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研究における日本の影響力。20年前、10年前、そして現在・・・

📖 文献情報 と 抄録和訳

日本、再び研究活性化に挑む

📕Normile, Dennis. "Japan tries-again-to revitalize its research." Science (New York, NY) 376.6596 (2022): 903-904. https://doi.org/10.1126/science.add1584

🔗 DOI, PubMed, Google Scholar

[レビュー概要]

▶︎ 日本の影響力の推移
- 1990年代後半、最も引用される10%の研究論文に占める日本の割合は4位だった。
- しかし、2010年代末には10位にまで落ち込んでいる。
- 米国も同様にシェアを落とし、中国の科学的影響力は急上昇している。

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▶︎ 日本の政策が注目されている
- 大学の地位が低下していることに危機感を抱いた日本は、大学の存在感を高めるために、一部の大学に年間23億ドルもの資金を投入することを計画している。
- この計画は5月18日に日本の国会で承認されたが、支援する大学をどのように選ぶかなど、多くの詳細はまだ決まっていない。
- しかし、1年以上前から検討されていたこの動きは、沈む一方の日本の研究運命をどう立て直すか、研究者の間で再び議論を呼んでいる。
▶︎ 政策に対して悲観的な意見もある
- 熊本大学の中国人発生生物学者であるGuojun Sheng氏は懐疑的
- 「この計画が、日本の研究活動のランキングや国際競争力の低下を食い止めるのに役立つとはとても思えません」
- 中国、米国、英国で研究・仕事をした経験を持つ盛氏は、新計画は、女性や外国人科学者が少なすぎる、変化を恐れる、若い科学者へのサポートがない、といった日本の研究機関の根本的な問題には対処していないと指摘する。
- 良い成果を得るためには「日本は研究文化を変えなければならない」

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

日本の研究の問題点の話になるとき、必ず上のような論調になる。
すなわち、「政策」の話に。
政策の話とは、中央集権のうちの中央がどうするか、の話だ。

ここで考えたい問いがある。

ここに、赤いトマトと緑のトマトがあります。
あなたは、どちらを収穫して食べますか(買いますか)?

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何を言っているんだ、そりゃ、赤いトマトだろうよ。
そうである。
当たり前の話だ。
だが、研究の議論において、緑のトマトをとるような話をしていないか。
中央からの経済的な支援がないから、研究において成長することができない。だから、中央よ、成長するために収穫してくれ。という感じで。
事情は、まったくの逆の要素をはらんでいる、と思っている。

取られてから、熟れるのか
熟れたから、取られるのか

自然は、後者。
研究における後者は、熟れることに全力だ。
きっと、いまの経済的な事情の中において、最善を尽くすだろう。
いや、経済が不足しているなら、それを取ってくる策をすら、弄する。
そうして、生長して熟した果実が、経済を潤わせる。

■ route1:経済支援 → 生長 → 果実
■ route2:生長 → 果実 → 経済的潤沢

どちらのルートが大切か、それは分からない。
だがね、少なくも僕たち民を行動に駆り立ててくれる力を内包しているのは、後者だと信じている。
生長は、何かに次ぐものではないはずだ。
いろはの「い」。そこから、すべてが始まるもの。
これは国(中央)の話ではない、僕たち(民)の話だ。
資金だって、自分たちでなんとかする道を探りたい。
日本全土で、研究が真の意味で民主化されたなら、何かが起こる気はしている。
まず、駆けたい。

私たちは「民主」の話をしている
「民」とは人々のこと
「主」とは責任を取るということ
私たちは自分たちで 自分たちの責任を取りたい

中国民主化運動の言葉

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