PICOの “P” にこだわれ。代表的かつ公平なサンプル収集のための “REP-EQUITY tool kit”
📖 文献情報 と 抄録和訳
健康調査において代表的かつ公平なサンプルを採取するためのツールキット
[背景・目的] 参加者は一般集団を代表していないことが多い。特定の集団を組織的に研究対象から除外することは、研究結果の一般化可能性を制限し、健康の不平等を永続させる。研究において十分なサービスを受けていないと考えられるグループには、人口推計に基づく予想よりも参加者が少ないグループ、医療負担が高いにもかかわらず研究参加の機会が限られているグループ、医療への関与が他のグループよりも少ないグループなどが含まれる。REP-EQUITYツールキットは、研究への代表的かつ公平な参加を導くものである。
[方法] このツールキットは、方法論的なシステマティック・レビューと統合によって開発され、24名の参加者によるコンセンサス・ワークショップで最終決定された。
[結果] REP-EQUITYツールキットは、代表的で公平なサンプル選択を促進するために、研究者が考慮すべき7つのステップを記述している。これには、
(1) 研究が十分に行われていない集団は?
(2) 公平性と代表性に関連する目的は?
(3) サンプル比率の定義は?
(4) リクルート目標は?
(5) 外的要因を管理する戦略は?
(6) 最終標本の代表性を評価する方法
(7) レガシー(持続可能な成果, ツールキットの使用)を報告したか?
を明確に定義することが含まれる。
[結論] REP-EQUITYツールキットを使用することで、地域社会と研究機関の信頼関係を促進し、研究への多様な参加を増やし、健康研究の一般化可能性を向上させることができる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
臨床研究を理解する、行う上で『PICO』『PECO』という概念の理解は非常に重要となる。
そして、臨床研究は、その構成要素のいずれかに臨床意義 (Relevant)のある新規性 (Novel)を有している必要がある。
今回抄読したツールキット『REP-EQUITY tool kit』は、Patient部分に新規性を有する研究をする際には、必ず目を通しておきたい内容だと感じた。
その研究集団は、きちんと一般集団を代表できるものなのか、不平等なものになっていないか。
どの母集団にフォーカスしていて、その目的は何か。
その目的を達成するために必要なサンプル数はどのくらいか、それは何に基づいてか。
今回の研究が秀逸だと感じたのは、上記の各質問項目(7つ)に対して、詳細な説明に加え、実例を示してくれているところだ。
PICOのPatientについて深く考えたい時、あるいはPatient部分に新規性を持たせた研究をしたい時、この論文に帰ってこようと思う。
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