【Sorahiro Connect 統括責任者・髙木 佑佳】私がソラヒロにいる理由と、実現したい未来


こんにちは。障がい児通所支援事業を中心に、地域の方々や子どもの未来の場づくりを行なっている株式会社ソラヒロです。
 
私たちの運営する児童発達支援・放課後等デイサービス『そらひろ』は、障がいのある未就学児童および、小学校1年生から高校3年生までを対象に受け入れています。
 
そんな私たちが、この10月にカフェや就労支援サービスの入った3階建ての複合型福祉施設『Sorahiro Connect』をオープンしました。
 
今回は、そんな『Sorahiro Connect』の統括責任者である髙木 佑佳のインタビューをお届けします。東京の外資系金融機関でバリバリ働いていた彼女が、熊本にUターンした理由は? そして、今後展開していきたい事業とは? ソラヒロの次時代を担う彼女が見据える未来について聞きました。

髙木 佑佳(たかき ゆか)
株式会社ソラヒロ Sorahiro Connect統括責任者 兼 本社広報室 室長/
イギリスの高校を卒業後、早稲田大学法学部にて民事法を専攻。東京の外資系金融機関で営業を務めたのち、株式会社ソラヒロ Sorahiro Connectの統括責任者 兼 広報室長に。

東京の外資系金融機関から熊本にUターンしました

-はじめに、髙木さんが今ソラヒロでどのように働いているか教えてください。
 
髙木 佑佳氏(以下、敬称略):現在は、この10月に開所した複合型福祉施設・Sorahiro Connectの統括責任者と、本社の広報室長を兼務しています。今年、東京から熊本に戻ってソラヒロに入社したのですが、そのメインの理由がSorahiro Connectの立ち上げでした。立ち上げまではスケジュール通りに進めることができたので、最短で損益分岐点まで持っていくことが今の自分の使命だと感じています。福祉事業もカフェの運営も初めてのことなので、知らないことだらけで日々猛勉強中です。

-元々はどんな仕事をされていたんですか?
 
髙木:東京の外資系金融機関で、エンタープライズソシューションズ(お客様のビジネスの持続的な成長を支えるシステムを考え提案する)営業を行っていました。最後の3年間は、国内大手金融機関に金融データやビッグデータを売りながら、インフラ構築のご提案と導入サポートを行っていました。
 
-どういう経緯でソラヒロに入社を?
 
髙木:Sorahiro Connectを作ることが決まっていたソラヒロさんから、その統括責任者としてお声がけいただきました。同時に、ソラヒロが今後新しい事業をどんどん展開していく中で、立ち上げをスピーディーに行える人材を求めていたようです。

-東京から熊本に戻るのは大きな決断だったのでは?
 
髙木:そうですね。一番はじめにお声がけいただいた時は、本当にありがたかったのですが一度お断りしました(笑)。東京での生活が長く、生活の基盤も向こうにあったし、純粋に以前の仕事が好きだったので…。常にアンテナを張ってスピード感を持って仕事をするのも、せっかちな私の性分には合っていたのだと思います。
 
ただ、いつかは教育、特に幼児教育に携わりたいという思いも抱えていました。というのも、都心部と地方との教育格差が気になっていたんです。熊本で幼児教育および義務教育を受けても、社会に出た時に東京や海外で教育を受けた人材と戦えるマインドセットが育つようなサポート体制を整えたいと考えていました。なので、ソラヒロの仕事にも興味がありましたし、ソラヒロで挑戦できることも沢山あるだろうなと。
 
もう少し東京に残るという選択肢もあり、かなり悩みましたが、今新しい挑戦を始めるのと数年後に始めた場合、後者に何のメリットがあるのだろうかと考えた時に、特に前者に勝る理由がなかったので熊本に戻ることを決めました。東京を離れることは寂しかったですが、一度決断すると切り替えが早い性格なので、決めた次の日の朝にはもう吹っ切れていました!
 
一般的にいう“キャリアアップ”というのは、おそらくそのまま東京に残って、役職や給料をどんどん上げていくことなのかなと思いますし、その道もあったとは思います。でもやってみたかったことに一から挑戦して、全く違う業種で培った知識やスキルを活かしながら、そこで成果を出すというルートもあるのかなと。“こういうキャリアアップの仕方もあるんだね”と思ってもらえるような結果に繋がるよう、今頑張っているところです。

前職の経験を生かしてチームリーダーに

-元の仕事での経験が、ソラヒロでの仕事に生かされていると感じることは?
 
髙木:前職では営業をしていたんですが、物を売る時にデータを読み込み、数年後の目標値に対してこういうシステムを導入すると達成できますよ、というようなコンサル営業に近い形でやっていたので、その経験は生かされたかなと思います。
 
ソラヒロに入った初日からリーダーをさせてもらっているのですが、「着任初日に、Sorahiro Connect立ち上げまでの半年間のスケジュールを出してほしい」と言われていたので、前職を辞めてソラヒロに入るまでの2日間でそれを作っていきました。その時点では福祉のことを全く知らなかったので、そもそも福祉施設はどうしたら認可が下りるのか、何をしなければいけないのか、どうやったら収益があがるのか等をネットで調べて、スケジュールを立てて…。そこは完全に、自分のこれまでの経験に頼るしかなかったです。
 
-それは大変でしたね!
 
髙木:そうですね(笑)。でもチームリーダーである以上、自分の仕事かなと思ったのでなんとかやりました。上に立つ人間がしっかりしていないと、チームメンバーも不安になりますから。

-会社にとってはかなり心強い存在ですね。以前のお仕事とギャップを感じる部分は?
 
髙木:そらひろだけでなく、そもそも福祉業界全体に営業色があまり強くないように感じます。現場上がりの方は、もちろん福祉職員として絶対的に私が勝てないものを持っていらっしゃるんですけど、ビジネスに関していうと、私のこれまでの経験も生かされるのかなと自負しています。金銭面を考えながら運営したり、利用者さんの数を増やしたりするには営業が必要ですし、かつマネジメントも重要になるので。
 
実際、今どんどん伸びてきているような福祉の会社は、様々なバックグラウンドをお持ちの方々を一般企業から連れてきているケースが多いんですよ。福祉業界も、今後は一般企業に近いスタイルの事業所が増えるのではないかと思いますし、Sorahiro Connectに関してはかなり一般企業に近い形でやらせてもらっています。
 
-前職の経験を生かしつつ、福祉に関するところは勉強しながら?
 
髙木:はい。ソラヒロに入社してからの6ヶ月間、様々なことを学ばせてもらっていますが、自分が全てを知っていないことは自覚しているので、チームの協力や本社のサポート、弊社児童部門の先生方の教えを受けながら日々勉強させてもらっています。その中で私が責任を持ってやるべきことは、最終的な決断や、何かトラブルが起きた時の対処だと思っています。
 
-なるほど。では、働く上で大切にしていることを教えてください。
 
髙木:大切にしていることは、主に3つあります。
 
1つ目は「常に、人に優しく思いやりを持って接する」こと。これだけは、初日からずっとチームのメンバーにも伝え続けています。チームリーダーとして他にも言うべきことはあるんでしょうけど、私は思いやりをもって支え合えるチームづくりを重要視しています。最終的には「人」ですからね。チームづくりでいうと、年齢・性別・バックグラウンドが異なるメンバーを集めることも心がけています。多様性のあるチームは、そうでないチームと比べ、エンゲージメントが向上し、より良いアイデアや成果が生まれると信じているからです。
 
2つ目は「‘Why’を大切にする」こと。なぜ成功したのか、なぜ失敗したのか、なぜ相手はそう考えているのかなど、状況をただ受け止めるのではなく、理由を深堀りすることを心がけています。チームメンバーと接する時も、お願いしたいことをただ伝えるのではなく、なぜお願いしているのかを説明するようにしています。また、みんなに何か質問する時にも、ただ答えを聞くのではなく、どのようにしてその答えに辿り着いたかも聞きます。答え自体も大切ですが、その人のthought process(思考プロセス)も同じぐらい重要だと考えています。
 
3つ目は「感謝の心を忘れない」こと。私の仕事は決して1人ではできません。弊社代表を始めとする会社、チームのみんな、関係者の皆様、お客様など、多くの方々のご指導とお力添えによって私の仕事が成り立っています。周囲の人たちへの感謝の心を常に持ちながら、毎日の業務に励んでいます。

今後力を入れていきたい事業『じぶん+』

-最後に、今後ソラヒロで展開していきたい事業を教えてください。
 
髙木:いくつかありますが、来年度力を入れたいと思っているのは、子どもの夢を応援するプロジェクト『じぶん+』です。そらひろに通う子どもたちだけでなく、熊本県や九州、さらには日本全国の児童発達支援・放課後等デイサービスに通う子どもたちに、様々な体験や制作活動などを通して夢を持つことの楽しさを感じてもらいたいと思っています。
 
具体的には、アート、スポーツ、サイエンス、テクノロジー、そしてコンテストの5つのカテゴリーでのワークショップやレッスンを考えています。例えば、プロスポーツ選手の方々にレッスンしてもらったり、大学と連携して科学や物理に触れられるフィールドワークを行ったり…。中でも、必ずやりたいのが“コンテスト”。子どもたちが吸収したものをアウトプットする場として、コンテストの機会があればいいなと思うんですよ。将来、社会で活躍できる人材になりたいと思った時に、プレゼンテーション能力は必要不可欠だと思うんですね。頭の中にあるものを言語化したり可視化したりして、目の前の人に伝えるという経験を、様々なアクティビティを通してやってもらえたらと考えています。
 
個人的に、子ども達が生きていく上で大事なものは2つあると思うんですね。
 
1つ目は、多様性を受け入れられる心。一人一人の個性が輝いている世の中で、自分と違うこと、相手と違うことを純粋に受け止めて面白がれる、興味を持てる感性を育てること。
 
そして2つ目は、好きを突き詰めていく力。これからは学歴が全てではなく、発想力や自分の強みを生かして社会にどれだけ貢献できるかが重要だと思います。強みは、自分の“好き”を突き詰めたその先にあると思うので、そういった力を養う場として『じぶん+』があればいいなと考えています。
 
この2つの能力を、『じぶん+』を通して子どもたちが得てくれることを目指しています。

-ソラヒロに通っている方だけでなく、色々な方が『じぶん+』に興味を持たれそうですね。
 
そうなれば嬉しいです! 初めはそらひろの子どもたちを対象に行っていきますが、個人的にはより広く普及させていきたいなと思っているんです。多くの人々に認知されて、社会の中で『じぶん+』が意味のあるものだと思ってもらえる時代になったら、ソラヒロや『じぶん+』があるから、熊本にUターンやIターンをしてくれる人が増えてくれるんじゃないかなと。
 
最大の地元への社会貢献って地域を盛り上げていくことだと思うのですが、そのためには絶対的に人口が必要なんです。そんな時、『じぶん+』に子どもを入れたいから熊本に引っ越そうと思ってもらえるような存在になれたら、これ以上嬉しいことはありません。そうすれば、私たちソラヒロが求める街作りにかなり近付けるのではないかと思います。私も微力ながら、そのために尽力していくつもりなので、ぜひお力添えをいただけると嬉しいです。
 
 
取材・文:大下杏子
 
そらひろホームページ https://sorahiro.jp/
Sorahiro Connect インスタグラム https://instagram.com/sorahiro_connect?igshid=YmMyMTA2M2Y=

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