エクサカイン。脳内ミトコンドリアに対する役割
📖 文献情報 と 抄録和訳
脳内ミトコンドリアに対するエクサカインの役割:ミニレビュー
[レビュー概要] 運動は、脳に万能薬のような効果をもたらすなど、多くの臓器系に恩恵をもたらす。例えば、有酸素運動は認知力や注意力を高め、認知症、ストレス、うつ病などの脳関連疾患のリスクを低減させる。近年では、骨格筋などの末梢系からの内分泌シグナルが、運動による脳への影響を媒介することが示唆されている。
運動に応じて各臓器から分泌される因子を、より広義に「エクサカイン」と呼ぶことが提唱されている。骨格筋、肝臓、脂肪組織から分泌されるエクサカインは、脳のミトコンドリア機能に直接影響を与えるという知見が蓄積されつつある。ミトコンドリアは、脳内の神経細胞のエネルギー代謝、神経伝達、細胞修復、維持に重要な役割を果たしており、エクサカインは脳内ミトコンドリアに影響を与えることで、脳機能や疾患抵抗性を改善することが期待される。そこで、筋肉、肝臓、脂肪組織由来のエクサカインが、ミトコンドリアの生体エネルギー、量、動態を調節することにより、脳の認知・代謝機能に与える影響について、健康状態および疾患状態において検討した研究結果を紹介する。
■ エクサカインが脳内ミトコンドリアに及ぼす影響
エクサカインが脳ミトコンドリアの生体エネルギー、内容物、動態、転写因子に及ぼす影響。運動によって、骨格筋(FNDC5/イリシン、IL-6、乳酸)、脂肪組織(アディポネクチン)、肝臓(BHB、FGF21)由来の末梢因子(エクサカイン)の血中分泌が上昇する。これらのエクサカインは脳血管関門を通過し、ミトコンドリアの生体エネルギー、含量、動態、転写因子の側面を直接促進するか、あるいは脳内のBDNF発現を上昇させることによって間接的にこれらのパラメーターを高める。ミトコンドリア機能の改善は、神経新生、神経可塑性、認知機能の向上につながる。BBB、血液脳関門、BDNF、脳由来神経栄養因子、BHB、β-ヒドロキシ酪酸、FGF21、線維芽細胞増殖因子21、FNDC5、フィブロネクチンIII型ドメイン含有5、IL-6、インターロイキン-6。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
不思議なものだ。
名付けのプロセスは、「その人が、そのものが、その経験が、その現象が(中身)」あって、とある「名前」がつけられる。
その順番は、逆ではない、はずだ。
だが、いったん名前がつけられると、どうだろう。
堀の中を水がどちらにも移動できるように、「中身」と「名前」が双方向の関係性になってしまう。
例えば、今回抄読した文献は、僕に『エクサカイン』という名前を教えてくれた。
これまで、子どもが散らかし放題にしたおもちゃのように散在していた、運動による分泌物の知識。
それが、『エクサカイン』という名前の囲いを与えられた途端に、きれいに整理整頓されてしまった。
名前があって、内容物に至りやすくなる、ということは実際にある。
これこそ!、名付けの重要性であるように思われる。
一旦明確に「中身」を囲ってしまえば、ファイナルファンタジーの召喚獣のように、その「名前」が、その存在・中身を一瞬で、呼び起こしてくれる。
あるいはおもちゃ箱のような整理整頓のフォルダになってくれる。
それによって、ある人が血の滲むような努力の末、数年かけて名づけた中身を、誰でも一瞬で召喚できるようになるし、今までぼやっと通り過ぎていたものが、一個の存在として浮き彫りになって、そこから新しいストーリーが生まれたりする。
『エクサカイン』。呼びやすい、なんかかっこいい。
これはまた、同僚にドヤれそうだ。
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