蕎麦丸

詩を書くのが好きです。 洋楽の詩を和訳して楽しんでもいます。 和訳の間違いについてはご…

蕎麦丸

詩を書くのが好きです。 洋楽の詩を和訳して楽しんでもいます。 和訳の間違いについてはご指摘下さい。 エッセイもたまに書いています。 よかったら読んで感想コメントを頂けると 嬉しいです。

記事一覧

Depress

Your sleeping breath was strangely annoying So I quietly got up in the middle of the night and drank some shochu The table seemed unusually large The light was …

蕎麦丸
1日前

竹槍家族

君と僕とは溝が深くて 覗きこんだら足がすくんだ 君は社会で僕は山小屋 君は主流で僕はマイナー ロープ渡しても 橋をかけても リスクとコストが見合わないだけだ だけどあ…

蕎麦丸
1日前
2

鬱バック

ノーマルスーツで崖を登ってるみたいなんだよ これほら爪ほら 血だらけの割には登れてねーし 命懸けの割には得るもの傷だし そりゃねーよ、わたし欠陥品、君は完全品、世間…

蕎麦丸
1日前
1

鬱獄

君の寝息が妙に耳障りで 夜中にそっと起きて焼酎を飲んだ キッチンテーブルがやけに大きく見えた 電気が明るすぎるので消した ソファーは乾いて硬かった ピアノの上に郵便…

蕎麦丸
2日前
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一旦晴れってことにして

歯車というのは一旦置いて 僕らはスペシャルな弁当を作って ピクニックの準備をしよう まだ日が登る前に起きて 歯を磨いて、目を覚まして キスをして ダルめのハグをして …

蕎麦丸
2日前
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ファミリーポートレート

古い栗の木の前で 僕らは写真を撮った 僕は赤ちゃんで祖父が僕を抱っこしていた 姉は母と手を繋ぎ 祖母は優しくレンズを見つめている 父はリモコンシャッターのボタンを 押…

蕎麦丸
2日前
2

病棟

太くて白い腕が空から垂れ下がってるの と君は病院で話してくれる 太くて白い腕は、死人の腕がベッドから はみ出たように ただ、ダラリと垂れ下がって揺れているの と君は…

蕎麦丸
2日前
3

優しい猿

天井の蜘蛛が聞き耳をたてている 蝋燭が消えた臭いがする 風が止み奴らがくる 優しい猿たちがバスに乗ってやって来る 彼らは一軒、一軒をノックして回る 優しい猿のノック…

蕎麦丸
2日前
3

雨待

僕は雨を待つ 君が橋を渡る 滑り台の向こうに 薄く虹がかかる 油が、ついた 新しい、ボルトが 七色に、ひかる 宝物のように 子供がそれを拾う 拾ったのは僕だ 僕はそれを…

蕎麦丸
2日前
2

ラップ

Do you find peace? (How about it?) Do you not find peace? (I see.) Do you find peace? (How about it?) Do you not find peace? (I see.) Alone at the bar, with a d…

蕎麦丸
3日前
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鬱ラップ

やすらぐ?(どーだ やすらがない?(そ〜か やすらぐ?(どーだ やすらがない?(そ〜か バーで1人酒 知らない、マスター 客は誰もいない 清潔なグラス 頼むのはジンライ…

蕎麦丸
3日前
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佐賀ラップ

平野部の稲 飾らない姫 白石唐津有明イカ 通り過ぎる人 静かな街 それが我ら佐賀 いつも通り佐賀 駅に降り立つ 佐賀 周り見渡す 佐賀 ラーメン屋がある 佐賀 空港が見える…

蕎麦丸
3日前

ウツ

うつ病のドアが見える 木製のいかにも重そうなドアに コピー用紙にうつ病と書かれた張り紙が セロハンテープで止めてある あと数歩 脳みその重さを感じる 脳みそが浮遊して…

蕎麦丸
3日前
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ドライブ風

赤いBMW の屋根にあぐらをかいて 腕を組んでドライブ風にふかれる 髪を伸ばして無精髭で 僕は日に焼けて、鯵の開きのように痩せて すり減ったグレイの浴衣を着ている ラグ…

蕎麦丸
3日前
3

風車

氷床に黒い岩が座っている その黒い岩に雪が積もることはない 私達はそれを風車の塔から見下ろしている 風車の羽が私達の視界を一定のリズムで遮る 私達は眠り目覚める 耳…

蕎麦丸
3日前
2

針糸

木製の古い椅子に 針が一本刺さっている 針には白い糸が通されいて 白い糸は時々風にゆれる 椅子は学校の廊下に置かれている コンクリートで硬く作られた学校だ 白い天井と…

蕎麦丸
3日前
3
Depress

Depress

Your sleeping breath was strangely annoying
So I quietly got up in the middle of the night and drank some shochu
The table seemed unusually large
The light was too bright, so I turned it off
The sofa

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竹槍家族

竹槍家族

君と僕とは溝が深くて
覗きこんだら足がすくんだ
君は社会で僕は山小屋
君は主流で僕はマイナー
ロープ渡しても
橋をかけても
リスクとコストが見合わないだけだ
だけどあぶねー
忘れかけてた
僕らの勘を、君の第六感を
それはあぶねー
捨て去ってた
アートの力、人の底力

コスト度外視、理屈はリスク
君の本音と僕の肋骨が
渦巻きの中、タガを外して
枠を取っ払ってみたら真っ赤っかっか
どうだい?
これから

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鬱バック

鬱バック

ノーマルスーツで崖を登ってるみたいなんだよ
これほら爪ほら
血だらけの割には登れてねーし
命懸けの割には得るもの傷だし
そりゃねーよ、わたし欠陥品、君は完全品、世間すかんぴん?
そりゃねーよ、証拠が宝、気持ちは見えず、パソコンがダチって
やーだ
君の時計も、君の臭いも、その話し方も
それやーだ
何かマニュアル?指導棒なの?バナナでつるつもり?
まあ、ゆっくり空をみてみようよ
まあ、ゆっくり草の上に

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鬱獄

鬱獄

君の寝息が妙に耳障りで
夜中にそっと起きて焼酎を飲んだ
キッチンテーブルがやけに大きく見えた
電気が明るすぎるので消した
ソファーは乾いて硬かった
ピアノの上に郵便物が置かれていた
足元が冷たかった
目が乾いてヒリヒリした
楽しいことを考えようとしたが
ダメだった
エロいサイトも動物サイトも効果はなかった
君の寝顔は可愛いかった
胃の底にある鉄は
鉄のままだった

古く分厚い扉が開く音が聞こえた気

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一旦晴れってことにして

一旦晴れってことにして

歯車というのは一旦置いて
僕らはスペシャルな弁当を作って
ピクニックの準備をしよう
まだ日が登る前に起きて
歯を磨いて、目を覚まして
キスをして
ダルめのハグをして
君は卵焼きを
僕はアイスティーを担当する
テレビで天気を確認する
間違いなく雨は降らない
中古車のガソリンも満タンで
お気に入りのCDを載せて
さあ。

ファミリーポートレート

ファミリーポートレート

古い栗の木の前で
僕らは写真を撮った
僕は赤ちゃんで祖父が僕を抱っこしていた
姉は母と手を繋ぎ
祖母は優しくレンズを見つめている
父はリモコンシャッターのボタンを
押しているように見える

その写真は引越しか何かで
多分もうみつからない

僕は今、ファインダーを覗くように
その写真を思い浮かべている
冬の晴れた日の陽だまりの温かさを得るためか
逃避か何だかか
今聞いているメローなロックのせいなのか

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病棟

病棟

太くて白い腕が空から垂れ下がってるの
と君は病院で話してくれる
太くて白い腕は、死人の腕がベッドから
はみ出たように
ただ、ダラリと垂れ下がって揺れているの
と君は続ける

そこは傘のない世界で
雨が降って濡れても誰も気にしない
濡れたまま荷物をトラックに積み込むし
電車に乗るし家に帰るの
もちろん、家に帰ったら乾いた服に
着替えるわよ
それがまた気持ちいいの
と君は笑う

太くて白い腕は一日中ダ

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優しい猿

優しい猿

天井の蜘蛛が聞き耳をたてている
蝋燭が消えた臭いがする
風が止み奴らがくる
優しい猿たちがバスに乗ってやって来る
彼らは一軒、一軒をノックして回る
優しい猿のノックは最後の通告のように
コンコンコンと
3回叩かれる
彼らが去っていくまで
我々は息をしてはいけない
スパゲッティもすすってはいけない
天井の蜘蛛が音もなく天井から降りてくる
奴らが近づいてくる
優しい猿たちがバスに乗ってやってくる

雨待

雨待

僕は雨を待つ
君が橋を渡る
滑り台の向こうに
薄く虹がかかる

油が、ついた
新しい、ボルトが
七色に、ひかる
宝物のように

子供がそれを拾う
拾ったのは僕だ
僕はそれを大切に
家に持って帰った

僕は雨を待つ
雨の気配はまるでない
君は傘を捨てて
靴を磨き出す

新しい、自転車で
あの橋を渡る
虹が薄くかかる
向こうへ、向こうへ

ラップ

ラップ

Do you find peace? (How about it?)
Do you not find peace? (I see.)
Do you find peace? (How about it?)
Do you not find peace? (I see.)
Alone at the bar, with a drink
I don’t know the bartender
There ar

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鬱ラップ

鬱ラップ

やすらぐ?(どーだ
やすらがない?(そ〜か
やすらぐ?(どーだ
やすらがない?(そ〜か
バーで1人酒
知らない、マスター
客は誰もいない
清潔なグラス
頼むのはジンライム
あの小説に出る酒
回りくどくなく
周り廻る巡る記憶
だからみんな酒
酒で流すだ〜け
やすらぐ?(どーだ
やすらがない?(そ〜か
やすらぐ?(どーだ
やすらがない?(そ〜か

君は1人サブスク
または誰かをサブスク
好き嫌いもなく

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佐賀ラップ

佐賀ラップ

平野部の稲
飾らない姫
白石唐津有明イカ
通り過ぎる人
静かな街
それが我ら佐賀
いつも通り佐賀

駅に降り立つ
佐賀
周り見渡す
佐賀
ラーメン屋がある
佐賀
空港が見える
佐賀
街の至る所に銅像
銅像が人口
人は優しく
佐賀
不良まで優しい
佐賀
陶器みかん有明海
お米お肉佐賀弁
佐賀
質素静か緑空気
自然は俺たちの味方ばい
佐賀、佐賀、佐賀、さが、サガ
佐賀 さが サガ
よかばい、よかとよ、

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ウツ

ウツ

うつ病のドアが見える
木製のいかにも重そうなドアに
コピー用紙にうつ病と書かれた張り紙が
セロハンテープで止めてある
あと数歩
脳みその重さを感じる
脳みそが浮遊してまともな思考が生まれない
黒く淀んだ漠然とした不安
両手両足に巻かれた鎖
深く息をすう
もう一度あと一歩

ドライブ風

ドライブ風

赤いBMW の屋根にあぐらをかいて
腕を組んでドライブ風にふかれる
髪を伸ばして無精髭で
僕は日に焼けて、鯵の開きのように痩せて
すり減ったグレイの浴衣を着ている
ラグーン沿いのすいている早朝の
フレッシュな緩やかなカーブ道を
雲に手招かれるままに
赤いBMW はカモメのようにハンドルを切る

いいじゃないか、と僕は言う
彼女はクラクションを小気味よく鳴らす

風車

風車

氷床に黒い岩が座っている
その黒い岩に雪が積もることはない
私達はそれを風車の塔から見下ろしている
風車の羽が私達の視界を一定のリズムで遮る
私達は眠り目覚める
耳鳴りはその黒い岩から聞こえてくる音かも知れない
そうじゃないかもしれない

誰かが薪に火を灯して黒い岩に近づいてゆく
私達はそれを風車の塔から見下ろしている
風車の羽が視界を一定のリズムで遮る
私達は眠り目覚める

雷が落ちるぞ、と誰か

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針糸

針糸

木製の古い椅子に
針が一本刺さっている
針には白い糸が通されいて
白い糸は時々風にゆれる
椅子は学校の廊下に置かれている
コンクリートで硬く作られた学校だ
白い天井と校庭を望めるアルミサッシ
外から1日の最後のチャイムが聞こえる

今は木製の椅子は校庭の真ん中にある
針に通った糸は長く伸びて空に登っている
紫色の積乱雲が東の空から広がり
気温が下がる
強い風が吹きつけてアルミサッシを揺らす
風は乾

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