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骨密度の低い男性。運動の威力 & 最も効果的な運動は?


📖 文献情報 と 抄録和訳

骨密度の低い男性における運動と筋骨格系の健康:系統的レビュー

📕Hu, Katherine, Maree Cassimatis, and Christian Girgis. "Exercise and musculoskeletal health in men with low bone mineral density: a systematic review." Archives of Rehabilitation Research and Clinical Translation (2023): 100313. https://doi.org/10.1016/j.arrct.2023.100313
🔗 DOI, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Not applicable

[背景・目的] この系統的レビューの目的は、骨密度の低い男性における運動が骨と筋肉の健康に及ぼす影響を明らかにすることである。

[方法] データ情報源以下のデータベースで電子検索を行った: 1940年1月~2021年9月のMedline、AMED、Embase、Scopus、SPORTDiscus。研究の選択骨粗鬆症または骨減少症と診断され、骨または筋肉の健康に関するアウトカムを報告した成人男性を対象とした、あらゆる形態の運動を含む無作為化または非無作為化試験。2名の独立したレビュアーが12,018件の記録をスクリーニングし、13件の適格な論文が得られた。データ抽出1人のレビュアーが、運動介入の特徴、検討された集団、主要アウトカムおよび副次的アウトカムなど、あらかじめ形成された表にデータを抽出した。研究の質は、TESTEX(Tool for AssEssment of Study qualiTy and reporting in Exercise)を用いて2人の独立したレビュアーが評価した。

[結果] 筋力トレーニング、衝撃トレーニング、全身振動、伝統的な中国式エクササイズの効果を評価した6件の臨床試験に由来する13件の論文が組み入れ対象となった。筋力トレーニングが最も効果的であった。筋力トレーニングは、BMDを維持または増加させ、脂肪組織に代わって筋肉を増強し、運動能力、バランス能力、筋力を向上させた。管理された漸進的な筋力トレーニングに徐々に慣れることは、コンプライアンスを促し、傷害のリスクを制限する。

[結論] 運動、特に筋力トレーニングは、男性における骨粗鬆症とサルコペニアの自然な進行を遅らせた。これらの利点は、運動能力やバランスの改善といった機能強化に反映されている。全身振動や伝統的な中国式エクササイズなどの他の運動様式では、骨の健康、筋力、バランスに対する改善はわずかであった。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

今回の論文は、あるあるレビュー論文のようだが、違いがある。
それは、PICOのうち、Patientsが洗練されていること、だ。
今回は、対象を「骨密度が低下した男性」に限定している。
その患者群において、筋骨格系に対する運動の種類とその効果が明らかにされた。

Patientsが洗練されていることは、この論文がより鋭利であることを物語っている。
選択と集中。
刺さる範囲は狭いが、その効力は強い。
骨密度が低下した男性に対する運動の効果が知りたい場合には、このレビュー論文に戻ろと思う。

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