2021年8月の記事一覧
緋色の研究 / コナン・ドイル
2021年8月20日 読了
シャーロック・ホームズの作品ってそういえば読んだことがないなぁと思って手に取った。この作品は、ホームズとワトスンが出会う第一作として、ワトスンの視点でホームズの変わり者ぶりと、その超人的な推理が描かれていく。
ホームズのキャラクターはとても個性的で、人並外れた観察眼に驚かされるワトスンだが、読者もワトスンと同じ視点でホームズという変人を目の当たりにできるのが面白
症例A / 多島斗志之
2021年3月14日 読了
精神病院に勤める主人公と、不思議な精神病患者との物語。
物凄くリアルな精神病治療の実態が、周到に調べ上げられたうえで描かれており、実際にあった出来事かのように感じられる。統合失調症や境界性パーソナリティ障害(境界例という言葉を恥ずかしながらこの本で知った)という症状についても、その診察方法・治療方法についても、とても詳細に描写されている。
話が進む中で解離性同一性障害
朗読者 / ベルンハルト・シュリンク
2021年2月28日 読了
凄まじい読後感、喪失感を味わい、個人的にかなりぶっ刺さった作品。
15歳の主人公の少年と、母親といってもおかしくないほど年齢が離れた女性との恋愛物語として幕を開けるが、中盤からは戦争の影を色濃く残す、とても重い展開に。
少年のもとから去った彼女は、数年後、戦時中のナチスの戦争犯罪者として裁判にかけられる。
とにかく徹底した主観視点で綴られていくため、分からないとこ