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うつ病カウンセラーのしくじり日記

■発症

私は心理士資格を持つ心のプロ。そんな私がうつ病になったのは5年前の事でした。

頭の中で考えがまとまらなくなって、感情もコントロールができなくなって毎日大泣きしながら出勤、死んだような顔して低空飛行で仕事をどうにか続けるも、睡眠の質も悪化して寝不足なのでお客さんの前であくびをすることもしばしば…

「死にたい!」「殺してくれ!」

って口癖がとまらなくなるくらいの希死念慮。休みの日には全く体が動かずにご飯を食べない日もざらでした。当時は”箸を持つ事さえ重い”と感じてましたし、頑張って食べてみるけど3口でご馳走様…おかげで1ヶ月半で15kg体重が落ちました。

薬が処方される前までは、毎晩ベッドの上で寝付けず悪夢と格闘する毎日。大きな岩に押しつぶされそうになる夢、謎の暗殺者から逃げ回る夢、立てこもりの犯人の人質になる夢……こんな夢からはっと目が覚めると、寝始めてからまだ10分も経ってない!再び寝付くとまた悪夢がやってきて、はっと目が覚めると…まださっき起きてから五分も経ってない…。こんな事を繰り返し明け方まで続いて、私の睡眠の機能は壊れてしまいました。

心療内科にかかって薬を処方されて、呼吸法をするようにと助言され、毎日呼吸法してお薬飲んで…と治療が進むにつれて夜眠れるようにはなりました。

食事と睡眠って本当に大事です。人間の体は食べたもので構成されています。そして、日頃ガンバってくれた体と脳を休めるのが睡眠。この2つができなくなると、人間の体を回復させられる手段が無くなります。材料もなしに体の修復はできないし、休憩時間もなく脳も体も酷使され続ければ、脳や体が悲鳴をあげてくるのも当然。

希死念慮って、「死にたい」て思ったり考えたりする事の事をそう呼ぶのですが、これは脳からの悲鳴なんですよね。「助けてくれー、このままだと脳がもたないよ!」ていう脳からの危険信号。

決してご本人の心からそう思っている訳では無いんです。だから、脳を回復させてあげれば希死念慮は落ち着きます。そこを「自分の本当の気持ちだ」って誤解しちゃうと、本当に実行しようと計画する、自殺企図とか、あるいは未遂、既遂…となってしまうのです。

私も毎日希死念慮に苦しめられました。本当は苦しんでいたのは私の脳だったのですが、当時の私が希死念慮に抗う為に試したのが「ストップシンキング法」という手段でした。

ストップシンキング法とは、浮かんでくる不合理な考え方に対して「ストップ!」と口に出してその考えを止める方法です。私はこれを、通勤の車の中や自宅で繰り返していました。

ストップシンキング法はもともと認知行動療法的なアプローチとして効果を挙げている心理療法としてよく知られた方法ですが……

結論から言うと、当時の私にはあまり効果がありませんでした。というのも、疲弊した脳からの必死の悲鳴に「ストップ!」て呼びかけたところで、脳が疲弊してる現実は何も変わらないんです。だから、この時本当に取るべき治療法は「脳を休ませる」事だったんですね。今思うとこれが当時のしくじりでした。辛い時、疲弊してる時、ちゃんと脳を休ませずにむしろムチ打つようにお薬で覚醒をさせて、お仕事を続けていました。

結果的にその状態でどうにか1年近く働き続けますが、その状態では心も体も持たなくなって退職を決意しました。

今思えば、休職という選択を取ってい れば、きちんと回復する為の時間が取れたはずだったんだなぁ、と感じています。

●今日のしくじり

・無理せず早めに休職すべし

・食事と睡眠ができないと人は回復手段を失う


もし中の人と相談してみたい、と思ってくださった方はこちらまでお気軽にご連絡ください。皆様からのご相談、お待ちしております☺️


本日のしくじり先生の授業はここまで!

みなさん、ちゃんと心と体と脳を休ませてあげましょう!それでは、起立!礼!

お読みいただきありがとうございました!!




有資格者の心理カウンセラーが自身のうつ病経験のしくじり体験談やそこから復職にいたるまでのコツや、病気と付き合う為のノウハウを記事にしています。遠隔カウンセリングも行っておりますので、なかなか外に出るのが難しかったり直接人と会うのが苦手な方もお気軽にお問い合わせ下さい☺️