石谷まんなか

20才ですはじめまして! ドブのような詩を書いてます ライブ出演とたまにジャグリングを…

石谷まんなか

20才ですはじめまして! ドブのような詩を書いてます ライブ出演とたまにジャグリングをしている大学生🤹‍♂️

記事一覧

【詩】なくなる

そこにでっかい器があって、 器の中は液体が入っていて 例えば食べてたラーメンが もう一口しか残ってない時。 お気に入りのキーホルダーを 道端に落とした時。 また会…

石谷まんなか
5か月前
4

【詩】気づいたこと

ここに座っているのは私。 隣の人は足を組んで 向かいの人はスマホを凝視し 斜めの人はうなだれて もう反対側の人たちは 多分恋人。 居場所が重なることは 一生ない…

石谷まんなか
5か月前
2

【詩】青色の座席は

まもなく1番線に列車が... 危ないですから 黄色い線の内側までお下がりく... 午前7時のホームでは 吐瀉物の匂いがする。 三半規管がぶっ壊れた 不思議の国のアリスは 少…

石谷まんなか
5か月前
2

【詩】手相占いについて

あるとき、ふと 自分の左手の手のひらを 焼けるほど見ることがある 。 「今日もまた変わらなかったかっ」 自分のその左手の 生命線たるものは、 いつ見ても短いままだ。 …

1

【詩】恋を知らない

くちびるの皮がめくれて血が出た。 舌を使ってくちびるの端から舐めてみると、 血が侵入してきて、 錆びた釘の味が咥内を刺激してくる。 試しにいくつかリップクリームを…

5

【詩】シネマ

歩けば道に花が咲く まだ見ぬ近い未来が もうすぐやってくることに 顔が思わずほころぶ 暗闇の中で 一体何のショーが始まるのか 知っているのに まるで知らないみた…

3

【詩】ハイキング

「おーい、今日も来たよ」 (霧がかかってて、何も見えねー) 少年は山の頂上で腰を下ろす。 標高はおよそ127m ペットボトルの蓋を開けながら 少年は話を続ける 「俺、高…

7

【詩】呼吸

僕らは忙しい、 呼吸をするのも忘れるほどに。 息を吸う_ そして吐く_ そう、無自覚に。 僕らは 生きるのに必死で 生きていることに気づいてないんだ そう、無自覚に…

5

【詩】容疑者

夕方のニュースで 映し出される犯人たち 毎日毎日日本のどこかで 誰かが捕まり誰かが嘆く 嫌だわ治安が悪くてと 世間が他人事をかます日々 でも僕は思うのです この世の…

4

【詩】バニラアイス

はじめての大人のキスは、 バニラアイスが あの人の息で温められた スプーンのせいで とろりと溶けた感じ がしました。

1

【詩】ストレス

唇の皮をめくる めくってめくって、 剥いで剥いで、 その指先が真っ赤になって やっと気づく 夢の中でゴキブリが出てくる 茶色い羽根の"そいつら"は 群れをなして スイミ…

【詩】僕は爆弾魔

僕はただの平凡な少年だけど みんな僕が爆弾魔ってことを 誰も知らない 仕事でミスした僕を 蔑んだ目で見る先輩たち 自身に対するイライラを 舌打ちという形で 僕に投げ…

3

【詩】私の恋人は私

毎日を生きていたら 当然嵐が吹き荒ぶ時がやってくるのです 私の命の残量は 目からどんどんこぼれ落ち、 誰にも見られず声を抑えるのです 時々諦めてしまいそうになるの…

11

【詩】腹痛

お腹が痛い 下っ腹が圧迫されて ものすごく痛い 「そんなもん 陣痛に比べたら大したことないよ」 「アタシなんか我慢して耐えたんだから」 ママはそう言うけど 私から…

10

【詩】存在意義

お前のその目は何のために在るのか。 お前の目は何のためにそこに在るのか。 星、流星群、人間の趣、心動かされるもの これらの美しいものを見るためか。 はたまた人間の…

3

【詩】蓄音機が泣いている

蓄音機が泣いている そこには嫉妬も悔恨も憎しみもない 純粋で静かな心の叫び 人の心臓が一瞬止まる 血の巡りが熱を帯びて 五感が集中をつらぬく 心の叫びが全身を目覚め…

5
【詩】なくなる

【詩】なくなる

そこにでっかい器があって、
器の中は液体が入っていて

例えば食べてたラーメンが
もう一口しか残ってない時。

お気に入りのキーホルダーを
道端に落とした時。

また会えるのに
もう会えないのではと疑った時。

他人だった人が
さらに他人になった時。

とうの昔に川を渡った人を
ふと思い出した時。

器の液体は、こぼれるか
あるいは蒸発して

ついには無くなる。

【詩】気づいたこと

【詩】気づいたこと

ここに座っているのは私。

隣の人は足を組んで

向かいの人はスマホを凝視し

斜めの人はうなだれて

もう反対側の人たちは

多分恋人。

居場所が重なることは

一生ない。

だから人は

寂しくなるのかな。

【詩】青色の座席は

【詩】青色の座席は

まもなく1番線に列車が...
危ないですから
黄色い線の内側までお下がりく...

午前7時のホームでは
吐瀉物の匂いがする。

三半規管がぶっ壊れた
不思議の国のアリスは

少し遊びすぎたかしらと
罪悪感を抱きつつ、
母親からのLINEを
未読のままに

隣にいるのは
知らないうさぎ
うさぎ顔の男

冒険がしたい

何がなんでも

あっちの境目まで
走ってみたい
そうしたい_____

あの時の

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【詩】手相占いについて

【詩】手相占いについて

あるとき、ふと
自分の左手の手のひらを
焼けるほど見ることがある 。

「今日もまた変わらなかったかっ」

自分のその左手の
生命線たるものは、
いつ見ても短いままだ。

私は舐めるようにして
また自分の手のひらを見続ける

いっその事
針かなんかで伸ばしてやろうか?

生に執着する私
VS
人生の儚さを告げる手相占い

糸が途切れるその日まで
私は私だ、くたばるもんか!

たと

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【詩】恋を知らない

【詩】恋を知らない

くちびるの皮がめくれて血が出た。

舌を使ってくちびるの端から舐めてみると、
血が侵入してきて、
錆びた釘の味が咥内を刺激してくる。

試しにいくつかリップクリームを買ったが

くちびるの皮は自我を持ったまま。

塗っても塗っても、
塗っても塗っても塗っても塗っても

血が止まることはない

口付けなんて、私には程遠い存在だから

今日も、錆びた釘の味がする。

【詩】シネマ

【詩】シネマ

歩けば道に花が咲く

まだ見ぬ近い未来が

もうすぐやってくることに

顔が思わずほころぶ

暗闇の中で

一体何のショーが始まるのか

知っているのに

まるで知らないみたいに

私は高揚しているのだ。

【詩】ハイキング

【詩】ハイキング

「おーい、今日も来たよ」

(霧がかかってて、何も見えねー)

少年は山の頂上で腰を下ろす。
標高はおよそ127m
ペットボトルの蓋を開けながら
少年は話を続ける

「俺、高3になったよ。早いよね。
ここに来てもう3年も経つんだよ。
恐ろしいわ笑笑」

(やっぱ山の上はまだまだ寒いな...)

少年は、水を飲みながら
霧が晴れるのを待つ。
そして、コンビニで買ってきた菓子パンを
127mの山の頂上

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【詩】呼吸

【詩】呼吸

僕らは忙しい、
呼吸をするのも忘れるほどに。

息を吸う_
そして吐く_

そう、無自覚に。

僕らは
生きるのに必死で
生きていることに気づいてないんだ

そう、無自覚に。

ある
日差しが強い
夏の日に

セミが鳴いていた
あの日に

僕のノートに垂れた鼻血をみて

僕は生を自覚する。

【詩】容疑者

【詩】容疑者

夕方のニュースで
映し出される犯人たち

毎日毎日日本のどこかで
誰かが捕まり誰かが嘆く

嫌だわ治安が悪くてと
世間が他人事をかます日々

でも僕は思うのです
この世の全員が容疑者であると

何も銃や包丁でなくても
人を簡単に殺せることを

殺意が決してあらずとも
死の淵に追いやれることを。

【詩】バニラアイス

【詩】バニラアイス

はじめての大人のキスは、

バニラアイスが
あの人の息で温められた
スプーンのせいで
とろりと溶けた感じ

がしました。

【詩】ストレス

【詩】ストレス

唇の皮をめくる
めくってめくって、
剥いで剥いで、
その指先が真っ赤になって
やっと気づく

夢の中でゴキブリが出てくる
茶色い羽根の"そいつら"は
群れをなして
スイミーみたいに。

気持ち悪くて目が覚める
起きてすぐに
「ゴキブリ 夢占い」
と検索してみる

誰も知らない
私も知らない
わたし。

【詩】僕は爆弾魔

【詩】僕は爆弾魔

僕はただの平凡な少年だけど
みんな僕が爆弾魔ってことを
誰も知らない

仕事でミスした僕を
蔑んだ目で見る先輩たち

自身に対するイライラを
舌打ちという形で
僕に投げつける家族

哀れな、
それでいて他人事と思っている
その他もろもろの人々の瞳

人は平気で僕を傷つけるんだ

もう僕をそんな目で見ないでくれ...

僕が散々投げつけられた
億千の包丁やカッターは、
僕の心臓に深く深く突き刺さる

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【詩】私の恋人は私

【詩】私の恋人は私

毎日を生きていたら
当然嵐が吹き荒ぶ時がやってくるのです

私の命の残量は
目からどんどんこぼれ落ち、
誰にも見られず声を抑えるのです

時々諦めてしまいそうになるのです
私は何故ここにいるのか
見当がつかなくなることがあるのです

そんな私を
心の底から、
骨の髄まで
愛してくれる方は
どこにいらっしゃるのかしら。

【詩】腹痛

【詩】腹痛

お腹が痛い
下っ腹が圧迫されて
ものすごく痛い

「そんなもん
陣痛に比べたら大したことないよ」
「アタシなんか我慢して耐えたんだから」

ママはそう言うけど
私からすれば今が陣痛みたいなもん

死ぬほど痛い

意識が痛みにだけ集中している
脳がエマージェンシーと叫んでる

死にそう

でも、同時に
痛みがあることで
生を実感している自分がいる

「ああ、私今生きてるなあ」と
この状況で感慨深

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【詩】存在意義

【詩】存在意義

お前のその目は何のために在るのか。
お前の目は何のためにそこに在るのか。

星、流星群、人間の趣、心動かされるもの
これらの美しいものを見るためか。

はたまた人間の織りなす
下品で卑劣な寸劇や茶番を覗くためか。

お前の目に映るものは真実だけなのか。
お前が鏡の前に立った時、
目の前にいるのは本当のお前なのか。
本当にお前なのか。

お前が流す涙は

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【詩】蓄音機が泣いている

【詩】蓄音機が泣いている

蓄音機が泣いている
そこには嫉妬も悔恨も憎しみもない
純粋で静かな心の叫び

人の心臓が一瞬止まる
血の巡りが熱を帯びて
五感が集中をつらぬく
心の叫びが全身を目覚めさせる
哀れな人間は息をのむ

無機質が命を宿したら
人々は主役の座を降りるだろう。