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雨待

僕は雨を待つ
君が橋を渡る
滑り台の向こうに
薄く虹がかかる

油が、ついた
新しい、ボルトが
七色に、ひかる
宝物のように

子供がそれを拾う
拾ったのは僕だ
僕はそれを大切に
家に持って帰った

僕は雨を待つ
雨の気配はまるでない
君は傘を捨てて
靴を磨き出す

新しい、自転車で
あの橋を渡る
虹が薄くかかる
向こうへ、向こうへ

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