いた桜並木の点描画。 粗削りだけどお気に入りだ。 視覚混合というのは、2つ以上の色を錯視効果により別の色に見せること。 併置混色というのは、細かい色の点を遠くから見ると、それらの色が混ざ

          視覚混合画法とうごメモ(1050字)

          50音パングラム「うるう」

          あれから約一か月、そういえばこのパングラムをnoteに載せていなかったので。 かすむ もり ほしよ ふけろ つきひ へて いちにん あまらせぬ こと ゆめみ わな を おく はやされる その ね うたえ 霞む森 星夜更けろ 月日経て 一人 余らせぬこと 夢見 罠を置く 囃されるその音 歌え * * * このパングラムは、うるう日の終わりに小林賢太郎演劇作品「うるう」を改めて流しながら考えたものです。 制作後記的なものを残しておいてみようかな。 まず、「うる

          50音パングラム「うるう」

          今年のうるう日がもうすぐ終わってしまう。今日1日ずっと思いを馳せ、作品を流しながら絵を描き続けた。こんなにも心を動かされ、価値観を変えられた作品は他にない。本当に尊敬しかない。お誕生日、おめでとう。

          今年のうるう日がもうすぐ終わってしまう。今日1日ずっと思いを馳せ、作品を流しながら絵を描き続けた。こんなにも心を動かされ、価値観を変えられた作品は他にない。本当に尊敬しかない。お誕生日、おめでとう。

          「千年女優」リバイバルにて初鑑賞の巻(717字)

          千年女優。 監督・今敏と音楽・平沢進によるタッグアニメーション映画作品にして、第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を「千と千尋の神隠し」と同時受賞した経歴をもつ。 にも関わらず、私は通ってこなかった作品であった。しかし時に「観る人を選ぶ」とか、「何故かもう一度観たくなる」とかいう感想を耳にするその作品性は、ラーメンズのようなある種の異端を好む私にはうってつけかもしれないと思った。 映画館での鑑賞後、結論、とても好きだった。 自分の生まれる前の作品にも関わらず

          「千年女優」リバイバルにて初鑑賞の巻(717字)

          忘れる前の独り言(1852字)

          私はよく独り言を言う。 無意識のときもあれば、意図して言うときもある。 私が意図的に独り言を言うときは大抵、「現実逃避をしているとき」か「無性に恥ずかしいのを誤魔化したいとき」か「頭を空にしたいとき」。 うーむ、勉強に集中できない。 よし、じゃあ今目の前に人がいると仮定して、ラーメンズのコントの面白さをプレゼンしてみよう。 「まず私のラーメンズとの出会いのコント、採集を見ていただきたい。怖いのがお好きなら、部屋を暗くして静かな夜に観るのをおすすめしますよ。このネタの面白いポ

          忘れる前の独り言(1852字)

          思い出の鳥、キセキレイ(770字)

          バイトで失敗してちょっとしょげながら歩く帰り道、ふと前方に野鳥が飛んできた。 私と鳥との間に生まれる絶妙な距離。一定の間隔で少し追いかけっこをしたのち、互いに少し止まり、すぐに飛び去って行った。キセキレイだった。 励ましに来てくれたのかな。 いつもキセキレイを目にするとラッキーな気がして嬉しくなる。なんせ名前に奇跡って入ってますから。由来は黄・セキレイだけど。 実はキセキレイは私が野鳥好きになるきっかけとなった鳥だった。 中学生のころ、母と温泉に行った帰り道。母の運転す

          思い出の鳥、キセキレイ(770字)

          うるう年にまたひとり(1222字)

          少し遅いですが、明けましておめでとうございます。 今年の私に課せられたミッションは、楽しむこと。限られた時間を自分に注ぐこと。後悔のない毎日を目指すこと。 大学入学からはや一年が経とうとし、あっという間に時間が過ぎていくのを感じる。正直中高の時間の流れは遅かった。楽しいことよりも、苦い記憶や葛藤に揉まれてどこか早く抜け出したかったような感覚を未だに思い出す。コロナに阻まれ、様々な息の詰まるような悔しさと共に過ごした。今は、そんなことはない。自分の作りたかったもの、行きたかっ

          うるう年にまたひとり(1222字)

          けろけろを観て(1142字)

          ずっと楽しみにしていた配信を観た。 男ブラらしさいっぱいで心があたたかくなるこの感じ、よかった。 感想を覚書として書いておきます。 ⚠️ここからネタバレ有感想⚠️ * * まず、乙姫のシーンで素敵だと思ったところ。 乙姫が抱えてるニョロリー二が動き出す感じ、Potsunen・丸の人のラストみたいだと思った。 作品から離れて見たら右手にはめた小道具に過ぎないけど、こちらが感情移入すればするほど動かしている腕の存在感がなくなっていく。 ニョロリー二と乙姫の一人二役を成す平

          けろけろを観て(1142字)

          もどかしい(904字)

          とてつもない後悔と反省に苛まれています。 自分が嫌っていたはずの、道を外れたことをしてしまった。見返せば見返すほど、駄目でした。 こんなにも私は単純で、自己中心的で、盲目的で、考えの浅い人間だったのかと思い知りました。 尊敬している人の作るものは、尊敬するに値するようなこだわりの上に成り立っていて、それも含めて表現として享受しているのです。そのこだわりは作り手のみならず受け手の関わり方にまで及ぶと分かっていながら、その自覚が足りていませんでした。 今も昔も、崇高な意識の

          もどかしい(904字)

          回廊とデコイを経て(992字)

          大阪昼の部、最高に楽しかった。 一生お目にかかることはないと思っていた憧れの人に会えて、笑顔が見られて、生の声が聴けて、感無量だった。 映画も、一つ一つのコントやショートフィルムを噛み締めるように観た。不思議で、こわくて、可笑しくて、この時間がずっと続いていてほしいと思った。 そして何より、「監督があの件をもう酒のあてにしている」ことと「次の作品が動き始めている」ことを直接聞いて、嬉しいやら安心するやらで。 上映後、何人かのラークラさんにお声掛けしてお話をした。正直こうい

          回廊とデコイを経て(992字)

          舞台挨拶に行く準備(995字)

          世間はホリデーなんたらとかもうすぐクリスマスだとか浮き足立っているが、私もだ。私も近年稀に見る浮き足立ちぶりだ。 ともあろう私は、久方ぶりに大阪にゆくのだ。中学の修学旅行以来の大阪。その目的は、映画監督・小林賢太郎氏に会いにゆくこと。 今回は実に初めてだらけの旅である。 友達と2人で泊まりの遠出をするのも、自分でホテルや移動手段を予約するのも、予算を自分のバイト代から出すのも、大阪で映画を観るのも。そして、賢太郎さんをお目にかかるのも。 とても、とてもわくわくしている。

          舞台挨拶に行く準備(995字)