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脳卒中者対象のMobile Healthアプリ一覧

📖 文献情報 と 抄録和訳

脳卒中生存者の身体機能、身体活動、生活の質を改善するためのモバイルヘルスアプリケーション

📕Rintala, A., et al. "Mobile health applications for improving physical function, physical activity, and quality of life in stroke survivors: a systematic review." Disability and Rehabilitation (2022): 1-15. https://doi.org/10.1080/09638288.2022.2140844
🔗 DOI, PubMed, Google Scholar 🌲MORE⤴ >>> Connected Papers
※ Connected Papersとは? >>> note.

✅ 前提知識:Mobile Healthとは?
・「モバイルヘルス」とは、高機能化するスマートデバイスであるスマートフォン端末やタブレット端末などを利用して行う医療行為や診療サポート行為のことを言う。
・海外では「Mobile Health」もしくは「mHealth(エム・ヘルス)」と略されている。
・「モバイルヘルス」においては、患者のモバイル端末と様々なヘルスケア機器をデータ連携し、モバイル端末から患者データ(PHRデータ/パーソナルヘルスレコード)を収集してクラウド上で管理する。

🌍 参考サイト >>> site.

[背景・目的] 脳卒中リハビリテーションにおける身体機能および身体活動に対する、身体トレーニング要素を含むモバイルヘルスアプリケーション(mHealthアプリ)の有効性を評価すること。

[方法] 材料と方法創刊から2022年7月12日までに発表された研究について、3つのデータベースで系統的な文献検索を行った。身体機能および身体活動のアウトカムを用いて、身体トレーニング要素を含むmHealthアプリを含む臨床試験を対象とした。QOLは副次的アウトカムとして抽出した。

[結果] 5件のRCT、2件の非RCT、および4件の非対照臨床試験が含まれ、合計264人の脳卒中生存者が対象となった。ゲーミフィケーション(6アプリ)、運動処方(3アプリ)、身体活動(2アプリ)の機能を用いた身体トレーニング要素を持つ11のアプリが同定された。

■ ゲーム型(Gaming)
・MOU-Rehab (Choi et al., 2016) - 入院患者
・Finger Training App (Jang & Jang, 2016) - 入院患者
・FINDEX (Carabeo et al., 2014) - 入院患者
・Tap-it (Kizony et al., 2016) - 入院患者
・ARMStrokes (Lawson et al., 2017) - 在宅
・Android App (Burgos et al., 2020) - 在宅

■ 運動処方型(Exercise prescription)
・CARE4STROKE (Vloothuis et al., 2019) - 入院 & 在宅
・9zest Stroke Rehab (Sarfo et al., 2018) - 在宅
・Farmalarm (Salgueiro et al., 2022) - 在宅

■ モニタリング型(Monitoring)
・STARFISH (Paul et al., 2016) - 在宅
・Fitlab (Grau-Pellicer et al., 2020) - 在宅

7つの研究のうち6つで、実験群に有利な身体機能の統計学的に有意な改善が報告され、上肢機能に関する所見が最も強固であった。身体活動については、実験群で統計的に有意な改善がみられた。QOLの有意な改善を示した研究は1件のみであった。全体的な研究の質はまずまずであった。

[結論] 身体トレーニング要素を含むmHealthアプリは、脳卒中リハビリテーションにおける身体機能と身体活動に対して有望である。これらの結論を確認するためには、さらなる研究が必要である。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

最近、Fitbitという活動量をモニタリングする機器を装着している。
すると、その日の身体活動量や歩数を携帯電話やPCでも確認できるようになった。
それは、なにか介入してくる、というよりはただ『モニタリング』してくれる機器だ。

ところが、このモニタリング & フィードバックというのは、あなどれない。
モニタリング & フィードバックがあることで、意識が運動に向きやすくなるのだ。
測ることは、育むこと。

患者さんの身体活動量などをモニタリングしたり、運動処方までできてしまうmHealth。
今後の可能性は大きいと思う。

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