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プロフェッショナルなんだけども、困る人

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解縛 げばく
小島慶子
新潮社 

●tbsラジオのお昼の顔、キラキラ

 小島慶子さんと言えば、真っ先に思い浮かべるのが、自らの冠番組であるTBSラジオ「小島慶子・キラキラ」の後味の悪い終わり方(そして、後番組になった、「赤江珠緖たまむすび」も色々あったりするのだが)をしたのは、ラジオヲタとしては有名な話。

●情熱大陸でプロの腕を見せる

 けれども、プロフェッショナル意識はマジ半端ない。2011年3月11日の生放送中に、赤坂のスタジオもものすごい揺れだったにもかかわらず、注意喚起のコメントを冷静沈着に行う。同時並行で、TBSテレビの「情熱大陸」が彼女に密着取材していたのだが、こういう有事が起きているため、ドキュメント撮影を辞めて欲しいと訴えたほど、余震・計画停電・原発問題で、緊迫した期間も、赤坂から情報をラジオを通して発信し続けた。 

●実はしんどい時期がありました

 最近のネットニュースで、自ら発達障害であることカミングアウトしたのだが、こういう「逸材」な人だからこそ、良い意味でも悪い意味でも世間から浮いてしまう。そして、摂食障害や不安障害にも悩まされていたこともオープンにしていると、私、一個人も、発達障害(広汎性発達障害)の当事者として励まされる。

●困る母親、困る姉、困る家族

 本の内容に戻ろう。しんどい親(母親)と、7歳年上の姉とのエピソードが頻繁に出てくる。残念ながら、TBS入社後の彼女の活躍を知りたいという人は、がっかりな本かも知れない。幼少期の頃の姉への思い。「どうして、あなた(姉)は、そんなに大人ぶっているの?」「どうして、そんなに器用に生きることができるの?」と、姉に不満を持っていた。しかし、そもそもは、その不満は、母親との軋轢であった。

 プッツンエピソードが多い、めんどくさい人だけども、そんなプロフェッショナルな一面のバックボーンを知ることができる一冊。

 

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