ヨーロッパ時計まわり列車旅(233)

東経135度子午線(12)
〈随筆「日本へそ公園」訪問記(4)〉
幅30メートルほどの加古川は、昨日(2007年当時)の台風4号が降らせた雨により増水していた。流れる音は力強い。濁った川面(も)の色は、茶褐
(かっ)色ではなく、薄い青緑色だ。増水のピークは過ぎて、普段の流れへ向けて収束していく気配を感じた。
私は標柱を見た後、その付近を散策した。小道から逸(そ)れると、短い雑
草と苔(こけ)に覆われている。苔の上へ足を踏み込んだところ、靴が2センチメートルほど沈み、水分が苔からにじみ出てきて靴の周(まわ)りに拡(ひろ)がった。(こんなに水分を保つ能力があるのだ!)と、苔の保水力に感心した。
その後、私は日本へそ公園へ向かった。「日本のへそ」の理由が説明板に書いてあった。日本の領土(諸説が存在するが)の東端は、北方領土の択捉(えとろふ)島で東経147度。西の端は、沖縄県八重山諸島・波照(はてる)間(ま)島の東経123度。北の端は、北海道の宗谷海峡で北緯46度。南の端は、八重山諸島・波照(はてる)間(ま)島の北緯24度。
これら「日本領土の枠」から見た視点での中心を『日本のへそ』として捉(とら)えたら、東経135度・北緯35度の当地が該当するというわけだ。
その(233)終わりです。次の(234)をお楽しみに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?