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第13話駒沢公園・パイナップルべティーズ・BMX RIO

ある晩、潮から電話がかかってきて「今日学校でケンカになって負けた」というので俺は驚いて「お前が?」とよくよく話を聞くと、その日が高校の初登校の日だったらしいのだが、いきなり不良グループに目をつけられて10人くらいに取り囲まれたらしい。

そのうちの2人に、2人がかりでやられたと悔しそうに言うので俺も「そらあ 面白くねえな、みんな集めてリベンジしに行く?」という話になったが、 次に潮に会った時にはもうそいつらとは仲良くなって、逆にそいつらのおかげで学校生活がたのしくてしょうがねえんだ、くらいのことを言っていた。

夏になると二郎の実兄で当時鵠沼のベティーズのサーフ・ライダーだった池田潤君が飯田通広プロ(プロサーファー)を伴って公園に遊びに来た。

飯田通広プロ パイナップルべティーズの広告

飯田君は大野薫氏の血を色濃く受け継ぐベニス・ハードコアなのでそんなモノホンの彼と一緒にスケートし、 縁石にガリゴリとグラインダーをかけて遊ぶのは実に楽しかった。 もうだれのトラックのハンガーが一番削れてなくなるかぐらいの勢いで真剣 にグラインダーばかりかわるがわるやっていると、 だんだ ん可笑しくなってきて笑いが吹き出した。

それにしても潤君も飯田君もサーフだけでなくスケートも巧い。 そんなところがすごくベティーズのライダーらしさを感じさせた。

瀬田にあるBMX RIOのライダーとなっていたチャーリーは豊島園遊園地で行われる、BMXフリースタイルのコンテストに出場する事になったので、俺はチャーリーと佐々木(ササ)慶治、フラットランド優勝候補の石橋(タヌキ)登らと、BMX RIOオーナーの蒔田さんの運転するデリカスターワゴンに乗り込み、豊島園へと向った。

瀬田 BMX RIO

途中、環八で幸司や二郎の乗るWILDCATのヴァンに遭遇したので、車が並ぶと俺はおもむろに車窓からムキ出しのケツを出して、オシリペンペンをして排発してやった。ササは女性に流行のフィットネスウェアBIOの服を着た女のコを見かける度に、車窓から「バイオー!」と叫んだりして車内を爆笑させていた。

コンテストでは優勝候補のタヌキが見事にフラットランド優勝を決めた。


つづく


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