gifted_crocus246

外浪と申します。兵庫生まれです。基本的に乗り物好きで列車、 旅随筆を書いてきました。旅…

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外浪と申します。兵庫生まれです。基本的に乗り物好きで列車、 旅随筆を書いてきました。旅情を表現したいものです。最近は航空機のことも。韓国での町歩き、列車旅、タイ国での小動物観察、釣り堀 体験、バイクタクシー乗車等気に入っています。マイペースで旅の幅を拡げていきたいものです。

最近の記事

ヨーロッパ時計まわり列車旅(233)

東経135度子午線(12) 〈随筆「日本へそ公園」訪問記(4)〉 幅30メートルほどの加古川は、昨日(2007年当時)の台風4号が降らせた雨により増水していた。流れる音は力強い。濁った川面(も)の色は、茶褐 (かっ)色ではなく、薄い青緑色だ。増水のピークは過ぎて、普段の流れへ向けて収束していく気配を感じた。 私は標柱を見た後、その付近を散策した。小道から逸(そ)れると、短い雑 草と苔(こけ)に覆われている。苔の上へ足を踏み込んだところ、靴が2センチメートルほど沈み、水分が苔か

    • ヨーロッパ時計まわり列車旅(232)

      東経135度子午線(11) 〈随筆「日本へそ公園」訪問記(3)〉 神戸を出発して約2時間後、私は「日本へそ公園」駅に到着した。当駅を出て、東側へ道路沿いに進むと、「日本へそ公園」の入り口が見えてきた。 公園内に何らかの「へその印」があるものと予測して、案内表示板に沿って歩いた。すると、再び駅前にもどって来てしまった。南北に走る線路の西側に並行して、加古川が流れている。じつは、その線路と川の間に「へその標柱」があるのだ。高架橋を渡ってそこへ向かった。その一郭(かく)はミニ庭園の

      • ヨーロッパ時計まわり列車旅(231)

        東経135度子午線(10) 〈随筆「日本へそ公園」訪問記(2)〉 そして、チャンスとなった2007年(平成19年)07月16日、私はJR神戸駅午前08時27分発の新快速に乗車して出発した。加古川駅から12番めの西脇市駅までは二輌(りょう)編成の電車に乗車した。西脇市駅で一輌のワンマンカースタイルの電車に乗り換えた。 この電車は、2004年(平成16年)の電化開業に併せて製造されている。運転士の後ろもガラス張りで、前方の視界が車内からも良く見える。右横の料金箱も目立たないように

        • ヨーロッパ時計まわり列車旅(230)

          東経135度子午線(9) 〈随筆「日本へそ公園」訪問記(1)〉 今回は、東経135度と「北緯35度」が交差する場所『日本のへそ』(兵庫県西脇市上(かみ)比延(ひえ)町)を目的地として出かけた。 JR加古川線の加古川駅から北へ15駅めの『日本へそ公園駅』が最寄り駅だ。この駅は、1987年(昭和62年)に通年営業の駅(無人)となっている。そして、2003年(平成15年)に、『近畿の駅百選』のひとつに選ばれる名誉を与えられている。 線路は単線で電化されている。ただ三つ南側の西脇市駅

        ヨーロッパ時計まわり列車旅(233)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(229)

          東経135度子午線(8) 〈随筆『東経135度子午線』(5)〉 2007年6月10日、私は神戸駅午前07時53分発の快速電車に乗り、再び明石へ向かった。にわか雨の後で曇り空だが、視界がよく、明石海峡大橋や淡路島がくっきりと見えて、気分がよかった。天文科学館の門扉の前に開館時間 (午前09時30分)の50分前から並んだ。私は12番目だ。徐徐に、並ぶ人が増え始めた。開館直前には約100人になっていただろう。 〈時の日 記念品配布〉 入館と同時に、受付の係員から、『日本標準時子午線

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(229)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(228)

          東経135度子午線(7) 〈随筆『東経135度子午線』(4)〉 私は、29年前の1978年(昭和53年)に高等学校入学のお祝いとして腕時計を親から買ってもらった。『セイコークオーツ』と名のつく当時流行の薄型(うすがた)の時計だ。時計盤は従来型で、直径30ミリメートル、厚さ9ミリメートルだ。盤の背景は濃い青色で、針は細く、数字の替わりに12本の長さ3ミリメートルほどの白い棒状の印があり、すっきりしたデザインになっていて、気に入っている。 少し進み気味の時計なので、一年に1回ほど

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(228)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(227)

          東経135度子午線(6) 〈随筆『東経135度子午線』(3)〉 人丸前駅ホーム上の子午線表示は、ホーム上を北から少し南南東方向に、幅15センチメートルほどで二本あり、風雨にさらされているからか、ピンク色に派手さはない。私は、それを写真撮影し、おでかけの目的は達したのだが、天文科学館が気になり、科学館へ足をのばした。 〈明石天文科学館〉 科学館では、時計や天文学に関する展示がある。私は、『日本標準時』と『時の記念日(六月十日)』に興味を持った。前者については、日本国内でも北海道

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(227)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(226)

          東経135度子午線(5) 〈随筆『東経135度子午線』(2)〉 山陽電車「人丸前」駅は、大正六年に開業した。現在(2007年)の一日当たりの乗降客数は、1280人という小さな駅だ。しかし、エレベーターや車椅子(いす)用トイレ・スロープが設置されている。プラットホームはひとつだ。普通電車が、一時間当たり、上り平均4本停車する程度だ。 〈明石天文科学館とホーム上の表示〉 ホームから北側を見ると、円柱形の建物の頂上部に時計が設置されている「明石市立天文科学館」が目に入る。その小高い

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(226)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(225)

          東経135度子午線(4) 〈随筆『東経135度子午線』(1)〉 私は、2007年(平成19年)06月03日、兵庫県明石市内の山陽電車「人丸前(ひとまるまえ)駅」へ出かけた。明石駅からひとつ神戸寄りの駅で、普通電車しか停車しない駅だ。 〈人丸前駅は「近畿の駅百選」に〉 この駅は、2002年(平成14年10月14日)に『近畿の駅百選』に選ばれている。これは、「鉄道の日」記念行事の一環として、2000年(平成12年)から四年間で、近畿の特徴ある駅を募集し、選考委員会が百駅を選定した

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(225)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(224)

          東経135度子午線(3) これから掲示する写真の標識などは、明治・大正・昭和期に測量された子午線上にあります。最新の測量技術での子午線は少しずれたところにあるようです。当ブログでは、測量に関する詳細には触れていません。詳しく知りたい方は、天文学を学ばれて執筆されているブログや天文科学館の資料を見ることをお勧めします。 〈探索後、魚の棚(商店街)へ〉 私は、2024年03月30日午前中に、子午線標識等の探索を終了して、明石駅前に歩いて移動した。国道の南側に東西に「魚の棚」という

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(224)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(223)

          東経135度子午線(2) 〈山陽電車「人丸前」駅を中心に南北方向に探索〉 2024年03月30日(土)に、私は明石の天文科学館から南北方向を歩いてみようと考えた。午前09時ごろ自宅を出発し、11時前にはJR明石駅に到着した。 山陽電車に乗り換えて、神戸方面へ普通電車(山陽電車)に乗車して、一駅だけ引き返す。これは、山陽電車「人丸前」駅に行くためだ。この駅構内に子午線が通過している。そして、プラットホームの西側に南北に「東経135度子午線」表示がペイントされているのだ。これを写

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(223)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(222)

          ※(222)~(234)の13回分として、「東経135度子午線」を投稿します。 お楽しみください。 〈東経135度子午線(1)〉 私は、2007年(平成19年)に随筆として、『東経135度子午線』(2000字)及び『「日本へそ公園」訪問記』(2000字)を作成した。おでかけや「いちびり(おもしろおかしく探索すること)」視点で話題を探している時に、『日本標準時』に興味を持ったからだ。この二つを作成して、他の話題に移ったため、これに関しては、一段落としていた。 〈新聞記事『週刊

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(222)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(221)

          ベネチアからティラーノ経由ミラノへ(37) 〈ブルージオ駅手前の『オープンループ線』〉 2008年09月07日の早朝、レーティッシュ鉄道・ベルニナ線のティラーノ駅でサンモリッツ行き普通列車に乗車した。団体客以外の通常の乗客が少ないためか、一等座席区画は、一人用席と二人用席が通路をはさんで設けられており、とくに狭さは感じられない。 午前7時40分普通列車は定時に出発した。出発後、町の道路上の線路を進んだ後、道路に並行する線路(専用軌道部)に入った。天気は曇りで、山山は中腹から上

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(221)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(220)

          ベネチアからティラーノ経由ミラノへ(36) 2008年09月07日の朝、私はレーティッシュ鉄道ベルニナ線、ティラーノ駅に入ろうとしている。旅券を係官に差し出した。すると、係官は審査後に、「スタンプを押しますから少しお待ちください」という意外なことばを発して、事務所に入って行った。私としては、イタリア国出国スタンプ押印はうれしいことだ。旅の記念になるからだ。 駅構内のホームに入り、私は普通列車の編成を観察した。後部三輌は、団体専用の客車で、その前は自転車運搬車両、その前に一等座

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(220)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(219)

          ベネチアからティラーノ経由ミラノへ(35) 〈イタリア国からスイス国への国境審査〉 2008年09月07日、私はイタリア北部ティラーノのレーティッシュ鉄道・ベルニナ線ティラーノ駅前にいた。アルプスの麓だけあって、澄んだ涼しい空気に触れている。私は、ここから午前7時40分発の普通列車に乗車して、『ベルニナ峠(標高2253メートル)』を目指す予定なのだ。 駅舎に近づくと、この早朝にヨーロッパ人の団体客が約50名いた。駅舎に入るために並んでいる。ここで、突然に再登場するのだが、『国

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(219)

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(218)

          ベネチアからティラーノ経由ミラノへ(34) 〈500ミリリットルのポットが二つ給仕された〉 イタリア側アルプスの麓 ティラーノという町のホテルで朝食を迎えている。コーヒーのリクエストをして待っていると、ホテルのご主人は、約500ミリリットル入る二つのコーヒーポットを運んできてくれた。量には満足するが、なぜ二つあるのだろうか? と不思議に感じた。じつは、ひとつには温かいコーヒーが。もうひとつには、温かいミルクが入っていたのだ。つまり、好みの比率で交ぜあわせて飲むわけだ。これが、

          ヨーロッパ時計まわり列車旅(218)