八朔

読書 茶道 ガーデン voicyリスナー 公立高校

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最近の記事

叔母との思い出…着物の話

今は90歳を過ぎた叔母。煎茶や書道など多趣味だったのですが、着道楽で、地元の呉服屋さんの上顧客でした。 わたしが社会人になったばかりのころ、「茶道を続けるなら必要だろう」と袷と単を一枚ずつくれました。 袷は遠目では濃い目のピンクに見える鮫小紋。 単は薄いピンクで亀甲の地紋が入った一つ紋の色無地です。 鮫小紋の方は、糸は叔母自身が紡いだと聞きびっくり。 叔母が若かったころは繭玉を買い、紡いだ糸を呉服屋さんに預けて、そこから白生地になって、染めの小紋や訪問着に仕立てること

    • 着物どのくらいお持ちなんですか?

      と、いつも素敵な着物姿で部活の指導に来てくださる、わたしのお茶の先生が質問されていて、何枚お持ちか、ご本人も見当もつかないくらいなのですが、弟子のわたくしも、いつのまにかたくさんの着物に恵まれているので、そのことを書き留めておきます。 着物が特別のものでなくなって、10年ほど経ちました。 月に3回あるお茶のお稽古はいつも着物です。 お稽古のある朝は8時半に着付け始めるのがタイムリミット。 今日はどれにするかなーと取り出して、早い時は15分、モタモタすると30分。 9時に

      • 高3生、『陰翳礼讃』を読むにあたり、「夜咄の茶事」の動画を見せてみた

        自分が高校生の時に国語の授業で出会ったきり、30数年ぶりの再会。 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』 再会といっても、忘れていたわけではなく、高校生のわたしにはっきりとした爪痕を残して、血肉になった文章の一つです。 教材として、教えるのは実は初めて。新教育課程で蔑ろにされている「文学国語」という授業を今年初めて持つことになり、楽しいのと授業作りに時間がかかるのとで、勤務時間は昨年よりかなりオーバー。 「論理国語」と「文学国語」⁉️「論理」との対比で「文学」を位置付ける感覚には疑問

        • ハーブリーディングを体験、ズバリ御指摘のとおりで香りの力を改めて実感

          いつも通っている美容室でカラーの待ち時間に、ハーブリーディングなるものを初体験しました。 何十種類かあるハーブを次々に嗅いで、直感的に好きだと思うものを選り分けます。 知っている香りも知らない香りもあって、たくさん嗅いでいると、好きかどうかよくわからないもがたくさんもあるなかで、 あ、いい匂い! って明らかに感じるものがいくつかあり、わたしは5種類くらいを選んでいました。 何のハーブかは見ない方がいいみたいですが、見なくても何の香りかわかって、その日好き!っと思ったのは

        叔母との思い出…着物の話

        • 着物どのくらいお持ちなんですか?

        • 高3生、『陰翳礼讃』を読むにあたり、「夜咄の茶事」の動画を見せてみた

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          勤務時間削減を成果目標の第一に謳わなければならない業態をつくりだしておいて予算も人員も増やさず、質の向上はしたいという場合にできること

          生活のほとんどを仕事が占めている状態は不健全だ。 「職員の勤務時間が異常に長すぎる。余白がなければ何も生まれない。そのため時間外の面談などは設定しない。兄や姉の時には受けられていたサービスと同じものが提供されなくても、保護者のみなさんにはご理解願いたい。」 わが社のリーダーの明確なメッセージ。👏 その通り。そこに何の異論もない。 でも、それが組織の最も重要な目標ではつまらない。 学校経営理念の再確認(形式的にではなく深い理解)と、「理念の実現の上でこれは絶対に大事にして!

          勤務時間削減を成果目標の第一に謳わなければならない業態をつくりだしておいて予算も人員も増やさず、質の向上はしたいという場合にできること

          「抹茶」と「畳」再発見! 高校茶道部旅行in西尾

          3月下旬、2回に分けて愛知県西尾市を訪れました。茶道部恒例の春の研修旅行。それぞれ10人ほどの高校茶道部女子たちとのおでかけ。1日目はあいにくの雨でしたが、それぞれ楽しい研修ができました。 ★1日目のコース 西尾城→西尾歴史資料館→松鶴園→あいや抹茶ミュージアム→抹茶ラボ ★2日目のコース 尚古荘庭園→旧近衞邸茶室→松鶴園→榊原タタミ店 この旅行での学びベスト3第3位🍃 抹茶を引く石臼は50キロもあり、室温20℃、湿度40%の真っ暗闇で、1秒に1回転ほどの速度でゆっくり

          「抹茶」と「畳」再発見! 高校茶道部旅行in西尾

          茶飯釜の茶事 10年ぶり2回目🍚

          今日は冷たい雨が朝から降っています。張り切って5時に目覚め、ベッドの中で本日の予習。 昨夜持ち込んだ、本と茶道ノートを読み返してイメトレ 子育てがひと段落して、10年のブランクを経て今の御社中に入れていただいたのが12年前。 様々なお茶事を体験してきましたが、茶飯釜の茶事というものがあるということを知り、初めて体験してから10年も経過していたのかと思うと本当に驚きです。 中学生だった息子が社会人になり、赤ちゃんだった親友の娘さんがハリーポッターを読破して本屋大賞にエント

          茶飯釜の茶事 10年ぶり2回目🍚

          勤務校での「茶道普及作戦」がじわじわと効果を上げている⁈

          わたしの「茶道の普及作戦」について誰に頼まれたわけでもないのですが、気まぐれな使命感のもと、地味でありながらしつこく(笑)行ってきた「茶道普及作戦」 最近、蒔いた種のうちのいくつかは芽を出してくれているのだなと思えることが増えてきて、何より心楽しい思いがします。 公立高校では同じ学校に12年も務めるのは長い方です。 そのなかで、最初の2年間を除く10年間、 自分も長く親しんでいる「裏千家茶道」の部活動顧問をやらせてもらっています。これは、たぶん教員人生のなかでは僥倖というべ

          勤務校での「茶道普及作戦」がじわじわと効果を上げている⁈

          14代宮崎寒雉作の「仙叟好 焼飯釜」能登半島地震復興への思いもこもった月釜で思い出したいろいろ

          今日は3月10日。明日で13年。東日本大震災で被害にあわれた方々に思いを馳せるとともに、まだまだ復旧の途上にある能登半島地震被災者の方々にあらためて応援の気持ちを強める一日となりました。 今日は、午前中は3月らしく釣釜のお稽古で、雲竜釜と徒然棚。床の間はかわいらしいお姫様の絵で、桃の節句のイメージ。 午後は先生のご友人が月釜の席主をされるということで、御相伴させていただきました。 お軸は淡々斎のお筆の「春水満四澤」。八千代棚のお点前で、春の野遊びの趣向のお席で、どのお道

          14代宮崎寒雉作の「仙叟好 焼飯釜」能登半島地震復興への思いもこもった月釜で思い出したいろいろ

          西加奈子さんの2冊『くもをさがす』『わたしに会いたい』…「じぶん」であることってとことん難しい

          私の中の2023ベストエッセーは、間違いなく西加奈子の『くもをさがす』だもともと西さんの小説が好き。強い。熱い。リアルに生温かい。逃れがたいものに巻き込まれながら、自分であることを見つけていく登場人物のストーリーにあっというまに巻き込まれ、一緒に翻弄され、危うくも、ほっとしたような気持ちで着地する。 そんな西さんが事実、「乳がんサバイバー」となる。しかもコロナ禍のカナダで。病を知った時から手術を受け、がん患者ではなくなるまでの一部始終を、まるでその期間を一緒にいたかのよう

          西加奈子さんの2冊『くもをさがす』『わたしに会いたい』…「じぶん」であることってとことん難しい

          対立・論破ではなく、摩擦が大事キーワード③フリクションについて

          ①レジリエンス、②リバティに続いて… ③フリクション(摩擦)の話定数と変数「ハード」と「ソフト」という対立項で語られることはこれまでもよくあったのですが、最近もっとしっくりくる視点は、「定数」と「変数」という考え方です。これもvoicyで澤円さんや越川慎司さんが取り上げているのを聞いて、自分の中でとっても腹落ちしました。 「ハード」と「ソフト」で語る言説の中では、その2極の間で 「必ずしも『主体であるわたし』の存在や介入がなくてもその事象の分析としては成立する、いわば他人

          対立・論破ではなく、摩擦が大事キーワード③フリクションについて

          「レジリエンス」と「リバティ」 大学入学共通テスト後の高校で☆越川慎司さんの2024「働き方」キーワード☆から考える

          ビジネスのトレンドを知ることはとても大事だといつも思っています。 教育が明け渡してはいけないことと、変わらなければいけないこと、社会の変革のなかで判断に迷うことがとても多いです。越川さんと緒方さんの対談はとても興味深く、共感しました。越川さん、対談の冒頭でまずこのように結論を提示されました。 3つのキーワードから1月前半の仕事を振り返ってみたいと思います。 キーワード①レジリエンス(しなやかさ)先日行われた「大学入学共通テスト」の自己採点のデータを無事送り(これも短時間で

          「レジリエンス」と「リバティ」 大学入学共通テスト後の高校で☆越川慎司さんの2024「働き方」キーワード☆から考える

          石川県が大好き② 「成人の日」と「のとじま水族館」

          能登半島のみなさま、ますます寒さが厳しくて、本当に苦しい状況だと思います。少しでも早く状況がよくなりますように。 まずは、ふるさと納税で応援します。 90年代、当時は1月15日が成人の日。20歳のわたしは、「のとじま水族館」でお魚を見て過ごしていました。 このたびの地震で当面閉館とのことですが、ダイバーさんもお客さんも冷静な対応をされたようで、きっと復旧開園までご苦労がたくさんあることと思いますが、早く明るい春が訪れますように。 太平洋側で育ったわたしにとって、石川県で

          石川県が大好き② 「成人の日」と「のとじま水族館」

          石川県が大好き! 金沢で茶道と出会い、一生の楽しみを得ることができました。

          能登半島の地震に心を痛めています。 金沢は大学時代に過ごした懐かしい土地で、心の故郷です。 わたしの友人には大きな被害はなかったようでほっと胸をなでおろしましたが、よく知る地名や訪ねたことのある場所の被災状況を見て、募金などのほかに何か応援できることはないかと考えています。 石川県で出会い、わたしの一生の宝になったのが、「裏千家茶道」です。 飽きっぽいわたしがこれだけはまって、18歳で大学の茶道部で始めてから三十数年、引っ越しのたびに先生を紹介してもらい、お稽古を続けてこら

          石川県が大好き! 金沢で茶道と出会い、一生の楽しみを得ることができました。

          まさしく、『この世にたやすい仕事はない』。どう働くかを自分で選び取る自由を持ち続けたい。

          正月休み最終日は、箱根駅伝の復路を横目に見つつ、津村記久子『この世にたやすい仕事はない』を読み終えました。 文庫版の帯の「新潮社入社2年目・K」さんの自筆ポップ風に書かれたコメントです。 簡潔かつ、読みたくなる! で購入してきました。 読み終えてみて 「そうなんだ…」と うちの職場にも入社2年目の青年がいますが、彼もラストシーンで涙を流すかな、いや流さないな。(想像です笑)意外に流すのかな… 新潮社2年目のKさんがどんな涙を流すのかが気になってしまいました。 入社2年

          まさしく、『この世にたやすい仕事はない』。どう働くかを自分で選び取る自由を持ち続けたい。

          本屋大賞ノミネート!読書感想文『水車小屋のネネ』と再び『黄色い家』と

          津村記久子さんの『水車小屋のネネ』を読み終わりました。幸福な時間をじっくり味わうように読みました。 ネネがヨウムだと知らずにこの本を手に取ったのですが、インスタグラムでヨウムの「アーボ」や「メイちゃん」をフォローしている鳥好きな私には、ネネの仕事ぶりや一挙手一投足?が鮮明に目に浮かび物語に引き込まれました。 表紙の絵や挿絵もこの小説の世界にあまりにぴったりで、こんなにふかふかとした温かい気持ちで読んだ小説は久しぶり。 新聞小説だからこんなに挿絵がたくさんあったんですね。

          本屋大賞ノミネート!読書感想文『水車小屋のネネ』と再び『黄色い家』と