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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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2021年4月の記事一覧

れんげみち

れんげみち

その日 僕の道を
陽があたたかく照らしていた

春が春らしく輝き始めた
田んぼのあぜ道

れんげが一面に咲いていた

おばあちゃんが乳母車を押し
おじいちゃんが鍬をかつぎ
おやじの引くリヤカーを
おふくろが押し
そうして時が
静かに流れていた

決して楽とは言えず
決して豊かでもなかったが
ただ静かに時は流れ
人のために生きることが当たり前だった
限りない
そして無自覚な善良が
そこにはあった

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恵みの雨

恵みの雨


喪失はしづかなかたち 降る雨にしっとりといま地が濡れてゆく
雨といふ ひたすら下降するものの清らかにして寂しきかたち

今日は雨で部活動のインターハイ予選が延期になりました。
今月はインターハイの関係で土日もすべて練習か試合だったので、今日は考えてみれば、4月になって初めての休日です。
平日勤務もだいたい8時から20時まで。
退職したらちょっとはのんびりできるかと思ってもいたのですが、
さにあら

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菜の花と風と

菜の花と風と


とりとめもないことですが菜の花がゆっくりと風に揺れております

かくれんぼの鬼

かくれんぼの鬼


かくれんぼの鬼に見つからないやうに 見つかるやうに 生きてゐる

空に半月

空に半月

おのれとは酒を飲まねばふりきれぬ迷ひの器 空に半月

生きるとはただ佇つこと

生きるとはただ佇つこと


生きるとはただ佇つことにほかならず 初夏 夕暮れに葱坊主佇つ

もう楽にいきていいよ

もう楽にいきていいよ

[ 戯れ歌 ]

「もう楽にいきていいよ」と、どんぐりとまつぼっくりに言はれてゐたり

あ~くたびれた
あした休んじゃおうかな
(おっと、明日は試合ですが・・)
温泉行きたい
ゴロゴロしたい
・・・って感じです。

カミさんとトカゲ

カミさんとトカゲ

カミさんの報告によると
うちの縁の下に
トカゲが棲みついて
カミさんが
草取りとか洗濯をしていると
ひょっこり顔を出すのだという

この間、子どもが生まれたそうなのだが
ふと覗いてみると
その子どもが蜘蛛の巣に絡まって
ぐるぐる巻きになっていた

カミさんはそこで
糸からはずしてやり
体に絡みついた糸を小枝で取ってやったのだが
しっぽに糸がぐちゃぐちゃに絡まって
はずそうと試みたが
取れないままそ

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光の小箱

光の小箱

君といふ光の小箱ひらくとき ふとオリオンは大きく動く

悲しみの鞄

悲しみの鞄


悲しみの鞄をいつも持ち歩く こんな僕でもついてくるかい

プロポーズの歌?・・でも、たぶん不幸にしてしまったカミさんに、60歳の今、もう一度聞いてみたい気もする。

今宵の酒の友は半月

今宵の酒の友は半月

[ 酒の歌 ]

寂しさは寂しさのままおくがよく 今宵の酒の友は半月

春風の青

春風の青

[ 短歌:春 ]

菜の花の黄色のような人であり 順子が告げる春風の青

海が見たい

海が見たい

[ 口語短歌 ]

海が見たい 玄関でぺちゃんこになっている蛙はそう思っていたかもしれない