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このまちの大人図鑑 Vol.1 ◀確かなこだわりと諦めない心▶

「リッチモン松元」 松元政喜さん


こんにちは、高尾野中学校ボランティアクラブ「×α」(プラスアルファ)です。

「このまちの大人図鑑」の活動として、今回は「リッチモン松元」の3代目、松元政喜(まつもとまさき)さんにインタビューさせていただきました!

さあ、いよいよインタビューへ

2016年には全国和菓子協会の「選・和菓子職」に認定、「一級和菓子製造技能士」の資格を取得、21年には国が認定する「ものづくりマイスター」に認定、そんなおお菓子作りに強い情熱を燃やす松元さん、その魅力に迫るために様々な質問を投げかけました。ぜひご覧ください!

◀仕事のこと▶

やさしい語り口からは積み上げてきた自信を感じました。

質問…さっそくですが「リッチモン松元」の名前の由来を教えてもらえますか?
回答…初代のおじいさんが和菓子とパンのお店を開いていて、その頃は「松元菓子店」と名乗ってました。そして先代が修行から帰ってきて、その時は洋菓子を中心に商いをやっていて、ヨーロッパにあるリッチモンドといいう名前から「リッチモン松元」と名前がついたと思っています。

質問…今の仕事のやりがいを教えてください。
回答…お客さんに喜んでもらえるのはうれしいですね。ケーキもあるし和菓子も・・・私が帰ってきて本格的に始めた上生菓子 ・・・「かわいい」とか「美味しい」という言葉をかけてもらえるのは、本当にやりがいがだと思う。

質問…仕事をするうえで大切にしていることは何ですか?
回答…まず第一に美味しく作ること、その次に見た目の美しさですね。
個人で営業していることもあって、味やデザインへのこだわりを、十分に手間や暇をかけて作り込んでいけるので、そうしています。

質問…ちなみに、お気に入りのお菓子って何ですか?
回答…上生菓子の練りきりですね。色やデザインも自分らしさが出せるので好きです。例えば、夏らしい色とか、季節で色や形を工夫したりできるところがいいですね。

お菓子と一言ではいえない、まさに素敵な作品
美味しくいただきました!

質問…お菓子作りで大変なことは何ですか?
回答…季節で・・・今の時期(夏)は、気温が高くて湿度もあって、例えば、これ琥珀糖っていうんだけど、なかなか乾きにくくて季節によって作りにくいお菓子があるのが大変なことかなって思う。

乾燥途中の琥珀糖
             ・・・きれい

質問…インタビューの前に松元さんのことを調べていたんですけど、東京、埼玉、長野と色んなところで修行していというのを見て、なんでいろんな場所で修行されていたのかなって?
回答…もともと、小学生ぐらいから、この仕事を継ごうかなって、やんわりと思っていて、中学校は高中(高尾野中学校)にいって、最初中卒で働こうと思っていたんだけど、高校卒業まで出すのが親の責任だってことで、高校まで出してもらって、卒業後に最初に東京に行きましたね。最初の1年目は、昼間働いて夜間の専門学校があるの。17時半から21時半だったかな、働いている人しか通えない学校でね。そこに通いながら洋菓子の仕込みから、そこで5年間修行して一通りできるようになって、実家が和菓子もやっていたので、次は埼玉の和菓子専門店に移って修行することにしました。そこで上生菓子にであって、最初は洋菓子の華やかさもあってあまり興味を持てなかったけど、やってみると自分の手にあっていたんですね。自分の手先の器用さにも気づいたし、5年間、結構しっかり修行しました。その後、長野お店に移って、そこでは、どんな商品が売れるのか、少し視点を変えて学ぶことが多かったですね。長野には3年間いて、合計13年修行して、この町に帰ってきました。 

質問…仕事をやめたいと思ったことはありますか?
回答…何回もありますね。人って、うまくいかなくなる時期ってあるんですよね。気持ちいいぐらい順調すぎると落ちてくるというか、人生登りっぱなしの人かとなかなかいないでしょう。
挫折というかね。なんだろう、凄くできる人とかいるんですよ。頭の回転とか仕事も出来て周りも見えて、やっぱりすごい人はいるのよ。やっぱり「負けたくない」っていう気持ちと一緒に、でも追いつけないって感じる挫折感。一時期ありましたね。

質問…今の目標は何ですか?
回答…最初は、上生菓子250円で売っていたけど、高いって言われたし、種類出したけど、なかなか売れないことも多くてやめようかなって思ってたんだけど・・・これは自分が「選・和菓子職」、「一級和菓子製造技能士」という資格を持っているから、自分の生きる道を和菓子しかないのかなって、開き直って諦めずに出し続けたら、ちょっとずつ新聞の方とかメディアの方に止まるようになって、認知が少しずつ増えてきて、お客さんも増えて、売れるようになっ

てきて、今は、子供達に教えるのが楽しい。和菓子を食べたことのない子供達が興味を持ってくれたりする。自分は子供の頃、そういう機会がなかったのね。よそに行って初めて知ったの・・・この仕事につて欲しいという意味ではなくて・・・

平安時代から続く日本の文化なので、無くならないように、実際の体験を通して、この和菓子の文化を子どもたちに伝えていくのが今の目標というか、楽しいことなのかなって思ってます

◀このまちについて▶

この町から見える海が好き

質問…このまちの好きなところは何ですか?
回答…柴引の坂から見える海が好き。駅からも海が見えるし、風景が好き。都会から帰ってきて、今まで気づかなかったあじさい・コスモス・桜などの自然が目に入るようになってきました。

質問…この町に良くなって欲しいところは?
回答…このまちの観光資源を活かし切れる町になっていってくれるとうれしい。壁ととっぱらって、出水市全体で盛り上げられるような仕組みがあったらいい。

◀これまでのこと・これからのこと▶

質問…振り返って、やっておけばよかったことはありますか?
回答…勉強。英語が苦手だけど喋れるようになっておけばよかった。

質問…30年後、この町にどのような風景が広がっていてほしいですか?
回答…子供が減っていないと良いと思う。地元の人が地元のお店で買い物をする。地元の商店が潤えば、もっといいものをお店も提供できる。そんな30年後があればいいなって思ってます。

【中学生へのメッセージ】

勉強はしておいた方がいいです。そして興味がないことにも、触れる機会があれば、触れてみてください!
自分の道を・・・視野を広げるというか、選択肢を持っておいたほうがいいかなって思います。そして、若いときはたくさん失敗ができます。大人になるとできないので(笑)

〜松元さんから聞いた上生豆知識〜

私たちも美味しくいただきます。

・抽象的なものや、本物そっくりなものが作られたり、上生は作る人によってでき方が変わってくる。
・お菓子を売る場所によって照明が違うので、光加減を考えて着色を濃くしたり薄くしたりする。お客さんの目を引く!!
松元さんは、喋り方や雰囲気から優しさがにじみ出ており、和菓子の文化をとても大切にしている方でした!

◀まとめ▶

今回インタビューをして感じたことは「諦めないこと」です。
人間はなにかの分野において、自分より優れている人がいると感じると同時に、焦燥感にかられたり、やる気をなくしてしまうことがあります。勿論、これは人それぞれなので、当てはまらない人もいます。ですが、そういう事があった場合、諦めない心というのはとても大切なことだと思いました。
うまく行かないことがあっても、一度休憩して、また新しい一歩を踏み出し直して、自分なりの人生を歩みたい、挑戦することを恐れないように頑張りたいです。


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