SUNNY DAYS

うつ病闘病歴6年の心理カウンセラーによるしくじり日記。心のプロであるはずの私がどうして…

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うつ病闘病歴6年の心理カウンセラーによるしくじり日記。心のプロであるはずの私がどうしてうつ病になり、そこからどう回復して働けるようになったのか、今も続く服薬治療の中でうつとどう折り合いを付けているのか、についてお話をしていきたいと思います。

マガジン

  • 徒然に思ふこと

    心理士が日常の中で想うことについて徒然なるままに書き綴ります。

  • 心の健康ワーク

    心の健康を保つためのノウハウ、ティップスをご紹介します。

  • しくじりうつ日記

  • 「自閉症」の歴史シリーズ

    20年前から発達障害のお子さんの支援に携わってきた心理士が、発達障害についての適切な理解を広めていくための情報を、過去の歴史を紐解きながらお伝えしていきます。

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うつ病カウンセラーのしくじり日記

■発症私は心理士資格を持つ心のプロ。そんな私がうつ病になったのは5年前の事でした。 頭の中で考えがまとまらなくなって、感情もコントロールができなくなって毎日大泣きしながら出勤、死んだような顔して低空飛行で仕事をどうにか続けるも、睡眠の質も悪化して寝不足なのでお客さんの前であくびをすることもしばしば… 「死にたい!」「殺してくれ!」 って口癖がとまらなくなるくらいの希死念慮。休みの日には全く体が動かずにご飯を食べない日もざらでした。当時は”箸を持つ事さえ重い”と感じてまし

    • うつと体重の悩みについて

      ■精神症状に伴う体重の変化抗うつ薬を服用されている方の中には、以前よりも体重が増えたと訴える方が少なくありません。これは必ずしも抗うつ薬の作用により影響とは言い切れません。今回の記事でお伝えしたいのは『体重増加はあなたが回復する過程に入ったサインかもしれない』ということと『体重増加をきっかけにさらに回復するために』という内容になります。ダイエットのススメとか、抗うつ薬は太りやすいんだ、ということをお伝えしたいわけではありませんのであらかじめご理解いただいた上でご査読いただけれ

      • ひとを想う心が力になる

        ■ありがとうの気持ち唐突ですが、皆さん最近誰かに「ありがとう」の気持ちを伝えていますか? 中々照れくさくて言葉にしづらいものですね。 この誰かに感謝する気持ちが、実はご自身の心を回復させる鍵になる、というお話を今回はお伝え致します。宗教や道徳の観念上の事ではなく、実際に心理療法の中でも取り入れられている技法とも関連しております。 どうか最後までお付き合い頂けますと幸いでございます。 ■アンビバレントをメタ認知するうつ病や適応障害、その他精神疾患の方の多くに前頭葉と呼ば

        • 自己肯定感が低い人のための自己PR

          ■障害者雇用向け履歴書職務経歴書を添削していてココナラ上のサービスで履歴書・職務経歴書の添削サービスを提供しております。https://coconala.com/services/1423454 普段からも障がいのある方の就労を応援するお仕事をする中で、一つ思うところがあるのです。それは、『皆さん自己PRと志望動機に苦戦される』ということ。 これはある意味では自然なことだと感じています。日本人は奥ゆかしいから、というだけの話ではなく、主に私がお手伝いをさせていただく精神・

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        うつ病カウンセラーのしくじり日記

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        記事

          減薬にチャレンジした結果

          年末年始を機に減薬にチャレンジしてみました。 その時の記事はコチラ 今回はその結果についてのご報告になります。 ■ベンゾジアゼピンの減薬今回、入眠導入剤2種類および入眠持続剤1種類の減薬調整を試みました。まずは持続剤の減薬。こちらはベンゾジアゼピンを含むお薬です。減薬初日から服用を辞め、約1ヶ月経過観察を行いましたが、服用せずとも翌日以降のコンディションに影響は見られませんでした。減薬当初こそ中途覚醒、早朝覚醒も見られましたが、睡眠の質に大きく支障はないと判断しました。

          減薬にチャレンジした結果

          今、自死を考える人のことを考える

          ●自殺者の増加傾向 2021年1月現在、自殺者の数が前月までと比較して増加傾向にあるとのこと。改めていうまでもないことかもしれませんが、恐らく下記の点が影響している事に疑問の余地はないように思えます。 ・緊急事態宣言に伴う経済活動の自粛、その影響による金銭的な不安 ・外出自粛に伴う活動制限下での運動および日光にあたる時間の減少 ・鬱屈した感情を吐き出す為の言葉が溢れ、それにより心身が疲弊する ・社会的構造変化に無意識に脳のエネルギーを消耗している 表面的には一番が大

          今、自死を考える人のことを考える

          減薬にチャレンジしてみるということ

          ■初めての減薬 私は6年前にうつ病を発症した臨床心理士です。今では特に体調不良でお休みをするような事もなくフルタイムで働いています。ここ4年くらいは服薬内容も変わらず、ずっと同じ分量で服薬治療を継続してきました。それをこの2ヶ月くらい徐々に減薬し始めています。今回は何故私がこれまで減薬をしてこなかったのか、そして何故今になって減薬を始めるのかについてお伝えをしていきます。少しでもこの発信が皆様のお役に立てれば幸いです。 ■何故減薬してこなかったのか私が服薬している内容は主に

          減薬にチャレンジしてみるということ

          心理学は学問だから占いや魔術と混同しないで欲しいという話

          ●魔術師さんの仕事kwsk心理職としては今更ながらのお話ではあるのですが、ここ最近の実体験から改めてここはお伝えしておくべきかと思い、筆を取りました(Apple Pencilね)。 ココナラ、Coubicでオンラインカウンセリングサービスを提供したり、SNS上でメンタルのケアについて情報発信をしているのですが、時々不思議なご職業の方々にフォローをいただく事があります。こないだ驚いたのは「白魔術師」というお仕事をされていらっしゃる方にフォローをいただきまして、「なるほど、世の

          心理学は学問だから占いや魔術と混同しないで欲しいという話

          心の健康ワーク②気温差とセルフネグレクト

          ■脳は暑いのも寒いのも苦手12月が今年もやってきました。あっという間の一年でしたね。 このところ急激に寒くなってきて、朝なかなかお布団から出られないという方も多いのではないでしょうか。人によっては、お風呂に入るのも洗い物をするのも冷たい水や床に触れるのが嫌で億劫になることもあるかと思います。 わかる、めっちゃわかります!!寒いの嫌だよね、冷たいの嫌だよね(泣 メンタルのコンディションに不調を抱えている方によく見られる傾向として ・急激な温度差が苦手 というのがありま

          心の健康ワーク②気温差とセルフネグレクト

          心の健康ワーク①心身相関とは

          ■心と体は繋がってる??みなさんは心身相関という言葉を聞いたことがありますか?読んで字の如く、「心と身体が相関関係にある」という意味です。相関関係というと統計に馴染みのない方にはピンとこないかもしれませんね。お互いに因果関係があるよ、関連しあっているよ、という意味です。イメージとしては、二次関数のグラフのように、心というxと身体というyの値が影響しあっている。そんな感じです。 例えば、大事な会議を前に緊張してお腹が痛む、というシチュエーションは容易に想像できるかと思います。

          心の健康ワーク①心身相関とは

          心理職として徒然に思ふこと①フィールドワークとデスクワークのバランス

          ご無沙汰しております。今回は発達障害やうつとは少し離れて、心理職として勤めてきたこの10余年の私自身が感じてきた所感や業界の流れについて触れていきたいと思います。 ・同じ心理職でも格差が私が学生、院生だった頃、当時の心理職といえばクリニック・医療機関のカウンセラーとして心理検査をしたり初見を書いたりカウンセリングしたり、あるいはスクールカウンセラーとして子どもたちの心のケアを行ったりするのがどちらかといえば主流でした。産業現場で企業の産業カウンセラーとして働く方も一定数いま

          心理職として徒然に思ふこと①フィールドワークとデスクワークのバランス

          「自閉症」の歴史シリーズ④自閉症と心の理論

          こんにちは、お久しぶりです。しばらくプライベートの事情により更新が滞っていました。今回は自閉症と心の理論についてお送りします。 ・サリーとアン 自閉症業界(どこにあるのかは知りませんが)では有名なイラストなのでご覧になったことのある方も多いかもしれませんね。これはサリー・アン課題という、誤信念課題と呼ばれる課題で有名なイラストです。誤信念課題とは、他者の思考の誤りについてその人の視点に沿って思考を追従することができるかどうかを確かめる課題です。課題の内容は次の通りです。

          「自閉症」の歴史シリーズ④自閉症と心の理論

          「自閉症」の歴史シリーズ③ウイングがあばいたカナーの功罪

          前回の「自閉症」の歴史シリーズでアスペルガーの研究報告を再発掘したローナ・ウイングという人物について、今回は掘り下げていきたいと思います。 ●ウイングの四つの功績ウイングの功績として広く知られているものが大きく分けて3つあります。 一つ目は敗戦国ドイツの歴史に埋もれていたアスペルガーの再発見。これは前回のお話でお伝えした通りです。 二つ目は「ウイングの三つ組」と呼ばれる、自閉症の症状について主症状を明確に特徴づけた、いわば「診断基準の指針」に関する報告です。ウイングの三

          「自閉症」の歴史シリーズ③ウイングがあばいたカナーの功罪

          うつ病カウンセラーのその後・・・

          ■うつ病から復職して約2年半・・・私は関東に引越しをしました。そして、また就職活動をして、新たな職場で働き始めることになります。決して、私を快く温かく迎え入れてくれた前の職場が嫌になったわけでも、体調を崩したわけでもありません。むしろ働き続ける中で次第に体力も回復し、心と体との付き合い方も以前より上手になりました。仕事のパフォーマンスも随分と改善してきて、さらに新しいスキルも身につける事ができ、恩と感謝の気持ちしかありません。 それでも、私には引越しをする理由がありました。

          うつ病カウンセラーのその後・・・

          「自閉症」の歴史シリーズ②アスペルガー症候群とは何だったのか

          ・序章前回の記事で自閉症という診断名が統合失調症の自閉性という症状に由来している事をお伝えしました。2020年現在、自閉症関連の疾患については 「自閉性スペクトラム障害<autism-spectrum-disorder>」 という診断名に統一されています(アメリカ精神医学会の診断マニュアルDSM−5より)が、その一つ前の診断マニュアルDSM−4TRまではアスペルガー症候群という診断名が自閉症関連の診断に名を連ねており、さらにもう少し遡ると「広汎性発達障害<pervasiv

          「自閉症」の歴史シリーズ②アスペルガー症候群とは何だったのか

          「自閉症」の歴史シリーズ①名前の由来

          うつ病カウンセラーのしくじり日記は、あともう少し続きがありますが、私のしくじり体験だけでない知識の部分が何かのお役に立つのではないかと思い、新シリーズを立ち上げてみることにしました。 ・きっかけきっかけは「TED」という動画アプリで知ったアメリカで実際に起きている悲しい無理解による出来事。アメリカだけでなく、世界中の一部の人々の中で「反ワクチン運動」なるものが起きているのだそうです。その背景には「ワクチンを摂取することで自閉症になる子どもが増えている」という実に信じられない

          「自閉症」の歴史シリーズ①名前の由来