見出し画像

けろけろを観て(1142字)

ずっと楽しみにしていた配信を観た。
男ブラらしさいっぱいで心があたたかくなるこの感じ、よかった。
感想を覚書として書いておきます。

⚠️ここからネタバレ有感想⚠️


まず、乙姫のシーンで素敵だと思ったところ。
乙姫が抱えてるニョロリー二が動き出す感じ、Potsunen・丸の人のラストみたいだと思った。
作品から離れて見たら右手にはめた小道具に過ぎないけど、こちらが感情移入すればするほど動かしている腕の存在感がなくなっていく。
ニョロリー二と乙姫の一人二役を成す平井さんは、腹話術とかをしている訳ではなく普通に喋っているのに、別々のキャラクターが成立している。録音された自分の声を流して会話するのとも違い、その場で一人二役で語る。それは少し落語のような、そんなおもむき。
先に種明かしをされてから進むマジックみたい。
仕組みも理屈も分かった上で脳が世界を解釈していく感じ。その不思議さがひとつ深みを生んでる、気がした。

ただ、個人的には"やてみた"を超えてはこなかったかなと感じた。好みの問題ではある。
らしさはすごく感じたし、満足感はあったけど、思ったより"含み"は少ないかなと思った。
「ニョロリー二の正体とは、先祖とは何か」というゴールに向かってまっすぐ進んで、割と明確なゴールに辿り着いて、めでたしめでたしで幕が閉じた、という感じだったので、子供にも分かりやすいとは思う。
確かに、これが子供たちにとってのいろんな興味の入口になるかもと思うと、理想的なおはなしだったのかもしれない。
もっと博物館の展示品一つ一つが内容に絡んでくるのかなと思っていたので、あくまで"博物館の雰囲気"を活かしたコントなのだなぁと。
少なくとも、現地で参加することで初めて本当に感動できるナマモノ的なコントライブだと配信で感じた。何度もお客さんの顔を見て、拍手や指さしなどのコミュニケーションも加えて、カメラはあまり意識していなくて。とにかく会場としての一体感を重視していたんだろうと思う。
舞台や開催時期にもよるし何よりチケ倍率がめちゃめちゃ高いので中々難しいけれど、いつか生で立ち会ってみたいものだなぁ。

あとは、アニメーションにカートゥーンみがあってかわいかった。インディーゲームのCupheadみたいな絵柄とヌルヌルフレームレート。オシャレさとポップさがいい感じ。

タイトルの「嗚呼、けろけろ」というのは、序盤と終盤で2回出てくる『あぁ、けろっとしてる』という学者先生のセリフからきているのだろうか。

総じて今作はロジカル少なめ、ファンタジー強め、男ブラ感強め。という感じ。
次はどこでやるんだろう。インタビューでは「館」にとらわれすぎたくはない、という感じのことを語ってらしたから、いろんな選択肢の中から選ぶ次の舞台が楽しみだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?