マガジンのカバー画像

土竜のひとりごと

253
エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

コロナに関する断想

コロナに関する断想

コロナウイルスに世界が揺れている。学校も揺れている。当初、まさかそんなことになるとは思わなかったが、僕も三日に一日の出勤で他は在宅勤務になった。

一日、家にいて映像授業を作っている。ITCなどに手を出さないと決めていたが、これもひとつの好機と思い直し、スマホも買い、日々、ひたすら作っている。

そう言うと格好はいいが、実際は、機材とグーグルとの闘い。ひとつつまずくと、それを解決するために半日かか

もっとみる
うまい話

うまい話

独身の頃、自分で言うのも何だが僕はよくモテた。

といってもそれは僕の容姿や性格が女性に歓迎されたということを意味する訳ではない。見合いの話が結構あって、要するに職場のオジサンたちによくモテたということになる。それも、僕自身のやはり性格や容姿より、僕が三男坊で、どこに行こうが婿に入ろうが一向に構わないという僕の条件が僕をモテさせたことになる。

時には先輩に「ちょとこっちへ」と呼ばれて「ウチの親戚

もっとみる
実体との乖離

実体との乖離

やけに難しいタイトルをつけてみた。

つまらない話だが、例えば「お金」。

キャッシュレス決済がスマホという「道具」を利用し、消費税の値上げをバネに一気に進もうとしている。あるいは、仮想通貨が国という単位を飛び越えて市場経済の中で主役に躍り出るかに見える。昔は例えば、給料は現金支給だった。

僕が30歳半ばくらいまでは。給料を袋に入れる事務は神経のいる大変な仕事だっただろうが、もらう方は嬉しかった

もっとみる
他人と他者

他人と他者

不思議なことに、カミさんは猫の気持ちを代弁する時に、それが人であれば本人と言うべきところを、なぜか本ニャンと言ったりする。

例えば、「本ニャンには本ニャンなりの考えがあるらしい」とか、「本ニャン的には相当ショックだったらしい」とか。カミさん的には、このニンとニャンの音の響きが、人と猫の間をつなぐ「絆:キズニャ」ということになるらしいのだ。一方の本ニャンは気ままで、愛情など、どこ吹く風。してほしい

もっとみる

『羅生門』と「未知」

1年生の現代文の授業は楽しい。少しこちらが説明した後で「これ、どう思う?」と投げかけると、隣近所で話し合いの輪ができワーワーと議論が始まる。

ここ7年間は3年生の担当ばかりで、そうした授業がどうしても減ってしまうので少し寂しいのだが、1年生のころは、極端に言えば「どう?」と3回くらい言えば、50分の授業がそれだけで成立してしまいそうな勢いなのである。ワーワーガヤガヤやっているだけではない。結構意

もっとみる
コロナに関する断想2

コロナに関する断想2

コロナで休校状態にあった学校は、5月の半ばから一週間の試験登校を始め、5月の最終週から基本的に日常を取り戻した。しかし、前話で恐れていた通り、一度切れてしまった糸はなかなかつなぐことが難しく、暑さも手伝って、当初3週間くらいは、ほとんどどうしようもないくらいの疲れに体が悲鳴を上げた。サロンパスを毎日貼りまくり、栄養剤を飲みまくり、それで何とか一日をこなすといった体。

部活動も6月から再開されたが

もっとみる