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対立・論破ではなく、摩擦が大事キーワード③フリクションについて

①レジリエンス、②リバティに続いて…

③フリクション(摩擦)の話

二極化。自律的意欲が高い人とゆるくていい人過去に固執する人。
対立、否定ではなく摩擦の中からイノベーションを起こす。
違いのある人をうまくころがす難易度も上がり、スキルも下がっている。
偶然の出会いで変わる。
偶然を必然とするいい循環を築く。
同質な人が集まっても新しいことは生まれない。異質な考え方を持っている人の意見を聞くことが必要。取り入れるかどうかは自分で決める。

voicy 越川慎司

定数と変数

「ハード」と「ソフト」という対立項で語られることはこれまでもよくあったのですが、最近もっとしっくりくる視点は、「定数」「変数」という考え方です。これもvoicyで澤円さんや越川慎司さんが取り上げているのを聞いて、自分の中でとっても腹落ちしました。

「ハード」と「ソフト」で語る言説の中では、その2極の間で
「必ずしも『主体であるわたし』の存在や介入がなくてもその事象の分析としては成立する、いわば他人事のようにも語れる…」という感触があります。
大学入試問題小論文などでよく用いる手法で、高校生が社会問題をどう認識しているかを語るには有効な対立項となります。

でも「定数」と「変数」で物事を語る場合は、わたし自身のタイムパフォーマンスや成果と密接に結びつき、「行動の主体としての自分が、他者や環境とどう関わるべきか」いう意志が含まれるように思います。

相手は「定数」なのか「変数」なのかを見極めないと、とんだ労力の無駄遣いを強いられるというケースはよくあり、忙しくても成果を出したい人には必須の視点です。

「フリクション(摩擦)」の視点があってこそ、建設的な方向に活かされる

「やる気のない人=定数」を無理やり動かすことに労力を使うよりも、
「変数」になる部分はどこなのかを見極めたアプローチをする方がよっぽど建設的です。

異なる立場に身を置く人の言葉に耳を傾けて、「相手を論破することなく、自分がどのように行動することがもっともタイパがよいか」を考えることで、イノベーションとまではいかないけれど、現状打破へのきっかけくらいはつかめるように思います。

今日は…

わたしが他の会議に出ていて、出られなかった会議の成果物が机上に置かれているのを見て、その内容に唖然としてしまいました。

会議の雰囲気は大変悪かったようで、誰も真剣にその場の「フリクション(摩擦)」に向き合わなかったようです。
「変われないタイプの人」が、反発を受けて、どう変えたらいいかわからないままま、レポートを作成し、「迷走」を絵に描いたようなものが置かれていました。

変えられないものに労力をかけても仕方ない。
「教育」は対象を選んでもいいですか?

もどかしさや苛立ちを他者のせいにしてもしかたがない。それは「定数」なのだから…
と割り切れば、よっぽど気持ちよく、仕事は前に進みます。
優秀な人たちが当事者意識を持って、感情は横に置いて、さっさと解決に向けて行動するのが、一番の働き方改革、業務改善だと思ってしまいました。

優秀で信頼する同僚(=変数であると期待している人)に、
「こんなレポート出させてちゃダメ!あのひとのレポートではなくて、我々のレポートなんだよ」と珍しく注意し、添削して件の定数さんの机上にお返ししてきた次第です。

生徒への接し方と同僚への接し方との違いで悩み続けるのもこの仕事の特徴ですね。

「教育者」であると同時に「労働者」であることの権利と責任がごちゃ混ぜになった現場を下支えする

忙しいと、成果が出ていなくても無関心を装うことが増えてしまいがちです。これはコスパという概念がほとんど適用されない公務員の悪い癖だと思います。そのような態度をとっても、営業利益に瞬時に反映されるがないから。

その反面、どれだけ穴埋め仕事を仕事をかぶっても、無料。
逆に仕事をしてもしなくても降格しない。

身分の保証と引き換えに、そのへんは織り込み済みといったところなのですが、やりがいや誇りでカバーしながら、マイナス会計でも楽しむという文化は新しい世代によって是正されつつあると感じます。

フリクションによる可能性

40歳のある中堅職員が研修に行ってきた翌日に話してくれたのが
「今日の研修で一番ためになったのは『保護者からの苦情は、自分を堕落させないためにあるんだと思ってください』というエライ人の言葉でした(笑)」

教育行政の「エライ人」よ…
確かに!コスパを問われない仕事の最後の砦ということでしょうか。

これも、フリクションからの自己改革、成長の契機だと納得。
無自覚に「定数」になって革新を妨げないこと。
この仕事のやりがいを守るのは自分なのだから。

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