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ガイドが遊ぶこと 山岳ガイド高月弘子さん/14days to 彼女たちの山

【14days to 彼女たちの山】

2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。
出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。
山岳ガイド二人目は、ガイドカンパニー「冒険小屋」を率いて、自分自身もガイドし、さらにはゲストハウスも営む高月弘子さん

弘ちゃんと初めて会ったのは、18年前(2024年現在)。
スイスのグルンドの駐車場でした。私は2ヶ月ほどグリンデルワルトに滞在しており、アドベンチャーガイズ社長であり、国際山岳ガイドの近藤謙司さんのツアーに混ぜてもらってメンヒに向かう日。弘ちゃんは夫の故高月泰治くんと登りに来ていて、抜きつ抜かれつしながら1日を共にしました。

弘ちゃんは、遊ぶことが大好きです。
大学では探検部に所属していて、遊ぶのは陸だけではありません。ラフティング、パックラフトも。宿の女将業とガイド、カンパニーのマネジメント、さぞ大変なことだと思います。冬になると大きなゲストハウスの除雪作業だけでもひと苦労です。
それらを一人で背負ってやっているのだから、すごいです。

そんな多忙な生活だけれど、「遊ぶ」ことは忘れません。
滑りにしても、アルペン、テレマーク、スノーボードと器用にこなしますが、それも雪の上で長い時間を過ごした証だと思います。
ガイドはどれだけ自分の山を登っているか、というのが重要だと思いますが、それには色々な理由があります。
そのうちのひとつは、自分のスタイルや喜びを持っていることは、お客様にも伝えるものが幅広くあり、なによりもスタイルをもっているガイドは魅力的です。
また、遊びを通じて自分の限界や実力を知っているのも重要です。

ハートの意思を見つけたとき

この写真は、秋の鉱山道(北アルプス北部)へ入る手前。弘ちゃんやほかのガイド仲間たちと一緒に、晩秋に歩いたときのものです。この後、錦色の木々がまっていて、「綺麗」「綺麗」を連呼してまったく前に進みませんでした(笑)。

弘ちゃんと初めて出会った頃は互いが30代だったころ。それから歳を重ねて、弘ちゃんが変容してきたことも少しは書けたかな……と思います。
弘ちゃんはガイドをしているときも、遊びで山に登っているときも、とても楽しそうです!

『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(山と溪谷社、3/14発売)


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