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共感について考える


共感について、これまでも語ってきた。
再び考えてみたい。

共感の捉え方には、3種類あるように思う。

その違いによって、
共感されたように感じない感覚や、
互いのズレを感じたり、
理解のなさを感じているのではないだろうか?

それは、承認と受容の感覚にも繋がっている。
理解を深めていくことはとても有用と考える。




最近、共感については、
大きく分けて2種類のものがある。

情動的共感と認知的共感


以前でいう共感と理解に当たるだろう。
大まかであったのものを、
より詳しく説明しているように思う。

そこには、多様性の広がり、ネット社会が進み、
情動的共感だけのつながり、
他者集団に対する排除や誹謗中傷のように、
社会的な問題の危険性が考えられるため。

元々、情動的共感は自分と似た人と繋がりやすい。
情動的共感だけで繋がろうとすることは、
想像力や他者理解の欠如が増す可能性がある。

思いやりを持ち、
相互尊重の社会を築いていくために、
今、共感の捉え直しが行われているようだ。




私の考える共感は3種類。

この情動的共感と認知的共感の2種類と

さらに2つの組み合わせた共感

を示したい。


なぜなら、この組み合わせこそが、
クライエント中心療法で知られる
カール・ロジャーズの言う

共感的理解と肯定的配慮

であると考えるからだ。


カールロジャーズは、カウンセリングにおいて、
カウンセラーの態度が重要であることを説いている。

カウンセラーの態度3つの条件
・純粋性(自己一致)
・無条件の肯定的配慮
・敏感で正確な共感的理解

ロジャーズは、セラピーの成功を決定するものは、技術や訓練ではなく、
「クライエントに伝えられ、クライエントが知覚された、セラピストの中のある態度の存在である」と述べている。


つまり、
互いの関係により良い影響を与えるものは、
相手に知覚される自分の態度である。

カウンセラーとクライエントの関係も
親と子の関係も
人と人の関係も
同じであるように思う。


人は、その人の態度から、
さまざまなものを受け取っている。


情動的共感も認知的共感も
どちらも必要であり、感情重視、認知重視と
どちらかに偏るのではなく、
両方を組み合わせた、
感情への配慮と認知的な理解とともに、
思いやりのある態度を示した共感を行いたい。


参考までに
<ロジャーズの考えを子育てに活用させた記事>





<共感の種類>

共感とは
他人の体験する感情や心的状態、あるいは人の主張などを、自分も全く同じように感じたり理解したりすること。

https://sakura-paris.org/dict/広辞苑/prefix/

他人の体験する「感情」や「心的状態」
同じように「感じたり」「理解したり」

ここを区別し、理解をより深めているように思う。




⭐️情動的共感

「感情」「感じる」

「悲しむ相手を見て自分まで悲しくなる」のように相手の感情をまるで自分の感情のように感じるプロセスのこと。

引用元:https://cocology.info/sympathy/

情動的共感は、自分に近い存在の人に感じやすい。
子どもやよく知っている人、自分と似た人など。

感情移入して、同調や同一視となる場合もある。
感じすぎて、思い込みとなる場合も多くある。


参考までに
<そちらについて書いた記事>


相手がどのような状況で、
どのように感じているのかを
想像して、同じように感じることは、
相手を理解する上で大切である。

しかし、重ねて一緒になってしまうことは
それはまた問題がある。

情動的共感は、自他の区別、
境界線を保ちながら、
相手の感じたもの感じるということだ。


情動的共感は、相手の感情への理解✨




⭐️認知的共感

「心的状態」「理解する」

例えば相手が悲しんでいるときに「この人は悲しんでいるんだ」と理解するプロセスのこと。

推測するプロセスであり「同じような気持ちを味わう」情動的共感とは少し違う、論理的な能力を必要とする共感。

引用元:https://cocology.info/sympathy/

認知的共感は、相手の情報を認知し、
論理的に理解をしていく。
共感よりも理解という印象がある。

そのため、人によっては、
やや機械的なように感じられることもあるだろう。
肯定しているけど、心を感じないというような。
相互の心の在り方で受け取り方は左右される。


相手の表情や声、言葉、
置かれている状況などから、
どのようなものが考えられるか推測していく。


そこには、

相手を肯定すること
積極的な関心が関わってくる。


つまり、

認知的共感には、心理状態の理解✨
肯定的配慮を伴う。





<まとめ>


情動的共感は、感情面への理解
認知的共感は、心的状態への理解

感情面は、心の共有
認知面は、言語の共有

わかってくれたという承認や受容の感覚の共感。

情動的に偏りすぎは、排他的や自他の境界、思い込みに注意。
認知的に偏りすぎは、無機質的な印象に注意。


情動的共感と認知的共感それぞれに特徴があり、
メリットとデメリットがあるが、
それぞれをバランスよく取り入れ、
両側面を活かした共感をしたいものだ。


従って、共感を考えていく上では、

相手への積極的な関心を持ち、
肯定的配慮と共感的理解となる共感✨

第3の共感となる
2つの共感の組み合わせた共感を考えていくことを
伝えていきたい✨


相互尊重が守られた
寄り添い合える社会を考えていけますように💕



参考文献




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・・お読みいただきありがとうございます・・




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