【失敗レベルとスキルを上げる】不味いものを”何度でも確実に”作れるようになった私。
<この記事を書いた時の頭の中>
・自習や研究の甲斐もあり、カフェ仕事のスキルが上がってきた実感がある
・仕事用ノートの中身と、書き込んでいる時の想い
・「積み重ねる」から見えるモノ、見えなくなるモノがあるのでは?
・「皆すべからく努力しておる!」という鴨川会長の言葉
・オフィスワーカーだった時の自分(新卒の頃~最近)
・アドラーの個人心理学 「勇気を挫く」ということ
・成功事例の共有を叫んでいた最後の会社の社長
・そしてまったくうまく回っていない社内メンバー、社外の関係者
・めちゃめちゃ離職率高かったなぁ
・若手の時「どうすればうまくいくのか」を即座に考える癖をつけた
・だからこそ何か見落としたまま進んでしまった気がする自分
・思い出しながら、今の自分と照らしながら、整理してみる
みんな『うまくやる方法』や『成功事例』が大好き
自分自身の能力の変化や向上、成長を実感できる瞬間は、職業や年齢、性別を問わず誰にでもあります。
一番わかりやすいのは、『今までできなかったことが出来るようになった時』。それは例えば問題を解くことであったり、お客様へのスムーズな対応ができた時であったり、納品までの日数の短縮であったりと様々。
この、「AをBの方法で行えば成功する」という、いわゆる『うまくやる方法』や『成功事例』を収集し、共有することでその再現性を高めることができます。
たとえば会社ならそこからマニュアルを作成→社員間で共有したり新人教育に役立てたりします。
個人であっても、セミナーを開催したり、有料noteを売ったり、本を出したり、YouTube動画を作ったり・・・。
書店に並ぶ雑誌や書籍、ビジネス・ライフスタイル系のWebメディアも、いかに『うまくやる方法』と『成功事例』をたくさん紹介できるか、を競っているようです。
”狙って失敗できる”ところまで来た
さて表題の件。
私の場合、例えばカフェラテを作る、という作業について。
エスプレッソの取り扱い方、ミルクを温める際の秒数、蒸気ノズルの角度、温度を上げるスピード、ミルクを注ぐ高さ、マシンのメンテ方法.....etc
経験を積み重ねて色々分かってくるにつれて、
『誰が飲んでも美味しいと言われる作り方』の要素を少しずつ拾い集めることが出来ました。(もちろんまだ道半ばですが)
そしてこの『誰が飲んでも美味しい』を身に着けることで、一緒に理解できたことがあります。それは『誰が飲んでも不味いと言われる作り方』です。
AをBではなく、C、D、E、F、G、H、I,,,,,の手順・方法で行えば”こんな悪い結果”になる ということを沢山突き止め、知ったのです。そして何故そうなるのか、という理由も。
つまり、確実に不味くなる作り方をストックしている状態であり、何度でも狙った通りの失敗が可能なところまで失敗レベルとスキルが高まってきたと言えます。
Q:この失敗方法のストックとスキルに、果たして需要はあるでしょうか??
良い結果の再現率UP ≠ 悪い結果の再現率DOWN
A:ふつうは無いです。
ヒヤリハットを集めることはあるかもしれませんが、失敗する方法集なんて普通は作りません。「そんなのいいから誰でも、確実に、成果が出せる手法をもってこい!」と怒られそうです。
でも経験値が上がるにつれ、この失敗する方法や仕組みを理解し、実際に失敗を再現する知見やスキルは、『うまくやる方法』を知っていることと同じくらいかそれ以上に大切なんじゃないか?と思い始めました。
理由は大きく下記の2つです。
理由1)
正解(うまくやる方法)は基本的に一つ。
一つだからこそ、マニュアルに落とし込める。共有・拡散・浸透がしやすい。逆に言えば、正解が通用しなかったり、問題(ケース)が異なると対応しにくい。
それに対して不正解(失敗する方法)はいくつもある。
うまくいかない要素や境界条件が分かっていれば、回避しやすくなる。
さらに別の正解に気が付きやすくなる。
理由2)
正解(うまくやる方法)を伝授しても、できない人・分からない人は必ず存在する。そんな時に正解しか手元になければ、「いいからこのやり方でやれ!」と言うしかない。言われたほうには不満や不信感の種が育つ。
何故なら本人にも「何が分からないのか分からない」「何故できないのかわからない」し、それを説明なんてできないから。
不正解(失敗する方法)を理解し実践できる人には、できない人の「わからない」「できない」の楔(くさび)がどこに打ち込まれているのかが見えるので、対処がしやすい。
よく『名選手は名監督になれない』というのは、このあたりにポイントがあるような気がします。
「正しいマニュアルがあるのにオペレーションが安定しない」
「教育に力を入れているのに、メンバーのモチベーションが上がらない」
「広く浅いでもいい、と思っていたけれど、自分も周囲もなんだか薄いだけな気がする」
そんな風に考えているチーム(お店、会社、自治体)があったら、原因は『正しさ満載のマニュアルや情報共有』そのものにあるのかもしれません。自分自身について振り返ったり、周囲を見回してみる限り、どうやら「正しさをコレクションすること」は、「成功することや失敗を遠ざけること」と、残念ながら直結してくれないようです・・・。
ここらで一度、自分と周囲の失敗レベルを上げてみる、という選択肢はいかがでしょう?敢えて。気軽に。