脳卒中者の退院直後からの座位行動-運動パターンと参加
📖 文献情報 と 抄録和訳
脳卒中後1年までの運動行動パターンと参加経過の縦断的関連性
[背景・目的] 目的(1)脳卒中後1年までの参加経過において、退院後に直接確認された明確な動作行動パターン間の違いを調査すること、(2)経時的な動作行動パターンの発達と脳卒中後の参加との縦断的関連を調査すること。
[方法] 200名の初発脳卒中患者を対象に、退院直後、6ヵ月後、1年後の評価を行った。脳卒中衝撃尺度3.0の参加領域を用いて参加度を測定した。14日間、加速度計を用いて運動行動を客観化した。参加者は、3つの異なる運動行動パターン、すなわち、座りがちな運動者、座りがちな移動者、座りがちな遷延者に分類された。一般化推定方程式(GEE)が実行された。
[結果] 脳卒中後1年までの参加状況は、退院直後から座りがちな遷延者に分類された人ほど悪化していた。経時的な座位遷延者の発生も、座位運動者と比較して参加率の悪化と関連していた。
[結論] 脳卒中後の参加経過は、自宅退院後の明確な運動行動パターンによって異なる。高度の座位保持者や運動不足の脳卒中患者は、時間の経過とともに参加が制限されるリスクがある。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
動かない(動けない)→社会参加しない。
社会参加しない→動かない(動けなくなる)。
この両者は、鶏と卵のように、どちらが原因で、どちらが結果なのか。
両方向性の矢印を持っているに項目だと思ってはいる。
今回の抄読研究は、特に前者のパターンについて光を当てている。
退院直後の身体活動量分析において、動かず座りがちなグループは、社会参加もせず、長期的にも参加率が低い。
社会参加することは、死亡、要介護リスクを減らす、精神安定、幸福感の獲得などの効能が確認されている。
退院直後から、動くことを支援することで、長期的な健康、幸福をサポートできる可能性がある。
そしてそれは、リハビリテーションの領域の、結構ど真ん中の方ではないだろうか。
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