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【アート】MOMAT 東京国立近代美術館で出会った言葉 「茶道」とは「日常生活」の抽象

抽象とは、「絶対」を求める近代西欧の態度である。形而上学、宗教、一般文化、芸術及び生活様式における東洋的な思考方法は幾世紀もの間つねに「絶対」を指向してきた。「茶道」は「日常生活」の「抽象」であり「俳句」-17文字の短詩一は「文学」の「抽象」であって、この二つの芸術は、それぞれ「宗教」と「形而上学」の「抽象」である「禅」と「道教」に基礎をおいている。「書道」、すなわち「コミュニケーション」の「抽象」もまた近代的な「抽象」絵画である。黒は「抽象的」で「絶対的」な色彩である。近代の「抽象的」で「絶対的」な建築における「誠実さ」は「構成」と「肌理」の「芸術的価値」を証明し、明示している

長谷川三郎
1906-1957
抽象の言葉/宣言

こちらの展示を観に行こうと思い立ちました。

3館の収蔵品から共通点のあるトリオを作って展示するという面白い展覧会。

共通点、相違点の比較
という枠組みが与えられると、自ずと視点が複層化されて、面白く、作品の印象が深まるように感じます。

取り上げられているテーマもさまざまで、近代という時代の様々なポイントが、3つセットになった状態でバラバラっと目の前に振り撒かれたような感じ。

仕事がら、評論や小説など''言葉'で語られる「近代」に接することは多いのですが、激動の時代、アートの側にいた人たちの''視点''というのを生々しく興味深く感じる内容でした。

本物は心を揺さぶりますね。

表題の言葉に出会ったのは、特別展の方ではなく、MOMATコレクションの方です。

茶道と俳句は抽象だ
ということ、
しっくりきました。

茶道は単なる様式ではない

道教のことはよくわかりませんが、禅との関係はとても深いけれども、そこに縛りつけられているわけでもない。

掛け物も花も道具も建築も料理も

主も客も

さまざまな具体を包括しながら抽象化して、抽象化されているから、あらゆる人の心に具体的な感動として届く

茶道にはそんな底知れぬ魅力を感じます

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