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3分で読める!社労士コラム ~労使のバランス・オブ・パワー~第4回(給料)


こんにちは!今回もお読みいただきありがとうございます。

今回は、皆さんが一番関心のある給料の面から、労使のパワーバランスを考えてみたいと思います。

皆さんは、給料をいくらにするとか、その払い方について書かれている法律ってご存じでしょうか。

いくらにするかということでいうと、「最低賃金法」がありますね。毎年10月に改訂される、あれです。最低賃金より低い時給単価にすることは日本全国どの会社でもできません。

払い方については「労働基準法」です。いわゆる”賃金の5原則”といわれるものです。①通貨で②直接に③毎月1回以上④決まった時期に⑤全額を支払いなさいというものです。同じ法律だと、いわゆる”減給の制裁”として、一度に減給できる額の上限が決められていますね。

他には税金関係で一部ありますが、あとは特にありません。「毎月税金や保険料引かれてるやん」という声が聞こえてきそうですね。この「引かれる」ことを「控除」と呼びますが、極論すると、「控除」する義務があるのではなく「徴収する」義務があるのであって、いったん何にも控除しないで満額を支給して、そのあとに別途、税金と保険料などを徴収したっていいわけです。

でも、そんなことしていたらめちゃくちゃ面倒なので、給料から控除してもいいことになっています。ただし、そのためにはお給料から控除してもいいですよという「労使協定」か「個別の同意」が無ければやっちゃいけないんです。さっき、労基法の”賃金の5原則”でいう⑤全額で払うというのが文字通り原則なので、協定や同意がない限り、控除という例外は認められないんですね。

さて、そんな仕組みで決まったり支給されるお給料ですが、今まで見てきたような範囲でしか縛りはないので、それ以外はみんな会社が決めちゃっていいわけです。基本給のみだっていいし、いろんな手当をつけてもいいし、計算方法だって基本形はあるものの、最低賃金や割増率など法定の幅に違反してなければ、なんだっていいのです。

そういう意味では、給料は労使のパワーバランスでいうと「使」のほうに圧倒的なパワーがあるような感じがしますね。実際、求人段階で給料はほとんど決められているし、「労」がいくらもっと欲しいといっても同業種の相場や会社のお財布事情に左右されるので、結局は「使」の裁量次第ということになってしまいます。

そんな構造を持つ給料に変化が出てきたのが働き方改革、とくに「同一労働同一賃金」です。お給料の「額」は、結局のところ最低賃金を割ってなければいい、よそより安くったって文句言うな、非正規なんだから正社員より安くったって当たり前だろうということがまかり通っていたのですが、そこに「分配」という切り口からメスが入りました。いわゆる「均等・均衡待遇」というやつですね。

ということで、それまでは「額」は一定の規制があり、「分配」は完全にフリーハンド状態だったのを、今後は後者にも規制の網がかかったことによって、給料にまつわるパワーバランスは「労」の方に有利に働く部分がでてくるようになりました。

「使」にとっては経営の自由、つまり裁量の発揮できる分野だったはずのところにまで規制が及んで、正直なところおもしろくない変化ではあると思いますが、バランスというものは、いつかどこかで是正されるものです。

「過剰な労働者保護だ」と反抗しても仕方ないし、今までフリーハンドだった故に様々な問題が生じてきたことは事実なので、ここは、自社の事情に即して変化に対応する方法を考えていくことのほうが、前向きな気持ちになれます。そのための支援を社労士は行っていますので、ご活用いただければと思います。

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