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全然、しくじってなんかナイ!

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ナナメの夕暮れ
若林正恭
文藝春秋

●ついつい夢中になって

 夜中に中々寝付けず、再読してみることに。オードリー若林さんの著書は、前著「社会人大学人見知り学部卒業見込」の文庫版も楽しませて頂いたし、そもそも、初出であるダ・ヴィンチ誌の連載もスクラップにしていた。

●こんな番組もありましたね

 その前著の文庫化の後書きには、冠番組であった「ミレニアムズ」(オードリー・ナイツ・流れ星・ウーマンラッシュアワー・山里亮太)が、豪華キャスト陣にも関わらず短命で終わった直後についての言及。そして、この著作のリリースのタイミングが、超人気番組「しくじり先生」が、しれ~っと終了した時期(現在復活して放送中)でもあり、に2冊とも、若林さんの大切な番組が節目を迎える時、何とも言えない寂寥感。

●脱却はしたものの

 今作は特に、とんがっていた20代、30代前半を終え、アラフォーを迎える時が迫ってきて、ゴルフや社交場にも顔を出すようになった、やや人見知りを脱却するも、まだまだ「こじらせ感」我慢再なエピソードばかり。

●す・て・き・や・ん

 そして、話の展開のコアとなるのが、「仕事に対するスタンス」について。とにかく面白いことをしてやり爪痕を残してやるからなという血気盛んだった時期はとうに過ぎ去り、そんな過去の自分と脱却したいという思いのところ(「2009年とぼくと」の項)は是非読んで欲しい。必ずしも弱さを見せないことが正しくは無い。弱さを開示していくことが強みなのだ。とある意味で自己啓発的な文章だな、と感じるが、お笑いの世界でそうやって語れる人って、「素敵やん」。「オードリーのオールナイトニッポン」の武道館イベントを控える中で、自分がどう、その大プロジェクトに向き合って、多くのリトルトゥース(リスナー)に心を響かせるパフォーマンスをすべきなのか? と言う意味ではオードリー、そして、若林さんの今後のマニュフェスト的一冊でもある。

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