若きウェルテルの悩み / ゲーテ

2021年2月14日 読了

日本で言うと江戸時代くらいの小説らしい。
ウェルテル青年の、友も立ちにあてた手記という形で綴られ、婚約者がいる女性に恋をしてしまうウェルテルが、悩みに悩んで最後には自殺してしまう話。
あらすじだけ先に知っていたので、読んだら「なんて女々しい男なんだ……」と呆れてしまうかと思っていたのだが、いざ読んでみると、こんな古い時代に、こんな現代人のような苦悩を描けたのかということに驚いた。

「うつ」を病気として扱う描写もあり、現代ですら「うつは甘え」なんて言われる世の中なのに、1770年代にこんな人間の苦悩に寄り添えるのか……という感動があった。
ウェルテルがどんどん追い込まれて正常な思考ができなくなり自殺してしまうのは妙なリアルさがある。

もちろん古臭さはあるし、共感できないところはどうしてもあるが、思っていたよりは入り込んで読んでしまった。

当時は宗教的にも自殺は絶対にタブーで、しかしこの作品に影響されて自殺する若者が当時たくさんいたとか。

関係ないがウェルテルというと、湊かなえ「告白」に良輝という名前からニックネームがウェルテルの教師がいたなぁと思い出す。そのキャラクターはとても嫌なヤツだが…。

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