夜行列車の女 続き
仲間同士、自分の慌てた姿を相手に見せまいとしながらも、やはり動揺の色を隠すことはできず、「急行」とはいえ、ローカル線独特の揺れと騒音を車内に響かせながら、ひた走りに走る夜汽車の中で、しばらくは立ち上がっては座り、後ろを振り返っては車内を見回し、車掌の姿を求めていたが、やがて自分達の行為の無意味さがわかったのか、視点の定まらぬ眼差しで、お互いに腑抜けしたように相手を見ることもなく
眺めていたが、誰からかともなくニガ笑いを始め、空しい笑い声を残しながら、手にした缶ビールを飲み始め