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徒手理学療法。最新の定義と解説


📖 文献情報 と 抄録和訳

整形外科徒手理学療法:最新の定義と解説

📕Silvernail, Jason L., et al. "Orthopaedic Manual Physical Therapy: A Modern Definition and Description." Physical Therapy 104.6 (2024): pzae036. https://doi.org/10.1093/ptj/pzae036
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

[レビュー概要] このレビューは、整形外科徒手理学療法(Orthopaedic Manual Physical Therapy, OMPT)の現在の定義と概念モデルを提供し、この体系的で積極的な患者中心のアプローチの際立った特徴と重要な要素を定義することで、理解を深め、科学的文献での研究のために正しく分類することを助ける。

■ 整形外科徒手理学療法(OMPT)の定義

最新の定義は、患者中心のアプローチを強調し、
OMPTの治療戦略と臨床推論の重要性を強調している。

■ 整形外科徒手理学療法(OMPT)の概念モデル

このモデルは、患者中心のアプローチと継続的な評価を重視し、臨床推論と科学的根拠に基づいている。各要素が相互に連携し、包括的な治療を提供することを目的としている。

■ 徒手療法(手技療法)と運動療法の進行過程

この図は、徒手療法の治療過程での運動と手技の使用がどのように変化するかを示しており、治療の進行に伴って患者の耐性が増すことにより治療量が調整されることを示している。

1. Exercise(運動)
・灰色のバーで示されている。各訪問時に行われる運動の回数は比較的少ないが、訪問ごとに一貫して行われている。
2. Techniques(徒手療法手技)
・青い点線で示されている。これは関節や軟部組織の動員手技の種類を表している。
・訪問ごとに手技の数が徐々に増加し、最終訪問に向けてわずかに減少する。
3. Bouts(持続手技)
・緑の線で示されている。持続手技は30秒間の関節または軟部組織の動員を1回とカウントしている。
・訪問回数が進むにつれてボウツの頻度は増加し、患者の組織耐性が向上するにつれて総治療量も増加する。
・しかし、最終訪問では手技の頻度が減少し、患者の長期的な運動療法の遂行を強化することに重点が置かれる。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

最近、徒手療法をはじめとして、手技系のあり方が問われている。
かつては、ボバースコンセプト、PNF、各種徒手療法・・・。
「その一流派をやらずんば、セラピストにあらず」、という雰囲気すら感じる病院もあったろうと思う。

しかしながら、最近では時代の変遷とともに、「実際、ボバースコンセプトを用いることの効果の科学的根拠は?」、「PNFだけやっているのってどうなの?」といった視点が強まってきている。
僕は思うのだが、これら手技系は、臨床思考過程における「効果器」的な役割が特に強調されやすい介入種だ。
ドアを開けるという目的に対する、『鍵』なのだ。
そうなってきた時に、「何でもかんでも同じ『鍵』でドアが開くわけはない。まず、鍵穴の形を明らかにして(評価-臨床思考過程全般)、それに応じた『鍵』(介入)を用いることが重要なんじゃないの?」と思われるのは当然だ。

もちろん、各手技系を一生懸命やっている人からすれば、「いやいや、そうやっていますよ」と思われるだろう。
だが、ハタから見ると、やはり「効果器」的な役割が特に強調されやすい、のだ。
だからこそ、今回抄読した論文のように、目に見える形で、その定義の中に臨床思考過程全般の中に手技が一部分として含まれていることを強調したり、あくまでも人中心のアプローチの一環であることを伝えたりすることが重要になってくる。
人という全体に対して、効果器だけでは成り立たず、受容器や中枢があるように、治療体系全体に対する一部として徒手療法がある。
流川楓が、1 on 1だけではなく、パスも選択肢に入れた時からバスケット選手としての次元が大きくなったように、「だけではない」視点を持つ重要性は胸に刻みたい。

お前たちに課せられた任務は、優れた射手になることではなく、優れた狙撃兵となることだ。
狙撃兵に求められる能力のうち、射撃とは、中心ではあるが一部でしかない。
金槌に頭が無ければ金槌にならないが、頭だけではただの鉄だ。
金槌がすべての部品を備えるように、お前たちもまた優れた狙撃兵となれ。
最初の1ヶ月、銃に触ることも許さん。

【逢坂冬馬】同志少女よ、敵を撃て

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