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1985駒沢オリンピック公園物語

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日本における、80年代のBMXとSKATEBOARDカルチャーの物語
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1985駒沢オリンピック公園物語

1985駒沢オリンピック公園物語

日本における、80年代のBMXと
SKATEBOARDカルチャーの物語文:山口洋介高橋潮に捧ぐ

ジョージ・オーウェルがデストピアSF小説で描いた「1984年」の翌年、1985年とはこんな年だった。

そんな時代の物語である。

第1話「FACE DOGS」
「CURB DOGS(路肩の犬達)」
「MOVIN'ON MAGAZINE」1985年、俺は親友である林(チャーリー)一也と
「MOVIN'

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第2話 駒沢公園の仲間たち

第2話 駒沢公園の仲間たち

サニ・トラの荷台にジャンプ・ランプを積んでの駒沢通いが始まると、チャーリーと俺はこの駒沢公園の仲間達に囲まれてスケートするという環境を心底気に入ってしまった。すぐに仲良くなった高橋潮、粕谷守唯はもちろん、 和田幸司、池田二郎、田村健、 堀沢寿美男、 和田貞宣、 山川知則といった国内屈指の BMXライダー達が集い、 鈴木孝則、 鈴木光をはじめとする若くて才能あるストリート・スケーター達も集って来てい

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第3話 高橋潮 武勇伝編

第3話 高橋潮 武勇伝編

駒沢公園通り沿いのモスバーガーにたむろして聞く潮の武勇伝はネタが尽きることがなかった。いつも7~8人でテーブルを囲み、バーガーやフレンチフライを食べ、コーラをストローですすりながら潮の話に聞き入った。

公園内にあるビルの4階ほどの高さの給水塔にBMXを担いでよじ登り、フェンスのない屋上のふちギリギリの場所でジャック・ナイフ状態でポゴをしているところを塔の全景が写るように写真に撮ってもらい、「MO

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第4話  チャーリーのケガ

第4話 チャーリーのケガ

チャーリーと俺はこの日も仲間達と共に公園に集っていた。
スケーター連中がジャンプ・ランプを飛ぶのをながめていた「ターちゃん」こと粕谷守唯が突然、ランプに向かってBMXを漕ぎだしたかと思うと、360度エアリアルでランプを飛び抜けて皆のド肝をぬいた。
それというのもBMXのエアリアルはランページやボウル、クオーターパイプを利用した、いずれもR面に戻るものしか見た事がなかったからだ。それを見たスミオ (

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