透析患者 × フレイル
📖 文献情報 と 抄録和訳
透析患者のフレイル
[レビュー概要] フレイルは、透析を受けている患者の間で頻繁に観察される状態である。フレイルは、生理的状態と認知的フレイルの両方が低下することを特徴とし、体重減少、疲労、身体活動レベルの低下、脱力、歩行速度の低下などの症状が複合的に現れる。フレイル患者は生活の質が低下するだけでなく、入院、感染症、心血管イベント、透析関連合併症、死亡のリスクが高くなる。フレイルは、透析を受けている患者のさまざまな医学的問題が複合的かつ相互に影響し合って起こる。
フレイルに対処するためには、腎臓専門医、老年病専門医、看護師、関連医療従事者、家族が連携して多面的に取り組む必要がある。栄養および慢性腎臓病関連合併症の最適化、非処方によるポリファーマシーの削減、透析処方の個別化、在宅透析または補助透析の検討などの戦略は、フレイル患者の身体機能の経時的低下を遅らせるのに役立つ可能性がある。
本総説では、透析患者におけるフレイルの根本的な原因について考察し、この患者群におけるフレイル管理の方法と難しさについて検討する。
■ 透析患者のフレイルの有病率:地域別
■ 透析患者のフレイルの要因
■ 透析患者のフレイルの分子経路
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
ぼくが所属する病院は糖尿病治療、透析治療を主として発展してきた経緯もあり、透析患者が多い。
その中で感じることは、透析患者の『虚弱さ』である。
脳血管疾患であっても、運動器疾患であっても、合併症に『末期腎不全(透析)』があると臨床思考過程における予後予測が一段下がる。
回復が遅い、疲労しやすい、筋萎縮、全身状態悪化・・・、さまざまなリスク因子が関わってくる。
そんな中で、今回のレビュー論文は、透析患者の虚弱(フレイル)についての概要を教えてくれた。
特に注目したのが、地域別のフレイル有病率(透析患者の)である。
さまざまな指標によってフレイル有病率を調査しているので一概には言えないが、日本の有病率は最も低かった。
この論文中では、日本の有病率の低さについては言及されていなかったが、どのような要因が関連しているのだろう。
もし、そこにリハビリテーションの充実、という要因があるとすれば誇らしいことだ。
何にせよ、透析患者が虚弱に陥りやすいことは学べた。
入院中の患者さんで透析者だった場合、フレイルの予防、フレイルの改善に注視 & 注力したい。
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