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作品感想

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コント、演劇、映画、本、等等……つらつらと書いています
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記事一覧

「表現を仕事にするということ」を読んで(1693字)

「表現を仕事にするということ」を読んで(1693字)

小林賢太郎新刊、「表現を仕事にするということ」。何度も読み返した。
厚みのある装丁を味わいつつ、その言葉を噛みしめた。

賢太郎さんという人は、割とグサッとくることを言う。何というか、冷たさとは違う、反論の余地のない透き通った言葉で刺してくる。読みながら私はまあまあ食らった。自分の中の言いようのなかったモヤモヤや憤りが露呈するような心地がした。もはや自己啓発本。”表現すること”について、特に印象深

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「KREVA CLASS」配信受講記録(1479字)

「KREVA CLASS」配信受講記録(1479字)

お恥ずかしながら、KREVAさんのことをしっかり認識したのはここ最近のこと、まさにこの作品が動き出したときのことだった。

昔の賢太郎さんとの共演経験とか、ヒプノシスマイクに楽曲提供しているとか、CMに楽曲提供しているとか、探れば私ですら聞いたことがあるような曲もいくつかあった。

rapやHIPHOPというものは、かっこいいと思いながら遠くで覗き見るジャンルである。少なからず私にとっては。ラップ

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「千年女優」リバイバルにて初鑑賞の巻(717字)

「千年女優」リバイバルにて初鑑賞の巻(717字)

千年女優。
監督・今敏と音楽・平沢進によるタッグアニメーション映画作品にして、第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を「千と千尋の神隠し」と同時受賞した経歴をもつ。

にも関わらず、私は通ってこなかった作品であった。しかし時に「観る人を選ぶ」とか、「何故かもう一度観たくなる」とかいう感想を耳にするその作品性は、ラーメンズのようなある種の異端を好む私にはうってつけかもしれないと思った。

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うるう年にまたひとり(1222字)

うるう年にまたひとり(1222字)

少し遅いですが、明けましておめでとうございます。
今年の私に課せられたミッションは、楽しむこと。限られた時間を自分に注ぐこと。後悔のない毎日を目指すこと。

大学入学からはや一年が経とうとし、あっという間に時間が過ぎていくのを感じる。正直中高の時間の流れは遅かった。楽しいことよりも、苦い記憶や葛藤に揉まれてどこか早く抜け出したかったような感覚を未だに思い出す。コロナに阻まれ、様々な息の詰まるような

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けろけろを観て(1142字)

けろけろを観て(1142字)

ずっと楽しみにしていた配信を観た。
男ブラらしさいっぱいで心があたたかくなるこの感じ、よかった。
感想を覚書として書いておきます。

⚠️ここからネタバレ有感想⚠️





まず、乙姫のシーンで素敵だと思ったところ。
乙姫が抱えてるニョロリー二が動き出す感じ、Potsunen・丸の人のラストみたいだと思った。
作品から離れて見たら右手にはめた小道具に過ぎないけど、こちらが感情移入すればするほ

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回廊とデコイを経て(992字)

回廊とデコイを経て(992字)

大阪昼の部、最高に楽しかった。
一生お目にかかることはないと思っていた憧れの人に会えて、笑顔が見られて、生の声が聴けて、感無量だった。
映画も、一つ一つのコントやショートフィルムを噛み締めるように観た。不思議で、こわくて、可笑しくて、この時間がずっと続いていてほしいと思った。

そして何より、「監督があの件をもう酒のあてにしている」ことと「次の作品が動き始めている」ことを直接聞いて、嬉しいやら安心

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昨日は全休を満喫すべく、LENSを1人で鑑賞しました。何度観ても面白いとはこのこと。
付録の賢太郎さんとクガ兄の無邪気な笑顔を見て、心の奥の方が締まりました。この方たちは本当に舞台が似合う。壇上の監督が拍手に包まれて笑ってくれたら、泣いてしまうかもな。

こぽぽ水中に見出す表現論(2756字)

こぽぽ水中に見出す表現論(2756字)

先日、ロングコートダディの単独「こぽぽ水中」の配信を見ました。とても面白かったし、メッセージ性もあってロコディらしさたっぷりな内容だったなと思います。一方で、好きだな、凄いなと思う点と、ちょっと思ってたのと違うな、という点がいずれもありました。それによって、私がコントに求めているものが浮き彫りにされたようにも思いました。今回はその覚え書きです。
この先、ある程度のネタバレを含みます。

“分かりや

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#やてみた、ありがとう(2086字)

#やてみた、ありがとう(2086字)

配信を見させていただいた感想を垂れ流します。見たではありません、見させていただいた、です。凄く貴重できれいなものを目の当たりにしたという感覚です。

本当は京都に足を運びたかったのですが、生憎大学が。真面目なので普通に授業に出ました。

実は男ブラの単独を見るのはこれが初めてでした。しっかりハマったときにはもう受験生で、トワイライト水族館や男ブラ大サーカスも泣く泣く諦めた苦い思い出があります。

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桜前線、常居次人。(1685字)

桜前線、常居次人。(1685字)

桜前線、英語でCHERRY BLOSSOM FRONT。

今日はラーメンズのツアー公演
「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」
について書こうと思います。

公演は2002年の3月から5月にかけて行われました。
当の私は当時母のお腹の中にすらいませんでした。もっと早く生まれていたかった…!と何回言えば気が済むんでしょうか。

今回『小説家らしき存在』について書きますが、あらすじは省

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