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小説

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カクヨムなどの小説投稿サイトに掲載しているものの中から掌編小説、または二次創作をnoteに掲載しています。
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#二次創作

【二次創作小説】シン・アンパンマン補完計画:II

【二次創作小説】シン・アンパンマン補完計画:II

 ジャムズ避難所管制室にて。

 赤い服に赤いマントを纏った少年がモニターを見て、呆然としていた。

「コード:Roll、ロスト。これで、作戦に向かったジャムズメンバー全員の信号が消滅しました」

 その少年、Kidのコードネームを持つキッドマンが背後にいた先輩へ伝える。

「……。今からでも遅くない。やっぱり、僕たちも行くべきだ!」
「そうだよ、パンダ先輩の言う通りだ!」

 コード:Cream

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【二次創作小説】アンパンマン補完計画:Q

【二次創作小説】アンパンマン補完計画:Q

 しばらく走ると砂漠に出た。そこには謎の建物とパラボラのようなものがあった。

 日は既に落ちており、もう暗い。夜が訪れたのだ。

「あれは……」

 バタコが呟き、チーズがブレーキをかける。アンパンマン号R型は走行を止めた。

「アンアーン(何?)」
「……バイキンマンの研究所だ」

 入り口と窓が一つずつある箱のような建物。玄関扉にはバイキンマンのマークがあった。

「行く、か」

 あのカレ

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【二次創作小説】アンパンマン補完計画:破

【二次創作小説】アンパンマン補完計画:破

 ジャムズ本部のエレベーターで地下一○階に行くと、秘密の部屋がある。ロールパンナはアンパンマン号に乗る前、ここに立ち寄っていた。

 秘密の部屋の扉を開けると、中は暗く、闇が広がっていた。

「……」

 ロールパンナは静かに明かりのスイッチを点ける。すると、ガチャっという音と共に一つのスポットライトが一脚の椅子を照らす。

 その椅子には頭のないアンパンマンが座っていた。そして、心臓だけ取り出さ

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【二次創作小説】アンパンマン補完計画:序

【二次創作小説】アンパンマン補完計画:序

「出たなお邪魔虫!」
「バイキンマン、悪いことはやめるんだ!」

 今日もアンパンマンはバイキンマン退治のために戦っていた。晴天の中、悪と正義の声が響き渡る。

「今日こそは倒してやる! アンパンマン!」

 そう宣言するバイキンマンはUFOの下から大量のカビルンルンを放出してくる。

「させるか!」

 アンパンマンはすぐさまカビルンルンを殺しにかかろうとした。しかし、カビるんるんが光を発しだし

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【二次創作小説】クロノスタシス

【二次創作小説】クロノスタシス

 あ、クロノスタシスだ。

 この言葉を知ってから、その現象を目にする度にそう思うようになった。

 クロノスタシスとは進んでいるはずの時計の一瞬止まって見える現象のことを言う。それは秒針だったり、デジタルなら秒数だったりするけれど、誰もが経験したことあると思う。

 たった今、俺も経験した。

 休日の昼下がり。ベッドから上半身を起こして、掛け時計を見た瞬間のことだ。

 せっかくの休日をまたも

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【二次創作小説】Lemon

【二次創作小説】Lemon

 また、あの時の夢を見ていた。

 私はベッドから起き上がり、西日の差し込む窓のカーテンを開けた。私の顔が朱色に染められ、反射的に目を瞑る。

 お世辞にも広いとは言えないこの部屋は、女子大生の部屋にしてはいささか殺風景で、何か小物を買おうにも何を買えばよいのかわからず、いつも買い物はただの散歩になってしまう。

 その話を彼にしたら、笑って聞いてくれた。彼の笑顔が頭に浮かぶ。
 忘れられないあの

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