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舞台「永遠を、愛を誓います。」感想&考察

 2023年9月23日(土)・24日(日)にアトリエ第Q芸術で上演されたシーリア企画イマジライズ プロジェクト Vol.1「永遠を、愛を誓います。」の舞台を観劇してきたので、感想と考察っぽいものまとめてみた。 概要 感染するとゾンビになる新型ウイルスが蔓延した世界で、感染者である渚(須藤叶希)とその恋人である明希(律人)の二人を描いた物語。作中ではゾンビパニックや大きな事件が起こるというより、徐々に症状が進行していく渚と彼女に寄り添う明希のやり取りが丁寧に描かれる。  こ

    • 『すいとーと!』の聖地巡礼に行ってきました! ……という話

       漫画『すいとーと!』(沖野ユイ著、集英社、全3巻)は私の最推し百合漫画の一つであり、大学生百合×福岡グルメの飯テロ漫画でもあります。  作中に登場するお店は全て実在しており、キャラ達がそこで活き活きと料理を味わう姿に、いつか自分も食べてみたいと思わされてきました。  さる5月某日、福岡県に旅行する機会がありました。となれば、行くしかないよね「聖地巡礼」! ……というわけで、作中で紹介されているお店に行ってきましたレポです。 ホットドッグ(1巻第6食)  1ヶ所目は「今

      • 検索技術は現代人の必須スキル ~検索検定3級合格体験記~

         「2021年の振返りと2022年の目標」でも少し触れましたが、検索技術者検定(以下、検索検定)3級を受験し、無事合格しました。本記事では検索検定とは何ぞやから、実際に受験するまでの勉強方法などについてご紹介したいと思います。検索検定に興味の無い方でも、「検索」を日常的に行っている方にはぜひ知っていただきたい検定試験です。 検索検定とは 検索検定を実施している一般社団法人情報科学技術協会のホームページでは以下のように説明されています。 「本試験の目的は、企業、大学、組織等

        • 2021年の振返りと2022年の目標

           大晦日なので今年1年を振り返ってみました。しかしスケジュール帳は4月始まりを愛用している私です。 仕事 何より今年一番の出来事といえば、4月から新しい部署に異動したことでした。  前の部署に丸4年おり、異動があること自体は半ば確信していましたが、まさか希望していた部署になるとは思っていませんでした(希望は出すがそれが通ることはほぼない)。前の部署にいた時はほぼ毎年のようにストレスチェックで引っかかり、産業医の面談を薦められていたのが影響したのかどうかは神(人事)のみぞ知る

        舞台「永遠を、愛を誓います。」感想&考察

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        • 感想文
          17本

        記事

          「Affection -三姉妹と従者の少女-」紹介 ~それは少女の心を癒す、穏やかな愛情~

           「Affection -三姉妹と従者の少女-」(企画 / シナリオ mismi、キャラクターデザイン / 原画 あさ(ちり綿じゃこ)、敬称略)(以下「Affection」という)とは、現在BOOTHにて体験版が公開中のフリーノベルゲームである。  ジャンルは「主従百合ビジュアルノベル」。副題からも分かるように、本作はメイドさんと主人である三姉妹が織りなす百合ノベルゲームである。  本記事では「Affection」の紹介ならびに体験版をプレイした感想を記し、本作の魅力を一人

          「Affection -三姉妹と従者の少女-」紹介 ~それは少女の心を癒す、穏やかな愛情~

          「citrus+」JULY1st感想 ~君は必殺のジャブを受けたことはあるか~

          https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E7%99%BE%E5%90%88%E5%A7%AB-2020%E5%B9%B412%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C-%E3%82%8D%E3%82%8B%E3%81%82-ebook/dp/B08L5X11RX/ref=tmm_kin_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=  202

          「citrus+」JULY1st感想 ~君は必殺のジャブを受けたことはあるか~

          沖野ユイ『すいとーと!』を全力で推しています!……というだけの話

           少年ジャンプ+でWEB連載中の本作。女子大生が博多や九州に実在するお店の名物(ガッツリ系多め)を食べるというグルメ漫画――と表向きには銘打たれているが、1話目にしてヒロイン二人の濃厚な百合が描かれており、まさかあのジャンプで百合グルメ漫画が連載されるとはと度肝を抜かれた。(その当時の驚きと期待はこちらの記事で詳しく書いています→ https://note.com/summernight139/n/n8954b3d2af02)  グルメ漫画は数あれど、百合と組み合わせた作品

          沖野ユイ『すいとーと!』を全力で推しています!……というだけの話

          朗読劇「さよならローズガーデン」感想

          2月9日(日) 平年を大きく上回るこの冬ではきっとお目にかかることはないだろうなと思っていたパウダースノーに吹き付けられながら、早朝の道を駅に向かって歩いていた。  ずっと楽しみにしていた朗読劇「さよならローズガーデン」2日目のために東京へ向かうためだ。  元々原作コミックのファンだったこともあり、朗読劇の制作が発表された時からずっと心待ちにしていた。本当は8日の一日目の公演も行きたかったところだったが、生憎仕事が入っていたため二日目のみ申し込んだ。去年から参加したいイベ

          朗読劇「さよならローズガーデン」感想

          「すいとーと!」こそ今後の百合漫画界をさらに発展させる作品だ……! というお話

          百合はジャンルであり要素でもある。そのため他ジャンルとの組み合わせが非常に容易だ(とりあえず女同士のつながりを出せばいいのだか ら) だが他方の色が濃すぎると百合色が薄まってしまい、個人的には百合としてのうまみが物足りなく感じることがままあった。 そんな中「すいとーと!」は女子大生二人が博多グルメを堪能するというコンセプトでありながら、後輩が先輩に積極的に恋愛的意味でアプローチをしているという”ガチ百合”要素をも1話から見せつけてくれた。 百合はニッチなジャンルだ。だがそ

          「すいとーと!」こそ今後の百合漫画界をさらに発展させる作品だ……! というお話

          今のそのままの自分でいていい ――11/9アセクシュアルシンポジウム(@大阪大学)に参加して

           11月9日(土)に大阪大学で開かれたシンポジウム「アセクシュアルから考える親密性――人の多様性、関係の多様性――」に参加した。  アセクシュアル――日本では“無性愛”と訳されるが、そういう言葉があることは性的マイノリティについて関心を持つようになってから知ってはいた。その定義についてもある程度知ってはいるつもりだったが、その曖昧さや英語圏のAsexualと日本語のアセクシュアルの違いなど、本シンポジウムで改めて学ぶことができた。  表題の言葉「今のそのままの自分でいていい

          今のそのままの自分でいていい ――11/9アセクシュアルシンポジウム(@大阪大学)に参加して

          舞台「やがて君になる」上映会イベント感想

          11月17日(日)トーキョージャングルは池袋に降り立った。 舞台「やがて君になる」上映会イベントに参加するためだ。 5月の舞台公演では新宿だったが、まさか田舎者かつ出不精の自分が一年の間に話にしか聞いたことの無かった首都の繁華街に出向くことになろうとは思わなかった。 いよいよ見慣れてきた品川駅で山手線に乗り換え池袋駅へ。Googleマップでもよく分からないまま人に満ちた大通りを当てずっぽうで歩いている内に目的地の池袋HUMAXシネマズが目の前にあった。途中、別の通りを歩いて

          舞台「やがて君になる」上映会イベント感想

          ずっと真夜中でいいのに。YouTubeライブ『“Midnight Forever Live” from YouTube Space Tokyo』感想散らし書き

          セットリスト ①脳裏上のクラッカー ②ハゼ馳せる果てるまで ③こんなこと騒動 ④グラスとラムレーズン ⑤蹴っ飛ばした毛布 ⑥秒針を噛む 実写版PVのような美しい映像 廃品と植物とバンドメンバーに囲まれた中央、闇で塗りたくったような人影 ずっと真夜中でいいのに。あるいはACAねという人は、偶像と言うより虚像と言った方がより適当なような、捉えどころのなさがある。 無いが有る。 我々が知ることが出来るのは、彼女の声と言葉と、少しの嗜好。 フルアルバム『潜潜話』でもラストを飾る

          ずっと真夜中でいいのに。YouTubeライブ『“Midnight Forever Live” from YouTube Space Tokyo』感想散らし書き

          橋依直宏『LUNATIC BRAIN1』感想

           ここ数年来、本は商業同人問わずほとんどインターネット通販で済ませるようになった。それは、買いたい本が決まっており、さらに近くの書店には置いていないことがままあるため、その方が効率的だからだ。これに対する反対意見の一つに「書店や即売会では思いもよらない良書との出会いがある」というものがあるだろう。他にもポイントやら書店特典やら色々と通販のメリットを挙げることはできるが、さておき前置き。  本作は即売会会場で偶然手にした。本当に、たまたま。目に付き、興味を惹かれ、試し読みもそ

          橋依直宏『LUNATIC BRAIN1』感想

          【ネタバレ注意】「ジョーカー」雑感

          恥ずかしながら「ジョーカー」が何であるか知らないまま本作を鑑賞した。元ネタがバットマンなどに登場する有名な人気悪役であることも鑑賞後に検索をして初めて知ったくらいだ。ので、これまでの「ジョーカー」とは一切関係なく本作単体での感想となる。 彼の笑い声は泣いているようにも聞こえた。 事実、ピエロのメイクが崩れて涙を流しているように垂れている場面もあった。 心優しい青年がなぜ「悪のカリスマ」に変貌したのか。というのが本作の触れ込みだが、むしろ彼が「なった」のではなく、環境が、社

          【ネタバレ注意】「ジョーカー」雑感

          ずっと真夜中でいいのに。「こんなこと騒動」雑感

          MV担当がsakiyamaさんということで、「ヒューマノイド」「眩しいDNA」以来3作目。ずとまよMVがこれまで2作ずつ担当者が変わっていたため、新たなパターン。 そしてMVもまたこれまでのとは一線を画すと言えるほど新しさに満ちていて。 ・明確なストーリーライン ・中華伝奇風 ・主人公が表に出て人々と関わっている ・闘技場での戦い こんなに社交的で攻撃的なずとまよは初めてだ。信号機やカラス男など過去2作品との関連も随所にちりばめられているが、けん玉という新たな要素も加えら

          ずっと真夜中でいいのに。「こんなこと騒動」雑感

          ずっと真夜中でいいのに。「蹴っ飛ばした毛布」感想 ~空白の歌詞について~

          「潜潜ツアー(秋の味覚編)」と題して10月に行われる全国ツアーを目前に控えた9月26日、1stフルアルバム『潜潜話』に収録される新曲「蹴っ飛ばした毛布」のMVが公開された。 1年前に知って以来、ずっとドハマリしている“ずとまよ”だけれども、今回の曲で衝撃を受けたある歌詞について、雑感を記したいと思う。 「ずっと解決が 答えじゃないことが 苦しいの わかってるけど」 「ずっと解決が 答えじゃないことが 苦しいの ! わかってるけど」 ずとまよの魅力の一つに、特徴的な歌詞

          ずっと真夜中でいいのに。「蹴っ飛ばした毛布」感想 ~空白の歌詞について~