街角に拾う戦前の建物

画像1 「お疲れでしたッ」受付係の声に会釈し、庁舎をあとにする。退庁の時間帯とは言え、午後六時過ぎの夏陽はまだ高く、強い日射しが背中に照りつける。花崗岩で築かれた植え込み沿いに、家庭裁判所前を東に進む。目前に聳える市役所の大きな白い壁面を眺めると、西日の影響かその色は、極めて淡いピンクから、淡紫色の霞を連想させる色に変化してくる。そんなところが午後の時間を感じさせてくれるのも、盛夏の夕べの特徴であるのかも知れない。つづく

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