蕎麦丸

詩を書くのが好きです。 洋楽の詩を和訳して楽しんでもいます。 和訳の間違いについてはご…

蕎麦丸

詩を書くのが好きです。 洋楽の詩を和訳して楽しんでもいます。 和訳の間違いについてはご指摘下さい。 エッセイもたまに書いています。 よかったら読んで感想コメントを頂けると 嬉しいです。

最近の記事

赤い花

僕らは暇で貧乏で 公園のベンチに座って 目の前に見える赤い花を なんともなしに眺めてた インドのように赤いよね この花の名前は何? インターネットも携帯も 何にもなかったあの時代 ポッテンカロリと名付けて 空を見上げて笑った ポッテンカロリと名付けた あの花のホントの名前は何? ポッテンカロリと名付けた あの花の名前はなんだ インドのように赤くて 空を見上げて笑った ポッテンカロリと名付けた あの花の名前はなんだ

    • グレープフルーツ

      グレープフルーツを君に 靴下を履く間に 湯が沸くまでに 泣き腫らした夜の朝に コーヒーとヨーグルトと グレープフルーツを君に パンにバターをたっぷり塗って サラダに玉ねぎを多めに入れて ブルーのシャツにベージュのズボンを合わせて 自転車に乗って口笛を吹いて

      • A grapefruit

        A grapefruit for you While putting on your socks Until the water boils On the morning after a night of tears With coffee and yogurt A grapefruit for you Spreading plenty of butter on the bread Adding some slice of onions to the salad Pairin

        • だってあなたは死んだから

          今日の晩飯何にする? どうしようか、考えておいて これが貴方との最後の会話 だってあなたは死んだから 玄関を眺めても夕暮れになっても 朝が来てもカーテンが揺れても 晩飯を作っても草むしりをしても あなたは絶対に帰ってこない だってあなたは死んだから だってあなたは死んだから 秋になく虫、空を舞う蝶 グレープフルーツlike an early bird この世に突然穴が開く 声が出せない悪夢のようにどすく だってあなたが死んだから 悲しむ意外に何があるのさ、今は 今は、ただただ

          夏祭り

          夏祭りの帰り道の 靴が道路に擦れる音

          雨宿りの歌

          私の感じたことは私にしかわからない てことは 他人が感じている気持ち、痛みや恥や 誇りや怒りや悲しみはやはりその本人に しかわからない 「でも、それでも私たちは」 それ以降が続かない 胃を握りつぶされ、背中に氷を押し付けられたような あの感覚を私が、他人がいつどれほどに感じているか、想像は出来るがその想像を遥かに超えているのか、 あるいは全くの勘違いであるかは 本人しかわからない でも、それでもやはり、何かがある それが何かは、謎で、既に知っている

          雨宿りの歌

          鉄を燃やせ

          僕らの頭は 声で重くて つねっても叩いても もう何も絞れない 愛と優しさと 足して2で割って  バカが威張る中 君は血を流す あーあ、あーああ あーあ、ああああ 背中を向けてさあ 自分でラインを彫る 鉄を燃やすんだ 鉄を燃やすんだ 僕らのココにある 鉄を燃やすんだ

          鉄を燃やせ

          Under the white moon , Dance

          君はバレイダンスを踊る 木樽のように古いアパートの夜の 真白い月の下で 小さい頃に習ったの まだ私がこうなる前の 小さい頃に習ったの ウィスキーの香りと涙 真っ白い月の下で君は バレイダンスを踊る 木樽のように古いアパートの夜に ウィスキーの香りと涙

          Under the white moon , Dance

          地下深く眠る蛇のような 気が重くなる波が来ないうちに 結構な天気だから 白い日傘をさして 蕎麦でも食べに行こうか 蕎麦屋でいっぱい飲んで 草野球でも見にいこうか 地下深く眠る蛇のような 気が重くなる波が来ないうちに

          夢の夢

          雨漏りする廊下に バスタオルを敷いて 洗面器を置いて 溜まってゆく雨水を見ながら 僕はパジャマに着替えた 夜の雨漏りはそれは それは優しく暗く静かで 家族がいない僕と猫だけの 僕らだけしかいないデッサン

          雷が白紫に光る 僕は数える 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10 地響きがうねる まだ遠い雷だ 母は雷が鳴るたびに数を数えた 僕もそれを真似した そして今もその習慣が身についている

          日が沈まない金色の野原に 八角形の水晶の柱が 愛する人を眺めるように 真っ直ぐと立っている 空は柔らかく 雲が寝息のように緩やかに流れてゆく 私たちは祈り思い出を語る いなくなった人が幸せそうに静かに笑う 私たちは祈り思い出を語る 日が沈まない金色の野原には もう誰もいない いなくなった人は幸せそうに静かに笑う 八角形の水晶の柱が 愛する人を眺めるように 真っ直ぐと立っている 日が沈まない金色の野原に

          普段

          ああそうか そうだったのかと 君はいう 私も長い説明はしない ただ君は そうか そうだったのかと言う 部屋の電気はつけずに  窓の明かりが  私たちの顔に影をかける ソフトにソフトに キッチンから水滴が落ちる音が聞こえる

          足あと

          私の歩いた後に レンガが積まれる 振り返るたびに高く厚く レンガが積まれる 私は諦めて日陰に座り 積まれたレンガに話しかける 「用は何?」 積まれたレンガは答える 「葉書は風に流された」 葉書は風に流された 積まれたレンガを蹴り崩す

          虹と雷

          虹の輪の中を雷が横切る まだ戦争は続いている しかも激しい戦争が 僕は春の道を散歩している 散歩しながらたんぽぽの種子が 風に流されているのを見るでもなく見ている ランドセルを揺らしながら走る子供 自転車でつるむ高校生 半袖半ズボン 虹の輪の中を雷が横切る まだ戦争が続いている しかも激しい戦争が

          八田さん

          灰色の麦畑の風の中 頭蓋骨の目の窪みが 記憶を吸い込み 僕はゆっくりと死んでゆく 首に巻かれた湿った麻縄から ナメクジが這い出して 僕の心臓を絞りつくす 未来に向かう川の音が  聞こえなくなってどれくらいだろう 拳は種子になり 足の裏は門のように硬くて重い  

          八田さん