高齢者のためのデジタルスキルトレーニング
📖 文献情報 と 抄録和訳
高齢者のためのデジタルスキルトレーニング。ライフワールドの重要性
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar
[背景・目的] 日常生活にデジタル技術が浸透するにつれ、多くの高齢者がデジタル技術を向上させるためにICTトレーニングに参加している。しかし、デジタル技術を使いこなすだけでなく、社会的な慣習を変えるなど、インターネットやソーシャルメディアよりずっと前に育った人たちにICTを教えることは、難しいことである。この論文の目的は、高齢者へのデジタルスキルの教え方を成功させるための重要な要素について理論的な説明を提案すること。
[方法-結果] 26人のICT指導者の質的インタビューデータ、および社会学理論(生活世界、ロールテイク)、認知科学(デュアルプロセスモデル)の概念を用いて、ICTトレーニングは高齢者の生活世界を考慮する必要があると主張する。ICT教育を成功させるためには、高齢者の現在の生活世界に訴えかけると同時に、ミスマッチした生活世界を克服する必要がある。
[結論] コンテンツと教育方法を高齢者のニーズ、価値観、欲求と結びつけることで、講師は新しいスキルを高齢者参加者の生活世界にうまく融合させることができる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
ヘルスリテラシー、という言葉でがある。
自分にあった健康情報を探して、わかって(理解し、評価した上で)、使える力のこと(🌍参考サイト >>> site.)。
そして、ヘルスリテラシーの低い高齢者は、健康アウトカムが低下しやすい(📕Chesser, 2016 >>> doi.)。
現代の健康情報の多くが、どのような媒体で届けられるか。
「インターネット」である。
紙媒体が、どんどんと姿を消している。
しかし、ここに大きなギャップが発生している。
高齢者は、インターネット利用が困難な場合が多い(その特性まで明らかになってきている)。
すなわち、健康情報を届けたい人にほど、健康情報が届きにくいというパラドックスが生まれている。
この場合の介入は、大きく2つに分かれるだろう。
今回の論文は、②を成功させるためのコツについて教えてくれている。
ポイントは、「その人の現在の生活世界と離れすぎず、そのデジタル利用が今の生活をどう変えるか?を示しながら教える」、ということらしい。
これからは、どんどん②が推し進められるべきだと思う。
なぜなら、eHealth、テレリハビリテーションをはじめとした遠隔医療や、ウェアラブルを活用した転倒予防の取り組みなどは、ことごとくデジタルツールを用いたものだからだ。
道具があるだけでは何にもならない、その道具を使うことができなければ。
近い将来、デジタル教育も含めた退院支援が必要になるかもしれない。
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