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20240802「わずかに転ぶ」

まとわりつくものを剥ぎ
一旦置くことにして
別の要素を近辺に寄せる
近いようで
本当はかなり離れているが
それがあると
何だか安心するのは
既に成長を終えているからなのだろう
安らかになって
後を委ねて
程々に削られ
再度意味を与えられる
それは本心ではなかろうが
それらしい意味合いとして
付与されることを
安穏へ授ける
空気の包括でしなやかさを得る

別にどうこう言う訳でもないし
邪魔なら見過ごしてそのまま
どこかに預けた欠片から
引き出しては仔細の望洋は
違う音階を奏でようとしている
ためらいの仕草
どう扱ったらいいのか逡巡し
そっと触れる
同時にわたしの方も準備をして
心許ない切片を薄く剥ぐ
皮膚上の切り裂きで
粟立つ接触として
感触を浮き上がらせる
視線を待って
再度宥めるように
解釈を按じ
ささくれをそっと抜く

どれもが隠れつつ
放たれては元に戻ろうとするが
そうは行かないのだと
わずかに転ぶ
そのずれの誤差では
見向きもしないから
気づくことも少ないのだろう
暫し放浪
然れど千切れそうな感触で
浮遊する粒子のざわめきで
空気の濃度を混乱させている
頃合いを見つつ
逃しているのは
隙間の歪み
放たれた思惑を見越し
なだらかながら
一点を動かしている

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