「普通」は人によって違う

何年一緒にいたって、他人は他人だ。

他人らしく、お互いを尊重する心を失ってしまったら、
その関係は終わりだと思う。

相手は自分の持ち物ではない

どんなに近づこうとも、自分が生まれ落とした命であろうと、
その人は、私の持ち物ではない。

相手にも気持ちがあって、考えがあって、したいことがあって、
そうやって自由に生きる人間だ。

自分の思い通りにならないから、してもらえないからと
腹を立てることは筋違いなのである。

頭ではよくわかる当たり前の事実だけれど、それが実践できている人は案外多くない。

かくいう私だって、絶対に実践できていると胸を張ることはできない。

「あなたのためを思って言っている」

そう言いながら指摘されたことは、誰でも1度や2度はあるのではないか。

でも、その言葉は本当に私のために言われた言葉なのだろうか。

本当に、言葉をかけてきた相手自身のためでは無いと言い切れるのか。

もちろん私のために言われた言葉もあるだろう。

そういう言葉に救われた経験は何度もあるし、全てを否定するつもりはない。

ただ、もしも私がその言葉を発するのであれば
「自覚のない暴力」になっていないか、注意しなくちゃと思う。

知らないうちに、自分の常識を相手に押し付けていないか？
知らないうちに、相手を傷つけていないか？

その言葉で、本当に得をするのは誰なのか。

自分の常識に当て嵌めないで

同じように並んでいると、自分以外の他の誰かも
当たり前に自分と同じ「普通」や「常識」を持っていると錯覚してしまう。

距離が近ければ近いほど、その事実は薄れて、さも「自分と同じ」と思ってしまう。

少し蓋を開けて話し合ってみれば、それが「違う」ことがわかるはずだけれど
人間はそんなに頭が良くないから、たまにふと「違う」という当たり前の事実を忘れてしまう。

そんなときに、私たちは自覚もなく誰かを傷つけていることがある。

私もそうだから、書いていて心が痛いけど、
まずは自分で自覚することから。

自分の常識を話す・伝えることは問題ないけれど、
それを相手に押し付けるのは間違っていると思う。

話し合いは、押し付け合うのではなくて擦り合わせること。

お互いの常識を擦り合わせて、着地を考えること。

そうやってお互いを尊重する心を失わないように、日々気をつけて過ごしていこうと思った日でした。

ご清聴、ありがとうございました。

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