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20240212「ひかりを拾う」

灯りのついた家々をだどって
夜の町をとぼとぼ帰る
いつものように
そして偶には違う道を通って
道を知る
部屋には少ない荷物で過ごす
借りた本を読みながら
食事を済ませて
銭湯へ
横にコインランドリー
一番安い小型で十分
番台を抜け
湯船に浸かる
からんころん
そんな足取りで
さっぱりして
1日の何かを落とし
またとぼとぼ歩く
すれ違う何かは
誰かの気配

そして偶には
コンビニでビールを買う
休み前の夜ならいいだろう
小さな窓しかないから
少し窮屈だけれど
それでいい
テレビも何もないけれど
眠れるのなら
元気で居られるだろう
小さなテーブルと座布団
もう十分だとして寝転んで
小さな明かりを眺めている
どんな夢を見るだろう
暗がりを待って
朝を待って
知らない土地を
うろうろして
もう一度そこへ帰る

眠れない夜には
静かにして
そのままでいる
物音は静か
それでいて
遠くエンジン音
過ぎ去ったら
また深く潜る
すかすかの棚から持ち出し
拡げるのは
何かの兆候
ひとつひとつ数えたら
ずいぶんと捨てて
簡単な問いをたて
簡易な解で間に合わせる
どれもが確か
それでいてつながる景色を綴って
領域に組み込んで
その小さなひかりを拾う

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