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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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#老い

乾燥肌

乾燥肌

夏休みが終わり、今、テストの採点をしている。夏休み明けの課題確認テストである。生徒をいかに休みの間に遊ばせないか、あれやこれや算段するのは教員の「哀しい性」であると言えよう。

生徒は大変である。せっかくの夏休みだというのに膨大な課題を出され(過大な課題と言えばおしゃれである)、夏休みが終わったという感傷に浸る間もなくテストが待ち受けている。

ただし大変なのは生徒だけではない。テストするためには

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たにんごと?

たにんごと?

みなさんは、「大地震」「神戸牛」を何と読みますか?

僕にとって「大地震・大舞台」は「だいじしん・だいぶたい」だったのですが、「おおじしん・おおぶたい」と聞くことが多くなり、ちょっと違和感なのです。

たぶん、「音読みの漢語と結びつくものは音読みで読む」という小さい頃に教育された?単純な原則に僕の単純な頭が違和感の原因のようで、「日常に溶け込んで日常の言葉として和語化したものは「おお」と読むことの

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普通のストレス!?

普通のストレス!?

迂闊にも自分の老いに気づかず、他人に指摘されて初めてそうなんだと思ったのは、53歳の誕生日だった。

もはや誕生日が来たということに特別な感慨があるわけでもなかったのだが、自分が顧問をしているテニス部の女子部員たちがお昼休みにお祝いをしてくれた。

昼休みが終わる1分前。授業をする教室に着くと、黒板いっぱいにチョークで大きなHAPPY BIRTHDAYの装飾。待ちかまえていた部員に囲まれ、クラッカ

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湯たんぽと 猫とまるまる 星の夜

湯たんぽと 猫とまるまる 星の夜

ここ数年、寄る年波に、夜はカミさんが湯たんぽを入れてくれるようになり、それに頼って寝ている。若い頃はどんなに冷たい布団に入ってもすぐに体温で温まったのに、いつしか靴下を履いて寝なければ寝られないようになり、もはや今は、湯たんぽがなければ眠れない状態にある。

湯たんぽは温かくていい。
が、酒を飲んで正体なく眠る僕は、湯たんぽにずっと足を置いていてもその熱さに体が反応せず、低温火傷となり、病院通いを

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自分への信頼が崩壊する日

自分への信頼が崩壊する日

最近、同じ職場の同僚を呼ぼうとしてその名が出てこないことが多くなった。同僚にも親しい人もいれば、それほど親しくない人もいるのだが、同じ教科で、いつも話をしている人であるにもかかわらず、教材の打ち合わせやらテストの採点基準やら、ふっと相談しようとして声をかけようとして、よく知っているはずのその人の名前がどうしても浮かんでこない。その人を目の前にして、呼びかけようとして呼べないのである。「うわー、この

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