そこにでっかい器があって、 器の中は液体が入っていて 例えば食べてたラーメンが もう一口しか残ってない時。 お気に入りのキーホルダーを 道端に落とした時。 また会…
ここに座っているのは私。 隣の人は足を組んで 向かいの人はスマホを凝視し 斜めの人はうなだれて もう反対側の人たちは 多分恋人。 居場所が重なることは 一生ない…
まもなく1番線に列車が... 危ないですから 黄色い線の内側までお下がりく... 午前7時のホームでは 吐瀉物の匂いがする。 三半規管がぶっ壊れた 不思議の国のアリスは 少…
あるとき、ふと 自分の左手の手のひらを 焼けるほど見ることがある 。 「今日もまた変わらなかったかっ」 自分のその左手の 生命線たるものは、 いつ見ても短いままだ。 …
くちびるの皮がめくれて血が出た。 舌を使ってくちびるの端から舐めてみると、 血が侵入してきて、 錆びた釘の味が咥内を刺激してくる。 試しにいくつかリップクリームを…
歩けば道に花が咲く まだ見ぬ近い未来が もうすぐやってくることに 顔が思わずほころぶ 暗闇の中で 一体何のショーが始まるのか 知っているのに まるで知らないみた…
「おーい、今日も来たよ」 (霧がかかってて、何も見えねー) 少年は山の頂上で腰を下ろす。 標高はおよそ127m ペットボトルの蓋を開けながら 少年は話を続ける 「俺、高…
僕らは忙しい、 呼吸をするのも忘れるほどに。 息を吸う_ そして吐く_ そう、無自覚に。 僕らは 生きるのに必死で 生きていることに気づいてないんだ そう、無自覚に…
夕方のニュースで 映し出される犯人たち 毎日毎日日本のどこかで 誰かが捕まり誰かが嘆く 嫌だわ治安が悪くてと 世間が他人事をかます日々 でも僕は思うのです この世の…
はじめての大人のキスは、 バニラアイスが あの人の息で温められた スプーンのせいで とろりと溶けた感じ がしました。
唇の皮をめくる めくってめくって、 剥いで剥いで、 その指先が真っ赤になって やっと気づく 夢の中でゴキブリが出てくる 茶色い羽根の"そいつら"は 群れをなして スイミ…
僕はただの平凡な少年だけど みんな僕が爆弾魔ってことを 誰も知らない 仕事でミスした僕を 蔑んだ目で見る先輩たち 自身に対するイライラを 舌打ちという形で 僕に投げ…
毎日を生きていたら 当然嵐が吹き荒ぶ時がやってくるのです 私の命の残量は 目からどんどんこぼれ落ち、 誰にも見られず声を抑えるのです 時々諦めてしまいそうになるの…
お腹が痛い 下っ腹が圧迫されて ものすごく痛い 「そんなもん 陣痛に比べたら大したことないよ」 「アタシなんか我慢して耐えたんだから」 ママはそう言うけど 私から…
お前のその目は何のために在るのか。 お前の目は何のためにそこに在るのか。 星、流星群、人間の趣、心動かされるもの これらの美しいものを見るためか。 はたまた人間の…
蓄音機が泣いている そこには嫉妬も悔恨も憎しみもない 純粋で静かな心の叫び 人の心臓が一瞬止まる 血の巡りが熱を帯びて 五感が集中をつらぬく 心の叫びが全身を目覚め…
石谷まんなか
2024年4月5日 01:14
そこにでっかい器があって、器の中は液体が入っていて例えば食べてたラーメンがもう一口しか残ってない時。お気に入りのキーホルダーを道端に落とした時。また会えるのにもう会えないのではと疑った時。他人だった人がさらに他人になった時。とうの昔に川を渡った人をふと思い出した時。器の液体は、こぼれるかあるいは蒸発してついには無くなる。
2024年4月5日 00:08
ここに座っているのは私。隣の人は足を組んで向かいの人はスマホを凝視し斜めの人はうなだれてもう反対側の人たちは多分恋人。居場所が重なることは一生ない。だから人は寂しくなるのかな。
2024年3月29日 23:24
まもなく1番線に列車が...危ないですから黄色い線の内側までお下がりく...午前7時のホームでは吐瀉物の匂いがする。三半規管がぶっ壊れた不思議の国のアリスは少し遊びすぎたかしらと罪悪感を抱きつつ、母親からのLINEを未読のままに隣にいるのは知らないうさぎうさぎ顔の男冒険がしたい何がなんでもあっちの境目まで走ってみたいそうしたい_____あの時の
2023年8月24日 21:07
あるとき、ふと自分の左手の手のひらを焼けるほど見ることがある 。「今日もまた変わらなかったかっ」自分のその左手の生命線たるものは、いつ見ても短いままだ。私は舐めるようにしてまた自分の手のひらを見続けるいっその事針かなんかで伸ばしてやろうか?生に執着する私 VS人生の儚さを告げる手相占い糸が途切れるその日まで私は私だ、くたばるもんか!たと
2023年7月19日 17:11
くちびるの皮がめくれて血が出た。舌を使ってくちびるの端から舐めてみると、血が侵入してきて、錆びた釘の味が咥内を刺激してくる。試しにいくつかリップクリームを買ったがくちびるの皮は自我を持ったまま。塗っても塗っても、塗っても塗っても塗っても塗っても血が止まることはない口付けなんて、私には程遠い存在だから今日も、錆びた釘の味がする。
2023年6月9日 10:40
歩けば道に花が咲くまだ見ぬ近い未来がもうすぐやってくることに顔が思わずほころぶ暗闇の中で一体何のショーが始まるのか知っているのにまるで知らないみたいに私は高揚しているのだ。
2023年5月7日 11:17
「おーい、今日も来たよ」(霧がかかってて、何も見えねー)少年は山の頂上で腰を下ろす。標高はおよそ127mペットボトルの蓋を開けながら少年は話を続ける「俺、高3になったよ。早いよね。ここに来てもう3年も経つんだよ。恐ろしいわ笑笑」(やっぱ山の上はまだまだ寒いな...)少年は、水を飲みながら霧が晴れるのを待つ。そして、コンビニで買ってきた菓子パンを127mの山の頂上
2023年4月15日 23:42
僕らは忙しい、呼吸をするのも忘れるほどに。息を吸う_そして吐く_そう、無自覚に。僕らは生きるのに必死で生きていることに気づいてないんだそう、無自覚に。ある日差しが強い夏の日にセミが鳴いていたあの日に僕のノートに垂れた鼻血をみて僕は生を自覚する。
2023年4月11日 02:01
夕方のニュースで映し出される犯人たち毎日毎日日本のどこかで誰かが捕まり誰かが嘆く嫌だわ治安が悪くてと世間が他人事をかます日々でも僕は思うのですこの世の全員が容疑者であると何も銃や包丁でなくても人を簡単に殺せることを殺意が決してあらずとも死の淵に追いやれることを。
2023年4月3日 23:40
はじめての大人のキスは、バニラアイスがあの人の息で温められたスプーンのせいでとろりと溶けた感じがしました。
2023年3月28日 22:46
唇の皮をめくるめくってめくって、剥いで剥いで、その指先が真っ赤になってやっと気づく夢の中でゴキブリが出てくる茶色い羽根の"そいつら"は群れをなしてスイミーみたいに。気持ち悪くて目が覚める起きてすぐに「ゴキブリ 夢占い」と検索してみる誰も知らない私も知らないわたし。
2023年2月14日 12:44
僕はただの平凡な少年だけどみんな僕が爆弾魔ってことを誰も知らない仕事でミスした僕を蔑んだ目で見る先輩たち自身に対するイライラを舌打ちという形で僕に投げつける家族哀れな、それでいて他人事と思っているその他もろもろの人々の瞳人は平気で僕を傷つけるんだもう僕をそんな目で見ないでくれ...僕が散々投げつけられた億千の包丁やカッターは、僕の心臓に深く深く突き刺さる
2023年1月25日 22:59
毎日を生きていたら当然嵐が吹き荒ぶ時がやってくるのです私の命の残量は目からどんどんこぼれ落ち、誰にも見られず声を抑えるのです時々諦めてしまいそうになるのです私は何故ここにいるのか見当がつかなくなることがあるのですそんな私を心の底から、骨の髄まで愛してくれる方はどこにいらっしゃるのかしら。
2023年1月22日 20:33
お腹が痛い下っ腹が圧迫されてものすごく痛い「そんなもん 陣痛に比べたら大したことないよ」「アタシなんか我慢して耐えたんだから」ママはそう言うけど私からすれば今が陣痛みたいなもん死ぬほど痛い意識が痛みにだけ集中している脳がエマージェンシーと叫んでる死にそうでも、同時に痛みがあることで生を実感している自分がいる「ああ、私今生きてるなあ」とこの状況で感慨深
2023年1月22日 16:10
お前のその目は何のために在るのか。お前の目は何のためにそこに在るのか。星、流星群、人間の趣、心動かされるものこれらの美しいものを見るためか。はたまた人間の織りなす下品で卑劣な寸劇や茶番を覗くためか。お前の目に映るものは真実だけなのか。お前が鏡の前に立った時、目の前にいるのは本当のお前なのか。 本当にお前なのか。お前が流す涙は
2023年1月7日 22:22
蓄音機が泣いているそこには嫉妬も悔恨も憎しみもない純粋で静かな心の叫び人の心臓が一瞬止まる血の巡りが熱を帯びて五感が集中をつらぬく心の叫びが全身を目覚めさせる哀れな人間は息をのむ無機質が命を宿したら人々は主役の座を降りるだろう。