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20240102「白玉の、善哉の」

白玉の
善哉の
あんころきなこ
塗して転がし
醤油も横に
焼いて煮て
鱈腹をのせて
それがわたしの幸福
香ばしさも
甘さの奥でも
蒸した上白で
その一面を奪う
まだかまだかと待ってるうちが
何とも心憎いが
待つだけ待って
さあいただこう
頃合いを見て
合掌し
丸めて切って喉元を通る

付け加えられた彩りと
願いと意味を考慮して
できるだけの優しさと
できる限りの褒美として
蓄えられている
刈り取ったそれは
今のわたしになり
あなたでもあるのだろう
揺れる穂を
水を貼った水面を
どの星が反射して
夜道を照らしたのだろう
丸みを整えながら
わたしの柔らかさまでも
揉まれてしまって
もうお腹いっぱい
それでももう一口くらい
食べたそうな
皆の子どもたち

ぽかんとしてた
早く食べなきゃって
かぴかぴに干からびる前に
それでも何とかふやかして
糧を得る
その道すがらを通り過ぎ
ぐるぐる回って
またわたしになって
わたしを離れて行って
さよならなのだと別れつつ
次の一手で
延ばしたよだれを拭いてあげる
それがわたしたちの仕事のひとつ
順繰りに回して
回帰して成長しては
空福を充たす
どれもが幸い
どれもが災い
転じて福も転がり繋がるのだろう

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